カラクレナイ#23 突撃いぃぃっっ!!!!!
「突撃だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
!!!!!!!!!!!」
そう叫びながら、俺は血だまりだらけの戦場を走り抜ける。俺がとち狂ったのではなく、ちゃんとした作戦である。もちろん、このまま突っ込んでいったら体のどこかは欠損するかなんかするだろう。だがそんなもの気にしてられない。気にする暇がない。だってすぐ治ってしまうのだから。
要するに俺、ひいては吸血鬼にとって致命傷は死だけなのだから多少の被弾なんて気にせず突撃するという作戦だ。作戦と呼べるかも怪しい行動だがこんな単純なことですぐ蹴りはついた。まぁ推定3秒ぐらいか?
まず俺がとち狂って(結局狂ってるじゃないか)突撃を始める。するとハイダーは一瞬、驚いたようだがすぐに俺の進路上の血だまりを活性化させ攻撃を仕掛けてくる。
ここまでで1秒。
対して俺はその攻撃にも怯まず突撃を続け爆発によって飛んできた欠片で脇腹を抉られ、突き上げてきた柱で左腕の肘から下を欠損。だがすぐ治って鎧も新しく作られる。ハイダーの攻撃は止まず先ほどの触手のような柱を伸ばし俺を潰そうとする。
ここまでで2秒
このままだと潰れそうだったので両腕をもいでスペースを確保。潰れる前に通り抜けすでに目の前にハイダーがいる状態。ハイダーは使える血だまり全てを使い俺と奴の間にどデカい障壁を作る。手がない状態だったが生やしていると激突するほど障壁が近かったので、蹴りで斬を繰り出し、いや繰り出しまくって、障壁を破壊。最後の足掻きだったろう血槍を避け、生えてきた両腕でラッシュを叩き込もうとする。
「これで終わりだ!!!引きこもりっ!!!!!!!」
ここまでで3秒。
……全く3秒の間に物事が動きすぎじゃないか?そんなこんなで今はラッシュを打ち込み続けている最中だ。100%の破でどこまで打ち込み続ければいいのかわからないが、腕がもげては再生し、もげては再生しを続けて流石に疲れた。というかこのまま続けていたらアドレナリンが切れてきた俺の心が壊れる。
ラッシュをやめ、改めて見たハイダーは何というか……こう……エグいぐらいにグロい見た目になっていた。おおよそお茶の間とかでは放送できないような……肉塊。あえて詳しくいうなら、バスケットボールぐらいの大きさで脂肪と肉が混ざった何かに目が二つ斜めについていて、髪がところどころに混じった血濡れたゴミ、だな。どうなったらこんな形になるのか俺にはわからないが、なったんだから仕方ない。そもそも生きているのか、これ。
「……ぁあっ……ァガッ……ぁはっ……はぁぁ……」
いや、生きてるなこれ……コンパクトな肉塊がモゾモゾ動いて声を発するというのはなかなかに……くるものがある……光景だが、これならもう攻撃もろくにできないだろう、たぶん。まぁ……こちらも100%で飛ばしすぎたせいで少々気分が悪い。これ以上はお断りだ。さっさととどめをさしてしまおう。
「ちょいまち。そいつを殺すのは後や。」
「はぁ?なんで?さっさととどめをさしといたほうが……」
「とどめをさすのは情報を洗いざらい吐かせてからや。こいつがなんで連合の本部に攻めて来たか、あとは……おそらく外付けの魔力を誰かから与えられているから……それが誰のものなのかとかな。」
「……っぁ……っな、んでぇ……」
……この肉塊に拷問をするってことか?状況がさらにカオスになっているが……そんなグロい光景を見たくないのだが。
というか外付けの魔力なんてあったのか。たしかにビームとかの攻撃が際限なかったり怪しいとこはあったが……ハイダーと戦うのも初めてだったからこれが普通なのかと思っていたぜ。……今のうちに逃げてしまおうか。
「まぁ安心せい。そんな思っているほど時間はかからんからな。……さて、ハイダーちゃーん♪俺と一緒に楽しいことしよか♪」
やっぱり、帰りたい。




