カラクレナイ#42 赤い血潮
気づけばもう年の瀬っすね
ついに始まった四聖会議(仮)。そんな重要な会議の最初の議題は実に些細なことだった。
「じゃ、お決まりみたいな議題だが……この後の打ち上げで出す料理は何が良い?」
「わしは中華。」
「俺は和食で」
「ならば……吾輩は洋を」
議長としてスケアが会議を取り仕切り最初に挙げた問題は打ち上げについてだった。こんなカジュアルな雰囲気で良いのか?てっきり最初っから血腫の襲撃について話すもんだと……メインディッシュは最後にってことか?料理だけに
「はいはい、つまり全部だな。毎回毎回こうなるんだ。じゃ、次」
会議の進め方がふわふわしている。さっきは高貴とか思ってたが第一印象よりも捉えどころがない話し方だな。この雰囲気だと今まで会議の名前が決まってなかったのも納得できる。どうでも良すぎて議題にすら挙がってなさそうな気がする。
そして3個ぐらい議題を論じた後、ついに本命の問題が来た。はぁ……ここまでの議論は酷いものだった……都市の発展計画や政策の話が挙がったが全部スケアに任せる、で終わった。まあ王様がそれをやるって言うのは至極当然なのだが。案ぐらい出せば良いのに。
「さて、じゃあ次は今回の会議のメインの話題に入ろう。最近起こった血腫の計画的な襲撃についてだ。これに関してはナイトメアや燈魔の方が詳しいだろう。2人が説明してくれ。」
スケアから話を振られたが、俺の師匠は今までの話が退屈だったのか、派手に体で船を漕いでいたので、無理やり体を揺すって起こす。
ただいくら揺すっても起きないので、先に燈魔さんが話し出した。
「……あー、話してええか?まぁ説明自体は俺1人でもできるから安心してくれ。まず事の発端やが、俺とそこにいる庵が本部でおしゃべりしとった時や。ナイトメアの姉貴からの手紙で襲撃について教えられた。」
燈魔さんが手紙について話したところで視線がこちらに集まる。師匠はまだ寝ている。どことなく視線が冷たい気がする……頼むから早く起きてくれ。
「そしてその時遠くの方からでかい魔力を感じて庵に見に行かせたら……それが隠れし者でな。襲撃が起きたってなって焦ったもんや。ま、なんやかんやで倒せたし被害も少なかったんやが……少々問題があってなぁ……」
問題?あーあの時言ってたな。黒幕がわからないからまた起こる可能性があるとかなんとか……あれからもう10日ぐらい経ってんのか?そろそろ第二の襲撃が起こっても不思議ではない。今日はその対策を考えるために四聖会議が開かれたのだ。というかナイトメアはまだ起きないのかよ。もうぶん殴って良いか?
「問題とは何だ?」
「あぁ、どうやらその隠れし者に魔力を分けた奴がいるらしいんや。記憶は消されとったがこれは事実や。間違いようがあらへん。つまり、その黒幕を捕まえん限り再発の可能性があるっちゅうことや。」
ライノが燈魔さんに質問をし燈魔さんが再発の可能性について話す。俺が覚えてた内容は正しかったな。
再発ねぇ……さっきも言ったが、もうあれから10日ぐらいが経つ。早急に対処しないと……
「再発……早いところその黒幕を見つけないとだけど……何か手掛かりは残ってないのかい?」
「うーん、隠れし者の頭ん中には何も残ってなかったですからねぇ。強いて言えば……黒幕と思われる奴との断片的な会話ぐらいですわ。記憶改竄の残りカスが奇跡的に残ってた奴なんであんま信用性が無いかもしれないですけど、黒幕がいると確信できたのはこれがあったから何で……」
ほーん、あの時言ってた情報はここから推測した物だったのか。唆したとか言ってたが……断片的ってことは単語がかろうじて何個か聞き取れたぐらいのものだったのだろう。それだけその消しきれなかった単語というのが決定的だったようだ。
「ふむ……その断片的な会話っていうのはどういうものなんだい?」
「そうですねぇ……分かったのは襲撃、魔力、手伝い……こんぐらいですかね。」
本当に断片的だなぁ……まぁこれらの単語とあの時の状況証拠も合わせれば黒幕がいると思うのも妥当か……?隠れし者に黒幕の話を振った時明らかに動揺してたしな。
うーん、いるのはわかるけどどういう奴なのか分からないなぁ……もどかしい。もっと決定的な証拠がないと……
「あぁ、そうや!一番重要そうな単語を忘れとったわ!えーっと、多分何かの組織の名前やと思うんやが……「さんぐぶるまーゆ」……?やったっけ?」
さ、さんぐぶるまーゆ?聞き馴染みのない文字列だな……燈魔さんがうろ覚えで発音があやふやなのもあるだろうが……
「……「さんぐぶるまーゆ」?それは……赤い血潮か?」
と、ここで急にナイトメアが口を開き目をバッと大きく開いて燈魔さんの方を見つめる。ちなみに寝ていたので体が右側に傾きまくっている。例えるなら昔あっちにいた時にテレビで見ためっちゃ傾いているバナナだな。ふざけてるだろ。
それは置いといて何だ?さっき燈魔さんが言ってた発音と違いすごい流暢な発音だが……どういう意味の言葉なんだ?
よいしょと言いながらゆっくりと姿勢を真っ直ぐにしてナイトメアが話す。
「サングブルマーユは赤い血潮という意味の言葉じゃよ。それと同時にわしらにとっては懐かしい単語じゃ……のう、スケア。」
「……」
話を振られた王様は目を瞑り、俯くだけで何も話さなかった。赤い血潮という単語を聞き、懐かしんでるようにも、悔やんでいるようにも見える。
少し間をおいてナイトメアが言う。
「……赤い血潮というのはわしらが昔作った組織の……最初の血腫を生み出した組織の名前じゃ。」
サングブルマーユはポルトガル語です。適当にgoogle翻訳しました




