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カラクレナイ#47 不可抗力だよ

「そこまでぇ……えぇ?」


王様が試合の終了を宣言しようとしたが、困惑したような声を出す。そりゃそうだろう。さっきまで負けが確定していた俺が、目の前のメイドに馬乗りして拳を寸止めして詰みの状況を作り出していたからだ。

まぁ……弁解をさせて欲しい。俺だってわざとこの状況を作ろうとしたわけじゃない。ハンマーが頭に振り下ろされそうになった時、咄嗟に頭突きをかまし、その勢いのままカリンちゃんに突撃をしてしまっただけである。ちなみに体を拘束していた触手は頭突きをかました時点でなくなっていた。何だったんだ。見た感じ体にかかった灰が変形して触手になっていたようだったが……

おほん、話を戻そう。まぁ……つまり不可抗力なのだ。何ならハンマーを振り下ろしてきたカリンちゃんに責任がある。これが交通事故なら7:3でカリンちゃんが悪い。そうこの先、俺がスケベと言われる筋合いはない。たとえ俺がカリンちゃんの胸に手をついていたとしても。これは生き延びるために仕方なかった行為だ。決して喜んでもない。ちょっと今は手がどかせないが、これは疲れと緊張によるものだ。そっ、そんな目で見るなぁっ!!ただのラッキースケベぐらい許してくれ!!……まぁ、後で謝らないと。とは思ってはいるが……


「……早くどいてくれる?」


「あっはい。」


手をどかして立ったらカリンちゃんは小走りで俺の横を通り過ぎ王様の方へ向かっていった。顔は見えなかったがきっと怒っているに違いない……コワイ、ユルシテェ……全部僕が悪かったからぁ……謝るだけじゃなく何か埋め合わせで品を贈るかぁ……?王様に何が好きか聞いとこうかなぁ……


「あぁ……えーと、紅咲の勝利!!」


ふぅ、歯切れは悪いが結果が宣言されたな。一応勝ったが……あのままうちのメイドにセクハラした罪で反則負けで一回戦敗退しなくてよかった。従者と戦うどころか四聖とタイマンするところだったぜ。もうそんなのは懲り懲りだっての……それは置いておいてこの左手はしばらく洗わないでおこ。


ということで俺もリングの外のナイトメアの方へ戻ると険しい顔をしたナイトメアが席から立って仁王立ちで腕を組み待っていた。


「お主……女子の胸に手をつくとはなぁ……死にたい様じゃのう。それもわしが目をつけていたカリンちゃんの……!優勝した後覚えておけ。」


目をつけてたって……師匠、カリンちゃんのこと狙ってんのかよ。それはそれでどうかと思うが……

ということでそのあともちょっとだけ怒られたあと、ちょうど次の試合が始まりそうな時になった。次はグローとアイコス……グローは燈魔さんの右腕、大魔連合のNo.2でちょっと稽古をつけてもらった。今は黒いスーツを着ているが、これから戦闘するからなのか黒い手袋をはめ、ネクタイを取ってボタンを外し少し楽な姿になっている。そういえば俺に稽古をつけてた時もそうだった。あぁ……グローは戦闘が始まると性格が豹変するんだよなぁ……それがどうこの戦いに反映されるのか……

でアイコスの方は王様の従者だ。どこか気になる名前だが、見た目は……カッコいい執事だな。ダンディな雰囲気が溢れ出すカッコいい大人だ。白い髭を蓄え燕尾服を着こなしている。

唯一気になるところは……吸ってもないタバコを片手に持ってることか?それも逆向きに。あれって茶色くなってる方を燃やすんだよな。何でそっちを口側にして持ってるんだ?しかも燃やしてもないし。


「ということで第二試合!出場者は前へ!」


お、そろそろだな。両者ともゆっくり結界内に入っていく。そうして5mぐらいの距離を保ち、真ん中で向かい合う。さっきはやってる側だったからわかんなかったが案外見てる側も楽しいな。このワクワク感……まぁ実際に戦った方が楽しいが。


「両者とも揃ったね。第二試合!!グローべ対アイコス!!開始ぃ!!」


そうして試合が始まったが両者とも間合いを保ちゆっくりと中心を回っているだけだ。うーん、達人の間合いってやつか?俺みたいに最初っから突っ込んでいかないんだな。


最初に動いたのはグローだった。瞬時にバッドを作って近づき振りかぶる。それに対してアイコスは血の壁を作ってそれをブロック。そして後ろに下がって遮蔽物を作り、それに隠れたまま血槍を乱射する。

グローさんはスイングを防がれた後、壁を蹴って距離を取り、乱射されている血槍を避ける様に走る。そして避けながら血の壁という遮蔽物に隠れたアイコスに当たるように回転をかけ玉を打つ。

グイッと曲がり、ピンポイントで遮蔽物の影に直撃した打球だが、残念ながらアイコスはもうそこから離れており当たりはしなかった。


……また睨み合いが始まった。うーん、実力はかなり拮抗しているように見えるが……グローには魔式がある。まぁどう言ったものなのかという概要は知らないのだが……現状俺が知ってるグローの魔式の使い道が俺が放った砲から生還するだから正直何をするものなのかはわからないんだよなぁ。すでに使ってるかもしれないしな。


そうして睨み合いが続く中、急にグローがバッドの構えを解き、ニコッと笑いながらアイコスに話しかける。


「なあおっさん。ちょっと世間話しようぜぇ。」


相変わらず緩いな……俺と戦ってた時もっとアグレッシブだっただろ。何だこの態度の差。俺が振られる話なんて大体暴言か煽りなのに……

あと、戦闘中に世間話するって……絶対アイコスさん応じないだろ。少なくとも戦ってる相手に急に雑談しようとか言われても俺は絶対出来ないが。


「……世間話、ですか?……いいでしょう。戦いだけでは心がやさぐれてしまいますからね。」


いいのかよ


俺もこんな青春送りたかった……

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