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 メモにある薬草は全部で4種類。これに優先順位と、群生地なども書いてもらったので、それを頼りに探索を開始する。



「ふむふむ、どれも解熱や解毒に使われる薬草だな。それと、モンスターの素材で俺でも採取出来そうなのは、と」


 モンスターの素材は希望程度で書いて貰った。俺でも採取できる物とそうでない物があるからだ。


 リストの内、いくつかは俺も解体した事のあるモンスターであった。



「よし、まずは薬草の群生地を目指そう。奥だな。それと平行してモンスターの痕跡を追うか」


 しばらくは何事もなく奥へと歩を進めた。



 だが──



「············まあ、ここまで入りゃ居るわな」


 歩いていると、前方から殺気を感じた。モンスター特有の鋭い殺意だ。


 その殺気は木の裏側から放たれていた。


「······」


 俺も剣を抜いた。その気配を感じてだろう。木の裏からそいつは飛び出した。


『シィィーッ』


 現れたのはシャルーグ。人の身長を上回る体長を持つ蛇型モンスターだ。巨大な牙には猛毒があり、木こりや狩人からは死神として恐れられている危険な奴だ。


 が、これは願ったり叶ったり。リストの中にはシャルーグの肝と毒腺が記載されている。


 毒腺は下手すると毒に当てられてしまうため素人の俺は手を出せないが、肝ならば何とかなるだろう。


「ちょうどいい。これはボーナスチャンスだな」


『シャーッ』


 こちらの思惑など知りようもないシャルーグが牙を剥き出して襲いかかってくる。


「ふっ!」


 俺も踏み込み、一気に間合いを詰める。シャルーグの体が伸びきったところで、ちょうど剣の間合いに入った。


 相手の身体が完全に地面から離れている。勢いをつけて宙を浮いた状態だ。これなら避ける事も、止まる事も出来ない。


「はっ!」


 剣先を弱点である腹に突き刺す。シャルーグの突進の勢いがそのまま自らを切り裂く推進力となり、縦に裂ける。

 血飛沫を避けて横を駆け抜けたと同時に死体が落ちた。


「······よし」


 念のため首を(はね)てから死体を確認する。

 幸いにも肝はほとんど無傷のままであった。


「え~、ここをこう切って、こっちを剥がせば、お、採れた」


 肝ゲット。ビンに詰めておく。


 これは幸先が良い。



 と思えたのはここまでだった。










『グオオオッ』


「おらあっ!」


 ──バシュッ──


『ギイイィッ』


「ちっ!」


 ──ズバッ──


『ブモオオオッ』


「せらあっ!」


 ──ドスッ──


『ギギイイッ』

『グケケッ』

『ガァーッガァーッ』


「だああっ!! しつけえっ!」



 奥へ行けば行くほどモンスターに遭遇する。以前よりもさらに多い。しかも、どいつもこいつもリストに素材の載っていない奴ばかり。

 つまりいくら殺しても金にならない。


 が、奥に向かうには相手をしなければならない。



『グケケッ』


「いい加減にしろ! こうなりゃ、秘技! 『ライトレイ・バニッシュ』!」


 思い切って大技をぶっぱなす。

 光刃が辺りを切り裂いて木々の間を抜けていく。


 モンスターの群れが肉片になってボトボトと落ちる。


「ふぅ······」


 やっと静かになった。だが、俺の体力の消耗も激しい。ここはさっさと目標を達成して戻った方が良いだろう。


 それしても森の中はモンスターの巣窟と化している。


「これじゃあ一般人は入れんわな。そういや、猟師廃業したって言う奴も居たな」


 もしかしたら生態系自体、崩壊しかけてるのかもしれん。定期的にモンスター駆除しなければ更に悪化するだろう。


 まあ、そればかりは俺にもどうしようもないが······。




 進むこと数分。


 メモにあるような場所へと着いた。


「ふむ。このメモにある場所はここら辺っぽいな。あっちに川で、こっちに池。来る途中に目印の大岩もあった。うん、ここだな」


 ただ、このメモも数年前に作った物らしく、しばらくは森に入ってないと言っていたからな。生態系に影響が出てれば、群生地が消えててもおかしくはない。


「とにかく、探すか」


 幸いにもモンスターの気配は無い。落ち着いて採集出来そうだ。


 藪や大木をかき分けて進む。


「えーっと、ここら辺か······? お? おおっ?!」


 俺の目の前に突然現れた光景。


 灌木を分けて出た、小さな日だまりの原っぱ。


 そこには足場に敷き詰めたかのように薬草がびっしりと生えているではないか。


「すげえ~······」


 こんなに野生の薬草が生えている群生地は見た事がない。


「あのオヤジすげえ穴場知ってたんだな。これならオーダーに応えられそうだ」


 さっそく目当ての野草を摘んでいく。

 今回の依頼にある物もあれば、そうでない物もある。中には回復ポーションの材料にもなる薬草もあった。俺のポーチは軍用の物で、ベルトに三つついているタイプだから容量は大きいが、限界はあるし余計な物は持って行けそうにない。


「······いや、待てよ?」


 これだけ材料がありゃ、あるいは······。



「······よし。目先の獲物よりも将来への投資だ」



 少し儲けは減るかもしれないが、それよりも大事な事を思いついた。


 俺はメモにある以外の薬草も摘んでポーチに出来る限り詰めていった。



お疲れ様です。次話に続きます。

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