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本日3本投稿予定です。

 



 まずはナズの作ったポーションを薬屋に売りに行く。


 ──カランコロン──


「いらっしゃい。あ、アンタか」

「よ、まいど」


 もはやすっかり顔馴染みになりつつある俺。


「今日は胃腸薬と解熱剤、あと回復ポーションを持ってきた」

「おお、アンタの所の薬は効きが良いって評判なんだ。助かるよ」


 店主が引き取り額を計算してる間、ターナは物珍しそうにキョロキョロと店内を見回していた。


「おや、お連れかい? もしかしてそのお嬢さんがこの薬を?」

「いや、薬を作ってるのは別の奴さ。こっちはターナって言って俺のスレイヤー屋の新人だ」

「おや、若いのにそれは大変だね。頑張ってな」

「ど、どうもずら」


 計算が終わり、店主から700ゴールド程の代金を貰う。


「しかし、また回復ポーションを全部買ってくれるなんてな。採算取れんのか?」

「ポーションは腐りにくいから長期保存出来るし、今は需要が多くてな」

「需要?」


 店主が頷く。


「近頃やけに怪我する人間が多いんだ。どうもモンスターに襲われる事が多くなったかららしいが」

「へえ、そうか。そりゃ何とも言えんな」


 儲かるが素直に喜べないって話だ。



 薬屋での用事が終わり、俺はターナを引き連れて鍛冶屋に向かった。


「店長、どうして鍛冶屋に行くだ? オラ、雇ってもらえねえのに······」

「今日はその話じゃなくて別件で行くんだよ」

「?」


 工房の入り口から顔を覗かせ、作業中の職人に声をかける。


「すまん、ちょっといいか?」

「うん?」


 職人が振り向いて、ターナを見てから怪訝な顔をした。


「前にも言ったろ。ウチでは雇ってやれないよ」

「いや、今日は別件で来たんだ」

「何? 別件?」

「不要な両手持ちの大槌無いか?」

「ハンマーか? それなら使ってない古いのがあるが」

「そうか。それを買い取りたいんだが、いくらくらいする?」

「なに?」


 職人は意外そうな表情をした後、ターナと俺とを見比べて


「自分達で鍛冶屋開くつもりか?」


 と、探るように訊ねてきた。


「ハンマーがあれば始められる仕事でもないぞ」

「そんなのは分かってる。俺ん所には設備もなければ鉄も無い。鍛冶や鋳造目的じゃなくて武器として欲しいんだ」

「武器? 誰の」

「ん」


 ターナを指差すと職人は目をパチパチとしばたいた。ターナもキョトンとしている。


「知っての通り彼女はドワーフだからな。腕力なら俺らレグマンの男よりもあるくらいだ。そして使いなれてる道具なら武器にも出来るだろうからな。売ってくれないか?」

「そういう事か。なら、まあ······」


 職人は一旦奥に引っ込むと一本のハンマーを携えて戻ってきた。


「使ってない物だがそれなりにしっかりしてる。錆さえ落とせばサマになるだろう」


 やや年期の入ったハンマー。受け取ってみるとズシリと重厚な手応えが頼もしく伝わった。


「いい感じだな。ターナ、持ってみろ」

「あ、あい」


 ターナはハンマーを受け取ると、小枝でも握るかのように軽々と片手で裏返したりして観察した。


「手に馴染むずら~」

「重さも平気そうだな。よし、買い取ろう。いくらだ?」

「もう使ってない不要品だから大した物じゃない。100ゴールドってとこだな」

「お、手頃だな。それじゃあこれで」


 100ゴールド手渡し、ターナと共に店を出る。


「て、店長。さっきのお金はどうしたずら?もしかして店長の自腹だかや?」

「いや、共益費から出した。だから安心しろ」

「き、共益費だったかや?!」


 ターナが顔を青くする。


「そ、そんな。オラみてえな奴にそんな大事な金使うだなんて、そんなの申し訳ないだよ······」

「従業員の装備品なんだから使い道としてはこれ以上ないくらいベストだろう」

「そ、そこまでオラの事買ってくれて······」


 ぐっとこらえた唇の上に鼻水が垂れだす。


「オ、オラ頑張るだ! 必ず戦力になってみせるずらっ!」

「おう、ほどほどにな」


 やや気負い気味なくらいだが気合いは十分だ。これなら森へ入る不安もないだろう。


 俺らはいつもの森へと入った。


 森の中を歩き、薬草のポイントまで行く道中、彼女の故郷の話や生い立ち、そしてここに来るまでの話などを聞いた。




「そうか、ターナは末っ子なんだな」

「んだ。兄ちゃん姉ちゃんは故郷で何とか職にありつけたけど収入は少ないだよ。他にも沢山のドワーフが帰ってきたから失業者が多いずら」

「どこも同じって感じだな。魔王が死んで平和っちゃ平和なんだが」

「でも、モンスターの被害は変わらないだね。オラの故郷も最近モンスター被害が増えてるだ」

「エクアル村といい、これから更にそういう被害が増えるのかもな。それにしても、今日は静かだな」



 ポイントまで行程半分程まで入ってもモンスターには遭遇しない。


「結構何度も出入りして討伐してたからな。少し減ったか?」

「かもしんねえだ。これなら安心ずら。今日は楽勝で何事もなく帰宅ずら。オラ、家に帰ったら家族に手紙書くだ」

「······」

「ん? どしただ店長」

「いや、俺の中のジンクスでな、希望的観測やこの後の予定を口にすると大抵それを妨げる展開が起こるっていうもんがあってだな······」

「えー? それは変わったジンクスずら──」


 ──ガサガサ──


「え?」


『ギャギャッギャ』

『ギギイッギィッ』

『ガジガジガジッ』


 茂みから突然複数のモンスターが現れた。



「ず、ずら~?! 店長は予言者だっただ~?!」

「来るぞ! 後ろに下がれターナ」



 早速ひと悶着だ。



お疲れ様です。次話に続きます。

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