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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
第12章 【泡沫の一番弟子編】
81/225

【勝ちは勝ち・・・。】14

【前回のあらすじ】




こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。(*´-`)




趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)


姉妹作品【闇に沈む侍】(完結)

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 あの技は、まずい。幻像(げんぞう)はそう思った・・・。気刀忍術と気然忍術の雷を組み合わせたこの忍術は、一瞬に眼前の敵の首を飛ばすことができる大技。あれをまともに食らえば、即死は免れない・・・。


 甘かった。あいつは俺を本気で殺す気だ。しかし、千年(ちとせ)は、まだあの術を完全には習得していない。気を練るのに、少しだが時間がかかる。今のうちにあいつの術を止めなければ、殺される・・・。あっ・・・。


 千年(ちとせ)の元に走り出そうとした幻像(げんぞう)はその場につまずく。


 くそっ。気を使い過ぎて、体に力が上手く入らない。は、早く立ち上がらなければ、早く!じゃないと、じゃないと・・・。


 すると、目の前でバチバチと雷の鳴る音が鳴る。そして、みるみるうちにその音は大きくなっていき、まるで大きな虎が獲物を前にして雄叫びをしているかのようだった。


千年(ちとせ)

「気然気刀忍術 ・・・(いかずち)第一声(だいいっせい)・・・。」


 千年(ちとせ)は、静かにつぶやいた。


幻像(げんぞう)

「はっ!!!!!!!!!!!」


 大きな音と共に、辺り一面が砂煙で何も見えなくなる。幻像(げんぞう)は、無我夢中で立ち上がる。すると、首筋に冷たい感触があった。


千年(ちとせ)】 

「お前の・・・負けだ。・・・幻像(げんぞう)。」


 幻像(げんぞう)は、理解が追いつかない。


幻像(げんぞう)

「・・・俺の負け?・・・お前の・・・勝ち?・・・よく言うよ。お前、俺に一撃も食らわせてねぇーじゃねぇーか。最後の術だって、ただのこけおどし・・・。地面に技を出して、大規模な爆発で辺りに砂ぼこり上げさせて、視界を悪くし、動揺した俺の背後をとっただけだ。」


千年(ちとせ)

「だか・・・。あれを食らってたら、お前は、死んでたな・・・。」

 

 幻像(げんぞう)は、自嘲じみた笑顔をし、下を向いた。


千年(ちとせ)

「・・・どっちにしろ、戦場で、敵に背後をとられたら、終わりだよ・・・。幻像(げんぞう)。悪いが、お前に負けるわけには、いかねぇ。幻像(げんぞう)。俺は、アイツを殺すために、アンタ達、兄弟に出会って、・・・あいつについて行くと決めた日から、血反吐吐きながら地面を這いつくばることになっても、生きることを選んだんだ・・・。」


 あの時、あいつの手を掴んだ時、俺は己を捨てた・・・。侍にもなれず、忍びにもなれず、人としても終わることになっても、それでも、俺は、あいつを殺す・・・。



千年(ちとせ)

「・・・たとえそれが、生きながらにして、己の手で多くの屍を産み出し、己の通った後を地獄に変え行ったとしても、俺はアイツを殺さなくちゃいけねぇー。・・・幻像(げんぞう)、お前も例外じゃねぇーよ。・・・これ以上俺の道を塞ぐというなら、お前も、俺の通った道に転がる屍の一つにする。」


幻像(げんぞう)

「・・・千年(ちとせ)、俺だって母親を身内に殺された身・・・。お前の胸に途方もなく広がる痛み、よく分かるつもりだ。


 だが、親の記憶がほとんどない俺でも分かる・・・。親ってのは、子供にはずっと、幸せでいて欲しいって願う生き物なんだ・・・。


 兄弟は、どんなことがあったとしても、支えあって仲良くしていって欲しいって願う生き物なんだよ・・・。


 それが、復讐?殺し合い?そんなの死んでいったお前の両親も、お前の兄貴も、それに何よりお前にとって、良いわけないだろう?」


 しかし、千年(ちとせ)はため息混じりに言う・・・。


千年(ちとせ)

