カラクレナイ#13 前方およそ300m
ようやく核に到着した。目の前には一定のリズムで鳴動する赤い球体がある。遠くから見るとただの玉にしか見えなかったが近くで見るとなかなか大きい。ついでに言うとこの玉、どうやら複数の血腫が合体してできた結果のようだ。ところどころに顔のようなものや突き出た触手がある。おそらくさっきの巨人みたいな感じに合体して行ったのだろうが……なかなか精神にくるものがあるな……これからこれ壊さないといけないのかぁ。喚き声とか上げないよな。
「……そういえばヌシはどこだ?近くにいるって話だったが。それらしき奴は……」
その場で立ち止まり周りをキョロキョロ見てみるがそれらしき血腫はいない。おかしいなぁ、一体どこいるんだ?どうせ師匠は話そうとはしないだろうし。自分で探すしかないか。そう思った時。
「…………っ後ろ!?」
血槍⁉︎一体どこから?それに血術を使ったなら多少魔力の痕跡が残るはず。それが一切感じられない。くっそ、面倒臭いなぁ。これじゃ敵がどこにいるかもわからない。
「ハずしタカ。うンのイイやツめ。」
「お前……ハッ、そうか。あんたがここのヌシってやつか?せっかく隠れてたのに姿を見せていいのか?」
「カマわン。どウセオマエにハワかルまい。」
そういい奴は視線から消える。喋ってたのは置いとくとして。見た感じ速度が速いから見えないと言うことではないらしい。いかんせんこんな魔式を持っているのだ。いやでも目は鍛えられる。そうでなくても吸血鬼の基礎スペで見えないわけない。だとすると奴は姿を隠せる。それかあれが幻影で本体は遠くで血術で狙撃をしている、か?うーむ後者であれば魔力の痕跡が無いことも説明がつく。目の届かないところにある痕跡なんて見えるわけない。でそれが本当だとして。遠くにいるとわかってもどこかはわからない。コロコロ位置でも変えられていれば尚更だ。遠くにいるなら先に核を壊しちゃうか?
と思って文字通り本気、100%で殴ってみたがなんか無敵のバリアみたいなのが張ってあって壊せなかった。ヌシを倒さないと壊せないってことか?じゃあ結局ヌシを探さないとか……とは言っても痕跡も見えないぐらい遠いところにいる敵をどう見つける?ひたすら走って探してもなぁ。
「なんじゃお主、魔力探知できないのか?教えてやってもいいぞ。」
「ん?魔力探知?なんだそれ。」
「えっと簡単に言うとレーダーじゃよ。レーダー。人間は電波を飛ばすらしいがわしらは魔力を飛ばす。わしが屋敷からオマエの行動がわかるのはまぁ、お前の意識がものっそいわかりやすいのもあるが……魔力探知で常にお主の周りを見ているからじゃ。」
「……一応聞いとくがここって屋敷からどんくらい離れてんだ?」
「ふーむ大体147kmといったところかの。ちなみにわしは本気になれば魔界全域を監視できる。この魔界の大きさは確か周りが4万kmじゃったかの。誰が図ったのかは知らんが多分そうなのじゃろ。つまりわしは強い!!そしてすごーい!!」
えぇ……なんなんだこいつ。ほんと。俺が思っているよりもバケモノだ。これが本当だったとして本気になれば俺以外のプライバシーも奪えるのかこの師匠は。全く……けしからん。早く教えてもらいたいものだ。というかふざけを抜きにしても必須技能な気がしてきたのだが。
「やり方は単純じゃ。周りに魔力の波を放つだけ。簡単じゃろ。」
「まぁ魔力を飛ばすだけなら簡単だが……それを遠くに飛ばす時に距離減衰とかないのか魔力って?」
「あるに決まっとるじゃろ。じゃから量!!いっぱい出せば問題解決じゃ。それこそわしは今もものすごい勢いで魔力を放出しておる。まぁわしからしたら微々たるもんじゃがの。」
やっぱバケモンだろこいつ。147kmって言ってたか?一体どんくらいの量の魔力を……なんか怖くなってきた。師匠を怒らせないようにしよう。というかあのヌシを見つけるために必要な魔力がわかんないな。どうせやるにしても無駄にはしたくないし……
「そう気負うでない。わしの場合は規格外じゃからの。その程度の距離ならせいぜい魔式起動分くらいじゃ。お主の3%のな。」
なんだ。その程度でいいのか?だとしたらまぁ発動もぽんぽんしちゃっていいな。というかこんな簡単で尚且つ必須技能みたいな性能なのになぜこの人は先んじて教えないのか。まぁ本人にとってそう大した技じゃないから教えるカリキュラムに入れてなかったのかなぁ……?この数日は魔式の出力調整と妙なことを教えられてたし……
「さて、と、この会話の最中もバカスカ撃ってきやがって。心なしか撃つ頻度が多くなってる気がするなぁ。血腫にも感情なんてもんがあるんだな。焦りを感じる攻撃だ。この会話が聞こえてたのか?
まぁいいや。」
魔力探知、発動……!魔力を飛ばしたはいいとしてその魔力を感じ続けないといけない。さぁ集中。うーん今んところ血腫っぽい形のものは……
「……っ!!ビンゴ!!そこかぁっ!!」
魔式全開!!100%で移動!!この瞬の速さだったら逃すことは……ない!!地面を割ったそのスタートダッシュの轟音と共に進み1秒も待たずに辿り着いた。“空気”を蹴りそいつの前で急ブレーキを踏む。
「ようやくヌシとご対面か。この瞬間をどれだけ待ったか。」
「……!?」
「ハッ、驚いたか?だけど俺なんてまだまだだぜ?俺に当たっててよかったな。1秒でも長く生きられたことに感謝しとけ!!この俺に!!」
「魔式「破」!!」
魔界全域は言い過ぎ。言っても直径1000km




