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カラクレナイ#43 衝撃的なカミングアウト

「……赤い血潮(サングブルマーユ)というのはわしらが昔作った組織の……最初の血腫を生み出した組織の名前じゃ。まさかここで出てくるとはなぁ……」


……うん?どっ、どどっ、どう言うことだぁ?うん?えーっとつまり、ナイトメアとスケアが共同して最初の血腫を作って?推定だが今その血腫が黒幕としてテロみたいなことを起こしているってことか?

おいおい爆弾発言にも程があるぞ。俺の師匠、完全に悪のマッドサイエントティストと言うか悪役サイドじゃねぇか。フランケンシュタイン作り出したみたいなノリで血腫作ったってことだろ?怖すぎるって!反射的に2、3歩後退りしちゃったよ。


で……ナイトメアがこんな発言をしたもんだから場の雰囲気が凍りついてしまった。場にいる奴ら全員の視線がこっちを向いている。それも疑念に満ちた冷ややかなものだ。まぁ王様とその従者たちは一切動かずさっきの状態のままだが……ぐぅ、視線が痛い。おそらくナイトメアに向けられているんだろうが後ろにいる俺にも流れ弾が来てんだよなぁ。無関係なのに……


「その組織の名前が血腫の口から出たのは一旦置いといて、はぁ……姉貴ぃ……まぁもしやとは思ってましたけどねぇ。魔界に出回ってる都市伝説がそんな内容ですし?まぁ完全に同じとは言わずとも少しは関係しとるやろなぁぐらいには思ってましたが?まさか今この場でカミングアウトするとは……」


都市伝説って……情報が漏れてんじゃねぇか。ここが初だしだろ?この情報……まぁ、火のないところに煙は立たずって言うしな。妥当なのかもしれない。


「失望したか?燈魔。」


「いや、まさか!それにそうやって堂々と血腫作ったって言うてますけど、せいぜい姉貴が協力したのはほんの少しなんちゃいますか?ま、これは俺の希望的観測かもしれませんけど。」


俺もそうであることを願っている。いやまぁ、それでも少しでも協力したことは事実になるんだから十分悪役サイドなのだが……

とここでいままで沈黙を続けてきたライノが話に入り込んでくる。


「貴様らぁ……っ!今までの話が事実の場合、貴様らは取り返しのつかないことをしたのだぞ!それが分かっててその態度なのか!血腫のせいで一旦どれ程の人数の吸血鬼が住居を失ったと思ってる!ナイトメアはまだいい……だが王よ!!貴様はこの話になってから俯いてばかりではないか!この魔界を統べる王として、血腫についてどう思っているのだ!?」


……ライノはどうやら随分とお怒りらしい。こいつ、思ったよりも他人のことを考えてるんだな。被害にあった吸血鬼のことなんて微塵も考えなさそうなのに……意外である。住居を失ったってのは……巣に飲み込まれたってことか?それでも核さえ壊せば何とかなりそうだが……まだ知らない血腫の特性があるのかもしれない……もう吸血鬼になって随分経つのになんでだろうなぁ。

それよりもこの追求でみんなの視線が王様に向いた。こちらに突き刺さる視線が無くなって気持ちも楽になったぜ。心の中で息をついたのと同時に、ついに王様も顔を上げ神妙な顔つきで話し始める。


「……はぁ、たしかに王様としてこの問題はちゃんと説明しないとねぇ……どうやって説明したもんか……ふむ、じゃあ血腫の歴史から入ろうか。」


血腫の歴史?そういえば血腫って何年前から存在してるんだ?ナイトメアの屋敷にはそういった資料が少ないからなぁ。地味に分からなかった情報だ。


「血腫が初めて観測され吸血鬼が被害に遭ったのが今からおよそ200年前……でも血腫が誕生したのはそれよりも昔、今からおよそ220年前の話だ。」


なんだか話のスケールが大きいな……200年前って……たしか江戸時代だろ?学校の授業はあんま聞いてなかったからよく知らないが。徳川家が国を治めてた江戸時代から血腫がいるのか?規模感が違いすぎてついてけてないが。


「当時僕は魔法の研究をしていてね。ナイトメアにも協力してもらって優れた人材を集めて赤い血潮(サングブルマーユ)を作ったんだ。そこで僕は血魔法を研究してたんだけど……それ以外にも僕の知らないところで別の研究も行われてた。肉魔法っていう血腫の原型となるような魔法をね。」


う、魔法か……たびたび出てきてるが魔術と何が違うんだ?魔法どころか魔術も使えない身としては区別がつかないのだが……


「魔法とは世界が術式を刻んだ魔術のことじゃ。説明がめんどくさくて後回しにしとったわい。」


んえっ、頭の中から声が。久しぶりのテレパシーだな。えーっと世界に刻むってなんだ?


「世界に刻むというのは……かいつまんで説明するとこの宇宙、いや世界?には全ての事象を統括する一つのドデカいコンピュータみたいなのが存在するんじゃ。そこに魔術の術式を刻むんじゃよ。」


……分かったような分からないような。そのドデカいコンピュータに刻んでなんのメリットがあるんだ?単純な威力向上か?


「もちろんそれもある。じゃが最も重要なメリットというのはそのコンピュータからの魔力の供給じゃな。コンピュータに術式を刻むのにはそれはそれは大量の魔力が必要なんじゃがな。刻んだらコンピュータと自分にネットワークみたいなのが繋がって常時魔力が流れてくるようになるんじゃ。」


なるほどねぇ。確かにそれはメリットかも知れない。ん?ナイトメアが使ってた裂け目って魔法じゃなかったっけ。だからナイトメアってあんな出鱈目な魔力なのか?

って魔法に夢中になって王様の話を聞いてなかった。肉魔法がなんだって?


「……で血魔法の研究が終わった後、僕は研究所を閉鎖した。もう使わないと思ったからね。それからちょっと時間が経って……研究所のことを忘れた時だった。アレが……最初の血腫が現れたのは。」


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