【ここまでの登場人物と用語解説】
第一部をまとめて登場人物や街の位置関係等の設定解説です。
明日から第二部『学園編』開始予定です。
よろしければお付き合いください。
○人物
■ エリザベス(十四歳)
未来の悪役令嬢。日本人転生者で前世の名前は田中。幼い頃に天涯孤独になり中学卒業したら異世界転生する意思を固める。
それを目標にしていた事と人生ハードモードだった事から知識と精神が実年齢に比べてアンバランスで偏っている。
中卒後、十六歳になった直後に乙女ゲーム『月の光に願いを込めて』の世界に転生した。転生先のエリザベスは当時十歳。
十五歳で学園に入学するまでに断罪ルートを回避すべくナナメ上の努力を重ねた結果、叙爵してしまった。
■オーリス公爵
乙女ゲーム世界でのエリザベスの父親。三十五歳。王家の傍流の血筋で順位は低いが王位継承権も持ってる大貴族。ただし娘には激アマ。
■ガラム・マサラ・カルダ
ドワーフ職人の三兄弟。エリザベスが異世界転生者だと知る数少ない人物。
ガラムは見かけによらず、孤児の面倒を見るような性格。貴族嫌いと小さな女の子が必死に自分を頼ってくる様に実は板挟みで悩んでいた。
ドワーフの匠の技でエリザベスの持つ現代日本の知識を再現する事が目下の生きがい。
■ドーバ
オーリス公爵家の料理人見習い。漁村の出身で魚を捌く事にかけては公爵家でも随一。エリザベスの私情(断罪回避)により引き抜かれた。
■ヴァイス
オーリス公爵家の家臣。ステアの漁村に代官として赴任する。のちステア子爵家の家令。
■カール
オーリス公爵家の庭師の老人。エリザベスの我儘で自慢の庭を畑に作り変える。
○都市
■ホイール
オーリス公爵の居城がある城下町。人口二万人程度。スラムに近い貧民街がありガラムはそこで商売しながら恵まれない子どもたちを気にかけていた(ガラムの貴族嫌いはここからきている)。
■ステア
ホイールの街から西に九十キロほどの場所にある寂れた漁村。エリザベスが鮮魚供給地として目を付けた結果、港町として発展する。
■王都ルーフ
ステアから南下しつつ内陸に向かった場所にある。ステアからの距離は百五十キロ。通常は五日の距離。
ホイールからの直線距離は近いが間に大森林地帯があるため普通は東周りの迂回路が使われる。この迂回路を使った場合ホイールまでの距離は二百二十キロ。ちょっと無理して七日の距離。
■都市間の距離と日数
人間の徒歩が平均時速四キロ。毎日八時間弱歩くとして一日に歩ける距離が三十キロ。
馬の常歩は時速五~六キロだが、一頭の馬に重たい荷物を引かせる荷馬車は平均時速三キロが限界。これで一日十時間移動するとしてやはり距離は三十キロ。なのでこの世界では一日の移動距離三十キロというのが基本。
一方でガラムたちが作った高速馬車は、重力魔法による負荷軽減と四頭立てにすることで平均時速が五キロ出る。よって通常は馬車で五日の距離を三日で走れる。
■この世界の略地図
絵心が無くてすみません。だいたいのイメージです。
○その他の情報
■赤兎馬
元ネタは三国志演義で呂布が乗っていた名馬をゲーム運営が実装したもの。一日千里は話を盛りすぎてるが、馬の駆歩(時速二十~三十キロ程度)で一日中走る事ができる壊れ性能をした馬。
■魔法
まずこの世界の人間は誰でも魔力を持っているがひとにより保有魔力量には差がある。
魔法の種類は火・水・風・土の四大元素に加え光・闇も元素魔法として存在する。それとは別に神の力を借りる聖属性の合わせて七つの属性がある。
魔法の行使に呪文詠唱は不要だが元素を操作する明確なイメージを持っていることが必要になる。術者がイメージを明確化するために詠唱もしくは発動スペルを唱える事もある。
■刻印魔法
ドワーフの独自技術。人が属性魔法を行使する時のイメージを古代神聖語で刻み込んだプログラム言語のようなもの。魔石から魔力を供給する事で発動する。聖属性魔法は原理から異なるので刻印魔法での実現はできていない。