カラクレナイ#38 襲いかかる雷鳴
「ふん……答えは沈黙か?吾輩にとってはそれだけで十分!!死ねぇっ!!」
そういいライノは背中に背負った武器を振り下ろす。後ろに下がって避けたが、振り下ろされたところからまっすぐ俺のところに亀裂が走り、そこから赤い光が出て身体が焼かれる。さらに体勢が崩れたところに赤い光が飛んできて壁に打ち付けられる。
そしてライノを見ると布で巻かれてた武器が顕になっていた。あれは……大剣か?でも金属らしい光沢もないし若干錆びてるような……
「チッ、なんなんだよ、ったく。それにその剣……」
「吾輩の獲物が気になるか?いいだろう、特別に教えてやる。こいつは元々は大剣だったのだがな、使い込みすぎて切れ味がなくなり、ただデカくて鈍重な鉄の塊になった無銘の武器だ。」
「ふーん、そうですかっ!!」
一気に近づき腹にキックを入れる。だが奴の大剣にガードされ、逆にこちらが大剣のフルスイングを受けてしまった。ギリギリでガードできたが……
はっ、切れ味がないってのは本当だな。あんなまともに入ったのに一ミリも刃が入ってない。その代わりガードした腕はひしゃげたが。
ふむ、無闇に間合いに入ってもこちらがやられるだけだな。そもそも拳と大剣じゃリーチが違いすぎる。どうすれば……
そういえば……ナイトメアの記憶の中に大剣との戦いがあったような……えーっと思い出せ……いや斬を撃ちまくるだけだな。結局ゴリ押しか。
グローにもゴリ押しを勧められたし……わざわざ頭を使うよりも楽だからいいか?あぁ、もうなんだっていいや。
ということで魔式を展開し鎧を纏う。もちろん最初からフルスロットルだ。相手は四聖。バリバリの格上だが……やってやる!
「……貴様、魔式が使えるのか。ただの混血にしてはやるな。だが、貴様程度の練度の魔式、食らっても痛くも痒くもないわ!」
「そいつはどうかな!!」
一気に加速して距離を詰めに行く。対してライノは大剣を振り赤い斬撃を俺めがけて飛ばしてきた。チッ、斬みたいなことをこいつもできんのかよ!だが……俺の斬と違って溜めが長く簡単に避けられる。
と言うことでそれをサイドステップで避けながら間合いに入る。間合いに入った俺を狙った袈裟斬りを避け背後を取って斬を連発する。
だが、辺りに大きな傷跡をつけるほどの激しさだったのにも関わらず奴の身体は傷ひとつついていなかった。
ここまでやったのに少しも傷ついてないのか……?再生した素振りはなかったから……再生力がバカ高いとかではなく、単純に固いだけなのか。
だとしても本気の斬を喰らって傷一つつかないってのは今までにない身体のスペックだ。魔力で強化してる訳でも無さそうだし、これが素なのかよ……こいつ……
「ったく、四聖っていうのは……はぁ、生きて戻れるかな……」
「もちろんっ!!生かしては……おかんっ!!!」
後ろを向いている状態から回転切り!!後ろにのけぞりかろうじて避けれたが、そこから派生した周りへ放出された赤い光に対応しきれず、ぶっ飛ばされ火傷を負った。……何やら治りが遅いような気もするが……気のせいか?
で……そんなことは置いといて、この赤い光はなんだ?炎って感じじゃないし……放出される時ものすごい速さなんだよな。
そのため避けるのが非常に難しい。武器に乗せて飛ばしてくる時はそこまで早くないのだが、さっきみたいに大剣から直接放出された時は雷みたいな速さだ。
うん?雷?
「ちょこまかと……」
「大人しく殺されるバカがいるかよ!」
うおっ、大剣が当たらないからってブンブン振ってくんなよ……ッ、ったく大剣が赤い光を纏っているせいで一振りの範囲がバカ広い。
しかも壁に切れた痕が残ってるってことは……気を抜けば体を切断されるな……おいおい、切れ味はないに等しいんじゃなかったか?
でも、今までの戦いで分かった事がある。それはあの赤い光、考えるにあれは雷なのでは?
それと言った証拠は状況証拠しかないが……壁に残る切創痕の周りにジグザグに枝分かれして焦げている小さな痕があった。そう、まるで雷が落ちたように。
あとは……赤い光を喰らった時、痺れるような感覚があった。これも十分証拠になるだろう。
「ま、分かったからと言って……」
「ぬうぅ゛んっ!!」
攻略できる訳ではないんだけどな。




