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本日3本投稿予定です。

 



 役所から出たところで、フランが怒りだした。


「何なのあのお爺さん! 馬鹿にしちゃってさ!」

「どうどう、そんなプンスカするなよ。膨れっ面をつつきたくなるだろ?」


 膨らんだほっぺをツンツンしたら、ペチッと手を叩かれた。


「トレイルも悔しくないの? あんな露骨に馬鹿にされてさ」

「別に。まあ、あの爺さんの言うように雑用とかの類いに近い内容だったりする。そういうのをやってく予定だしな」

「でも、ちゃんとしたお仕事なのに······」


 まだ納得いってないというようなフラン。

 だけど俺はそこまで気にしてない。物は考えようだ。商売の内容によっては許可が下りない事もあるらしいからな。舐められてた分スムーズだった。


「他人には勝手に言わせとけ。自分がやってみようと思ってる事なんだ。周りにとやかく言われたからって止める理由にはならねえよ」

「······そっか。そうだね。うんっ、トレイルの言うとおりっ」


 やっと機嫌が直ったフラン。


「えへへ。トレイルのそういう、いい加減で前向きな所は昔から変わんないね」

「そうかねぇ。まあ、人生ある程度は適当に流さねえとな」

「そうだね。そこは私も見習いたいかも」

「ところで、フラン。俺はこの後森に行くんだが、お前はどうする?」

「森へ?」

「ああ」


 せっかく申請も終わって許可証貰ったんだ。早速仕事に行きたい。


「フランはナズと一緒にまた掃除しててくれるか?」

「んー······」


 フランは何か考えていたが、コクっと頷いた。


「ううん、私も森へ一緒に行く」

「え? 一緒に?」

「うん。いいでしょ?」


 タッと横に並んできてニコリと見上げてくる。


「森は物騒なんだから相棒居た方がトレイルも安心でしょ?」

「いや、物騒だから来ない方が······」

「もーう、私だって元軍人だよー?実力の心配は無いでしょ?」


 確かに。フランの実力は俺が一番よく知っているが、控えめに言ってもクソ強い。

 強いと言うよりは、凄いと言う方が正しいが。いずれにせよ味方としてはこれ以上ないくらい頼もしく、強力だ。


「······分かった。一緒に行くか」

「やった! 決まりだねっ」

「ただし。俺が危険と判断したらすぐに逃げろ。いや、一緒に逃げるぞ。約束してくれ」

「うんっ。昔と同じだね!」

「はは、そうだったな」


 懐かしい。村に住んでた頃は自警団に入ってモンスターと戦ってたんだ。あの時はまだ十二、三歳くらいだったが、俺もフランも大人より強かったから主戦力になってたっけ。


「今考えりゃ、ガキに物騒な事させてたよな」

「二人でコンビ組んでたもんね。また最強タッグ結成! って感じ」

「良いねえ。なら張り切って行くとするか」

「うんっ!」


 元気な返事をするフラン。


 数年振りに復活した最強タッグの俺達は森へと向かった。








「へー。思ったよりは明るいね」


 森に入って辺りを見回すフラン。


「特別荒れてる森って訳じゃないのにモンスターが沢山居るんだね」

「ああ。多分、放っておいた野生モンスター達がこの二十年の間に独自の生態系を築いて繁殖したんだろう。ひょっとしたら、これからどんどん村や町に生息域が拡大していくかもな」

「それなのに軍縮しちゃって大丈夫なのかな」

「さあな。お偉方も金欠なんだろう。困るのは一般人だし関係ないんだろ」

「なら、私達の出番かもね」

「かもな」


 マジックポーチからスルスルと杖を取り出すフラン。


「ん? その杖は軍用じゃないな」

「うん、私個人の。軍で使ってたのは回収されたから」

「ケチ極まりないな」


 だが一般人に高火力魔導杖持たせるのは危ないし仕方ないか。


「でも安心して! 一般の杖でも火力は十分だから」


 自信満々に杖を振るフラン。


「それではトレイル隊長っ。作戦の指示をお願いしますっ!」

「気合い入ってんな。よし、フラン始兵。俺の指示に従うように」

「私は中徒兵だよー」

「細けえ事はいいんだよ。行くぞ。多分、奥に進めば進むほどモンスターとの遭遇率が高くなる。戦闘になると思え」

「了解っ」



 こうして、フランと共に奥へと進んだのだった。








 しばらくして。



 案の定、俺らはモンスターの集団と戦闘を繰り広げていた。





「フラン! 任せた!」

「おっけー! フリーズショット・クラスター!」



 迫り来るスライムの群れに、鋭い氷塊が拡散しながら飛ぶ。

 液状の身体は剣などの武器ではダメージを与えにくいが、魔法の前では脆い。


 氷のナイフに貫かれたスライムはあっという間に全滅した。


「せいっ!」


 フランに向かっていたサイス・マンティスの鎌腕を斬り落とす。返す刀で首を斬る。


「フラン、左からも来てる。アイアン・バグだ」

「分かった!」


 その名の由来にもなったバグの甲殻は鉄のように硬いが、熱には弱い。


「灼熱の赤き炎よ、一糸となり束ねて閃光となれ!『フレア・イレイザー』!」


 上級魔法がポンポン放たれ、厄介なモンスター群も早々に全滅した。




 俺らを襲ったモンスターはひとまず居なくなった。


「ふう。フランが居なきゃ骨が折れるな。連れて来て正解だ」

「えへ。なんだか懐かしいね。こうやってると昔を思い出すね」

「そうだな」


 しばらく二人で戦う事もなかったのにコンビネーションは健在だ。


「やっぱ、フランと一緒がしっくりくるな。一番やりやすい」

「そ、そう? そう言われるとちょっと恥ずかしい」

「ああ。フラン、他にも相性が良いか確かめよう。さあ、今から服を脱いで──いててっ! 冗談だ! 冗談っ!」



 そんなこんなで。


 杖でシバかれた後、目的地である薬草の群生エリアに到着する事が出来た。



お疲れ様です。次話に続きます。

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