「幻・・・だったんだよ。お前との友情も、あいつとの修行の時間も、皆と過ごした三年間も、結局俺には過ぎた幻だった・・・。結局のところ、俺にはもう、家族はいない・・・。いるのは、楽しそうに笑っている死神だけだ・・・。」


 千年(ちとせ)は、声を振り絞りにながら言った。いつも飄々としている悪ガキが出したとは思えない声色だった・・・。震える手が目の前の少年の首につけられた刀を揺らす・・・。


幻像(げんぞう)

「・・・ダメだよ、千年(ちとせ)。どんなに悪役を気取ろうとしても、敵に、刀の峰を向けているようじゃ、己の首が飛ばされるよ?・・・お前、本当は・・・。」


 しかし、千年(ちとせ)は冷たい口調で言い放った。


千年(ちとせ)

「それ以上言うのはやめろ。峰じゃなくて、刃の方を向けられたいのか?・・・俺は、残酷非道の極悪人だよ。俺は、これで良い。それで良いんだ。だから・・・。」


千年(ちとせ)】 

「だから・・・。」


 何を言うつもりだろうか・・・?幻像(げんぞう)は、次に続く言葉を待った。


千年(ちとせ)

「今日でお前、悪戯卒業するらしいけど、俺はしないぜ?」


 しれっと、涼しい顔で言ったことに幻像(げんぞう)は思考がついていかなかった。そして、千年(ちとせ)は、背中を見るようにと手で合図をしてくる。幻像(げんぞう)は、自分の背中に手を触れてみた。すると、何やら小さな紙が貼ってあった。よく見ると、墨で何か書いてある。


幻像(げんぞう)

「俺は、この試合で坂多千年(ちとせ)さんに背中をとられて、殺されました。なので、この試合は俺の負けです・・・。・・・・・・・・・えっ?」


 すると、周りから大きな拍手が沸き起こる。


【試験管】

「はい!そこまで、夕暮幻像(げんぞう)、降参により失格。よって、次の甲賀七人集"虎"の隊長は、坂多千年(ちとせ)とする。」


幻像(げんぞう)

「え!ちょっ、待って!俺は何も!俺はただ紙を読んだだけだぜ!」


 幻像(げんぞう)は、千年(ちとせ)の方を見ると千年(ちとせ)はニヤっと笑った。


千年(ちとせ)

「何、言ってんだ!?紙なんて、どこにあるんだ?幻像(げんぞう)。お前、自分の手、よく見た方が良いぜ。」


 千年(ちとせ)にそう言われて幻像(げんぞう)は、自分の手を見る。


幻像(げんぞう)

「何も・・・。持っていない?なるほど、幻か。あいつ・・・。忍術を使って俺に幻覚を。くそっ。幻術は、俺がもっとも得意とする分野なのに、見破れなかった。なるほど、確かに、力の差は歴然か・・・。」


 千年(ちとせ)は、さらっとした口調で言う。


千年(ちとせ)

「俺が言えた義理じゃねぇーがよ。お前、復讐なんてやめておけ。俺とお前は違う・・・。お前には、俺と違って良い兄貴がいるんだからよ・・・。」


 千年(ちとせ)は、試合を見に来た客達に向かって刀を向けて走り出す。一瞬の出来事にその場は騒然とした。


 千年(ちとせ)は試合に集まった多くの忍の中で一人の忍に向かって走り出す。握りしめた忍刀は小刻みに震え、隠しても隠せぬ恐ろしい殺気に、その場にいた忍達はまだ10才の少年に全員は恐怖した目の前にいる忍は本当に少年なのだろうか?


 まるでそれは、茂みの中に隠れて獲物を狙う一頭の虎のように見えた。可愛らしい少年という茂みの中に隠れて中には恐ろしい虎が潜んでいた。


 周囲の動揺をよそにその少年は、走るまるて獣が何日も空腹のまま歩き続けた上でようやく見つけた獲物を刈るかのように向恐ろしい速さで向かっていく。


 三年前と変わらず不適な笑みを浮かべた、あの男を目指して・・・。そして、もう刀を伸ばせば首が斬れる位置にまで来た所で、少年は刀を振った。


 きゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!



     周りからは、悲鳴が上がる。



挿絵(By みてみん)

https://34716.mitemin.net/i537739/

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