カラクレナイ#44 全く悪くはないよね
来年もカラクレナイをよろしくお願いします。
「……で血魔法の研究が終わった後、僕は研究所を閉鎖した。もう使わないと思ったからね。それからちょっと時間が経って……研究所のことを忘れたぐらいの時だった。アレが……最初の血腫が現れたのは。」
話の前が分からないため血魔法については分からないが……聞いてたところだけで考えると肉魔法で血腫が生み出されたのか?確か、王様に隠れて肉魔法について研究してたって言ってたよな。
「えーっと、後から研究所の書類を漁って分かったことだけど、肉魔法を研究してた奴らは僕が研究所を閉じる前にある研究成果を残していたんだ。卵形をした全長1mちょいの肉塊。どうやら僕の肉とナイトメアの肉を採取して作られたものらしくてね。執念を感じたよ。」
師匠と王様の肉を採取!?一体どうやってやったんだ?命知らずだなぁその研究員は……俺は怖くて隠し事もできないっていうのに……
「研究所が閉じられて何十年も経ち、普通ならすぐに腐ってしまうほどの環境に置かれていたその肉は年月を重ね、意識を得た。そして人の形を成して人里へと降りてきて……虐殺を行った。吸血鬼を片っ端からミンチにしていったんだ。」
それが……最初の血腫?王様に隠れて行われた肉魔法の研究の唯一?の成果である肉の卵が、何十年も経ち孵化して生まれたのが血腫……なのか?
だとすると……師匠と王様って被害者じゃね?勝手に肉採取されて化け物生み出されたんだからな。怒ってもいいポジションだろ。なんで師匠は自分が作った感を出してんだ……まぁ自分の肉が使われるって知ったら罪悪感も感じるか?半分自分がやったようなもんだろうし……俺は自分の肉体を悪用されたことがないので分からないや。
「僕とナイトメアはそれを止めようとした。だけど、もうすぐで仕留められるってところで逃げられちゃってね。今じゃそこらかしこにそいつの眷属が闊歩してる始末だ。そこに関しては僕たちの失敗かな。」
別にそこに責任を感じなくても……一般人を守ろうとしているだけで立派だ。むしろ称賛されるべき行動だろう。
「……証拠は?」
ライノはまだ信じきれてないようだ。正直、ここまで詳しく話してくれたら信用できると思ったが、2000年もあったら言い訳の一つや二つ考えつく。証拠を求めるのも自然ではある。
「血腫を作った研究員たちをこの城に収容してるよ。後で案内しよう。根掘り葉掘り話を聞いたらいい。」
ちゃんと犯人も捕まえてるんだ……王様って優秀だなぁ。伊達にずっと王をしてるだけある。
そういうことで血腫の襲撃の対処法について議論が移ったのだが、とりあえず魔界の軍と大魔連合の人が襲撃されそうなところに派遣されそこを守ることになった。
ここは結構雑だったな……魔界はなかなか進んでいて、避難場所も区画ごとに決まっていて、防衛もそれなりにできているのでそれを強化するだけでいいという結論に至ったのだが……ほんと面白いぐらいに早く決まったな。
で、今はそれぞれの兵力について話し合っている最中だ。それを元にどこに何人派遣するか決めるらしい。とはいえ、ナイトメアとライノは従者と言うかそれらしい戦力を持っていないため、話し合いはほぼ王様と燈魔さんが進めている。
「えー僕の軍から3万……大魔連合から5000……ちょっと少なくないかい?これじゃ全都市に十分に派遣できないよ。」
「いやいや、そう言われても俺んとこから出せんのはこれが限界ですって。というかその分、軍の奴らよりも腕がいい奴が揃ってますから平気ですわ。」
「んー?僕の鍛え上げられた軍が弱いっていうのかい?そっちは適当に集められたゴロつきじゃないかぁ。そんなものが正規の軍に勝てると思ってんの?」
雲行きが怪しくなってきた。これは喧嘩が起こりそうだぞ。飛び火が来ないようにじっとしとこ。
「ほーん、そんなら今ここにいるうちの奴らとそっちの従者戦わせてみますか?まぁ勝つのはもちろんうちのもんでしょうがねぇ……」
「いいでしょう。そんなこと言って負けても知りませんよ?」
やっぱり。まぁ俺は見てるだけだし……
「お、面白そうじゃの。庵、お前も参加しろ!」
「え?冗談でしょ。」
飛び火が来ないようにじっとしてたのに、灯油かけられて火にくべられたんだが。このままだと炭になるぞ俺。
「せっかくじゃ。ライノも誰か連れてこい。」
「む?吾輩には従者がおらぬ故……いや1人面倒くさい奴がいるな。連れてきていいか?」
「いいぞ、何処におる。」
「北だ。裂け目は北の何処かでいい。」
と言ってライノも参加することになった。これって要するに四聖のプライドを賭けた代理戦争だろ?とんでもないことに巻き込まれた……燃え尽きる前に逃げ出したいが、その場合ナイトメアにボコされてどのみち終わる。
チラッとナイトメアの方を見るととんでもない目力で睨まれた。……絶対に一位を取らないとボコされる。はぁ……とんでもない代理戦争が始まってしまった。




