食べ物
「ほら、また食いもん関係だってさ」
次は秋刀魚の水槽ので馬鹿みたいに目を右に左に魚の群れが動くのを同じように眺める、そして説明文には、飼育員が描いたのか秋刀魚の絵と共に・・・
『秋刀魚、秋を過ぎて北海道以下の沿岸部に接近、回遊し漁獲量が増える、旬は一般的に秋以降、寿命2年と言われている。
秋刀魚 秋に取れる刀のような形をした魚から 秋刀魚と書く (諸説あり)
塩焼きにはカボスやレモン醤油、などが合う。
新鮮な秋刀魚は刺身など絶品。
近年水温上昇の影響で日本沿岸に接近する秋刀魚の数が減ってきている、
それ以外にも生息数の減少、乱獲、などなどさまざまな理由がある。』
「ねぇ、この水族館、食べることしか考えてないの?」
少しばかし玲那の目には不信感が浮かぶ、まぁ、ここまで食い方ばかり書かれるのも珍しいな、まぁ、それでも食べるんだけどね、美味しいし、
「良いんじゃないの?牧場行って牛見て可愛いって言って、食ってんだから一緒じゃねー」
ヒィー、睨まれた、
言ってんじゃねぇかよ、
自覚あるだろが、
「チッ、間違ってないから蹴れないの、こんな屈辱初めてよ、ありがどう」
どういたしまして、こんなドスの効いたありがとうを聞いたのは初めてだよ、
「どういたしまして、」
翔吾はそう言い頭を下げるがそこに玲那の細い手がバックと共に直角に落とされる。
「ギャ!痛い」
そのまま床に叩きつけられた翔吾は人目も憚らず床でぐるぐる回転し頭を抑えながらグルグル回る、
丁寧にスカートを抑え翔吾の傍にしゃがみ、止まった翔吾をツンツン突く、まるでぷにぷにしたスライムを突くように、しかし翔吾はそこまでぷにぷにしてない、
「フッ、いい気味ね、ほら、どうしたの?寝っ転がって、アザラシにでもなるの?ならアザラシの水槽の前でやらないと仲間にはならないよ、そもそも翔吾じゃ、あの可愛さは出せないけど、あのクルッとした目に丸こっいけど丸くない可愛い体型、残念だけど翔吾には無理ね」
「誰もアザラシになんななりませんよ、どうです、玲那様もシャチにでもなりませんか?お似合いだと思いますよ」
「何が、かな」
「なんでもありません」
「早く立って次行くわよ、」
玲那は立ち上がり、翔吾を置いて歩き出す。翔吾は急いで立ち上がり玲那の肩を掴もうとするが躱す、
「気安く触らないで、」
気配を察した玲那は素早く躱す
「無言でレディの肩を触ったらダメよ、これ常識、他にもあるけど、いっぺんに言ったら貴方の頭がパンクするから言わないけれどねじゃ、TAKE2やってみて」
「え?」
「良いからやって」
「は、はい」
翔吾は距離を取りTAKE2
翔吾はまた床にゴロっと転がり玲那は翔吾の姿を見ずに歩き出す、それ見た翔吾は起き上がり、玲那を追いかける、
「玲那〜待ってくれ、俺を置いていかないでくれ〜!」
翔吾の想像では、ピー映せる品物ではなかった。
現実は。
目の前にバックが猛スピードで顔面に迫りそのままビックバン!ならず翔吾は間一髪しゃがみそれを回避したが、
体勢を戻しきれなかった翔吾は前に倒れてラッキースケベが起こる、刹那
もちっとした丸い球体が手のひらに吸い付く、それは人肌ほどに柔らかく、暖かい、心音が少し感じられどんどん速まる、周囲の音が消え吐息と心音だけが耳の奥に響く、そして甘い整髪料の香りが翔吾の鼻腔を刺激する、
唇が吐息を感じるほどに接近して、玲那を押し倒すような姿勢になる、
玲那の頭は停止してすぐにリスタートする
「何してるの?」
「ご、ごめんさなさい!」
翔吾は飛び起き、急いで玲那から距離を取る、玲那も立ち上がり、済ました顔で歩き出すがその顔は真っ赤になっている、
「待って!」
玲那はその場で立ち止まる。
「そ、その事故でしたすみません」
翔吾は頭を下げる玲那には見えていないがそれでも深く下げる。
「感触は?」
「最高でー、ウフンその」
「良いわよ、減るものじゃない、そうだ今、いくら持ってる?」
「へぇ?・・・えっと3000円です」
翔吾は財布を取り出し英世さんを数える。
「そう、行きましょう」
玲那はそう呟き、歩き出す。
「な、何がですか?なんの話ですか」
混乱状態の翔吾はその3000円が意味する事を理解出来ていない、
「気にしないで」
「気にしますよ〜!」
悲痛な叫びは無視された。
●
先に歩き出した玲那は外に向かう、玲那はいつのまにか拝借してきた館内図を後ろから覗いている翔吾にも見えるように持つ。
館内図にはシャチ、イルカ、アザラシ、ペンギン、ふれあい動物などが絵付きで紹介されており、
ペンギンのお散歩が10時00分〜
13時30分〜 15時00分〜 ペンギン広場前からスタートと書かれている。
イルカショーはわざとかペンギンのお散歩と一部時間を被している、
10時30分〜 13時30分〜 の2回
ふれあい動物は、ネコザメ、ヒトデ、ウニ、などと時間制で触れ合えると子どもの写真と共に説明されている。
数量限定イルカの等身大兼同体重のぬいぐるみ時価。
その下には有料でイルカとの記念撮影2000円と書かれている。
ペンギンの餌やり1000円鰯3匹。特典としてペンギンの羽根プレゼント!。
「で、まさか、イルカと写真撮るんですか?スリーショット?」
「そうよ、貴方も入る?」
「え?」
そのまま、右手を掴まれ、連行されていった。散々喚き散らしたが、結末変わらず、財布からは2枚の英世さんから羽が生えて飛んでいった。
水族館の魚、美味そうだなと思う、なぜだろう、
イルカの等身大兼同体重のぬいぐるみ制作したら売れるかな?一体いくらになるんなら。ってか中身綿じゃないな、イルカってなんからあるんだ?100か200か種類によるか、それ言っちゃおしまいだな。
ゾウの等身大滑り台なんて売れそう、
何に使うんだよ、