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詩(真面目なもの)

誹謗中傷を投稿するEnterキー

作者: 大崎真

世の中に 誹謗中傷が蔓延している


誹謗中傷が なくならない


投稿を決定するEnterキーを押して


どういう結果になろうが知らない


責任感はない


想像力もない


罪悪感もない


そんなものは湧かない


直接 手を下して殺したわけじゃないんだし


相手が自分の文字を読んで


勝手に自殺しただけ


自分は投稿を決定する


Enterキーを押しただけ


この感覚は何かに似ている


そうだ


思い出した


爆弾を投下するボタンを押しただけ


と言った人の感覚に似ている








「私が投下した爆弾が[中略]ここに引き起こした悲惨な死を、思い描くことができなかった。私には罪悪感もなかった。達成感もなかった」(第二次世界大戦で爆弾を投下したパイロットの回想より)


「私は自己暗示をかけて、やっと殺人者になれた。いわば、リモートコントロールだった。わたしがやったことと言えば、ボタンを押しただけ。私は、自分が殺した相手を誰一人見ていない。自分がつけた火は見てもだ」(アメリカ爆撃機の搭乗員の回想より)


「興奮はしなかった。任務に成功してホッとしていたよ。理解できんだろうがね……」(広島に原爆を投下したB-29爆撃機『エノラ・ゲイ』の機長より)


「最大距離および長距離からの殺人――後悔も自責も感じずにすむ」(D・グロスマン『戦争における〈人殺し〉の心理学』第十四章より)


「殺人する距離が大きくなればなるほど殺人への抵抗感が減退していく」「銃剣や刀で目の前の敵を殺傷するのと、遥か上空を飛行する爆撃機から爆弾を落として人々を殺傷するのとでは精神的ダメージがまったく違う」(インターネットより抜粋)

読んでくださって、ありがとうございました。

後悔も自責も感じずに済むだけで、殺人をしていることには変わらないという詩です。


こんな社会派な詩を書く真面目なタイプではないのですが、最近の私はどうしてしまったのでしょうか。戦後八十年の節目だからでしょうか。


それにしても、なんだか、ACジャパンのCMみたいです。これを流したら、ちょっとは誹謗中傷も減りそうな気がしますが、こんな底辺の者の意見をACジャパンの関係者が気付くわけもなく。なろうの力でなんとかならないものでしょうか。……ならないか。

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― 新着の感想 ―
とても良い詩だと思いました。 こんな時だからこそ、戦争について考えないといけないと思います。 スイッチを押すだけの大量殺人。 罪悪感なんて微塵もない。 恐ろしいことです。 読ませていただきありがと…
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