出会い
皆さんこんばんは。お久しぶりの読者の方もいるかもしれませんね。これから、日常青春ラブコメを書き終わり次第投稿していきますので、今作もぜひ楽しんでいただけると幸いです。
それでは、どうぞ!!
「あんたもう8時よ!」
その、一言に僕は慌てて家を出た。
古びた電柱に、目に収まらないほど大きなイトーヨーコドー。角を曲がるごとに白馬の王子様がそこから出てきてくれないかと思ってみたり。
「あぁ、僕は男か」
学校に着く。
「あっ、水野氏。また寝坊ですかぁ?」体育の教科書を腹に抱え、そう話しかけてのはオタク友達の広瀬。僕たちはいわゆるカーストのド底辺といわれる部類である。
「あやー、早く準備しないと置いてくよ!」
「ヘイヘーイ。ちょいとお待ちを。」
一軍女子たちの会話が耳に痛い。ああいう女子の会話程耳に痛いものはこの世にあるのだろうか。
もう、朝のホームルームは終わって丁度一限の体育への移動教室へ向かうとこらしい。
黒板の上にした堂々とかけられている最近新しくなった時計に目を向ける。
「やべっもう58分」
待ってくれていた広瀬を置いていくほどの速さで教科書をカバンから横暴に出し教室を出る。
体育館はもう9月の終わりだというのに暑かった。からだの中の水分が出きったんじゃないか、なんて思うくらいむしむしとした暑さの中やっと1限のダンスが終わった。
「いやー、暑かったですねえ。わたくし、今ならインドの川水でも飲めます。」
「やめてくれー広瀬、死ぬんだったらドラコエ908クリアしてからにしてくれよ」
教室に戻るときの何気ない会話。少し古臭い体育館前から続く長廊下の暑さが和らぐ。
「んっ!、、」汗だくになったからだの疲れが吹き飛ぶようにふんわりとしたいい匂いが鼻を通る。
新学期の桜のような、新鮮でやわらかな男の本能を呼び起す香りに、僕はとっさに振り向いた。
「かっこいい。、、」
とっさにでた一言に広瀬が隙を逃さず話だす。
「おっ、あれは次期生徒会長候補の山村先輩。話によると現生徒会長の神宮司先輩と付き合ってるらしいですよ。」
「水野氏ああいう、冷淡な感じの顔がタイプなんですね!」
広瀬の話が全く耳にはいってこないくらい僕は見とれている。
「広瀬、、、俺、次の生徒会選挙立候補するわ。」
完全な一目惚れだった。