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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
第12章 【泡沫の一番弟子編】
80/225

【 幻刀 】

【前回のあらすじ】




こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。(*´-`)




趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)


姉妹作品【闇に沈む侍】(完結)

https://ncode.syosetu.com/n3500gt/


 

 泡沫(うたかた)は、静かな口調で答えた・・・。


泡沫(うたかた)

「・・・。俺を殺るまで、兄貴を殺さないという火の誓いを結ばせた・・・。」


 鵜飼(うかい)は、暫く黙っていたが・・・。


鵜飼(うかい)

「・・・ほぅ?心身ともにまだまだ未熟な自分の弟子が兄を殺し、侍としてでだけではなく、人としても終わることを案じたか?


 今まで、数え切れない人間を殺してきたお前がそんな慈悲の心があるとは思わなかったな・・・。まぁ、確かに。まだ、10才。能力だけを見れば、そこらへんの忍ではもうとっくに手におえない代物になってはいるが、まだまだ元服には程遠いガキだ。


 七人集に入れば、1つ部隊を持つことになり、戦に出れば己の部下を敵に次々に殺されることになるだろう。


 しかし、殺された部下達の復讐を片っ端からやっていくわけにもいくまい。そんなことしているうちに、まだ生きてる部下達も次々に殺されていくんだからな。


 本当に大切なモノってのは、死んでいった仲間の復讐をするよりも、今いる仲間をいかに守っていくかだ。お前も、それが分かっていたから、幻像(げんぞう)に母親を、殺した犯人が誰だったのか、言わなかったんだろう?」


泡沫(うたかた)

「・・・さぁ、どうかな?俺も、まだ、元服したばかりなんでね。・・・いつ子供がえりして、あの人を殺しに行くか、分からねぇよ・・・。」


 母さんは、最後まで、俺たちのことを案じていた・・・。


「・・・泡沫(うたかた)・・・。幻像(げんぞう)のこと・・・よろしくね・・・。」


 母が残した最後の言葉だった。


幻像(げんぞう)

「はぁ・・・。はぁ・・・。」


 膝をつき息を乱す自分とは対象的に、目の前に立つ男は、涼しい顔でこちらを見ていた。その男に、刀の勝負で勝とうとしても、無理な話だった。


 元々、由緒ある伊賀の里の武家の家の生まれで、武家の家にいた時から、天才と謳われていた。年齢も性別も目的も自分と同じ。


 ではこの勝負の勝敗を分けるのは一体何なんだろうか?実力の差か?ならば、剣術で勝てなくとも、忍術なら・・・。


幻像(げんぞう)】 

「精神身体型忍術 "幻刀"」


千年(ちとせ)

「!?!?!?」







泡沫(うたかた)鵜飼(うかい)と共に試合を見る男がもう一人・・・。


空蝉(うつせみ)

「ん?この間、気を、知った小僧がもう、七人集の試験を受けてるとはな。流石に、7才のガキに酒を飲ませるわけにはいかねぇーからな。


 酒とよく似たもので代用したが、あいつ、あっという間に気の存在を感じて、コントロールしやがった。


 やれやれ、お前と似て可愛くないガキだと思っていたが、やっぱり可愛げがねぇーな。弟子は、師匠に似るのかね・・・。」


泡沫(うたかた)

「なんだ、あんたも気になっていたのか。気になるか?あいつが・・・。」


空蝉(うつせみ)

「あの少年が、申神刀馬の息子か・・・?」


泡沫(うたかた)

「あぁ・・・。だが、今は坂多(さかた)千年(ちとせ)と名乗らせている・・・。」


空蝉(うつせみ)

「ふーん・・・。まぁ・・・身元をばれないように新しい名字にしたんだろうが・・・。」


鵜飼(うかい)

坂多(さかた)ね・・・。ネーミングセンスないよな・・・。」


泡沫(うたかた)

「あんたも、人のこと言えないだろうが・・・。頼んでもないのに、新しい名字つけやかって・・・。」


 泡沫(うたかた)も、母親を無くして、鵜飼(うかい)の元に行った時、鵜飼(うかい)から新しい名字をつけられていた・・・。


鵜飼(うかい)

「・・・まぁ良いじゃねぇーか。・・・・()()よりも、()()の方が、良い名字だろ・・・?」


 泡沫(うたかた)は、ムッとした表情で、鵜飼(うかい)を見た・・・。



 空蝉(うつせみ)は、目の前で戦う二人の忍びを見る。泡沫(うたかた)鵜飼(うかい)の元にいるのがもったいないくらいに強い弟子達だ・・・。10才でこの強さ、一体この先どんな、忍びになっていくのだろうか・・・。


 だが、どんな最高の技術を、持っていたとしてもまだ10才・・・精神的な未熟差がぬぐえないようだっ。刃物を持った子供が、闘いごっこしてるそれだけだ・・・。


 幻像(げんぞう)の使った術は、うまくやれば相手に一刀入れるのみならず、相手を完全に絶命させることが出来る術だ。・・・精神身体型忍術(精神身体型忍術) "幻刀(げんとう)"・・・。


 自分の気を相手の頭に送り込んで、自分の動きを数秒遅らせたり、早めて見せる術だ。0.何秒の世界で闘いをする忍や侍の世界で、相手の動きを認識するのに、数秒のずれをともなうのは命とりだ。


 しかし、そんな危険な術をかけているというのに、千年(ちとせ)という少年は、反撃こそ出来ないものの、全ての攻撃を防げてしまっている・・・。これは、つまり、三年もの間、近くで見てきたあいつの闘い方、剣筋から忍術まで知りつくし、あの術によってずれて見える攻撃を頭の中で即座に修正し、遅く見えている攻撃には、早めに防御し、逆に早く見えている攻撃は、少し遅れて刀で防ぐことで攻撃を防いでいる。


 だが、元侍の少年がいくら才能に恵まれていても、相手の動きを全て予想するのなんざ不可能・・・。


 では、なぜそれが可能なのだろうか・・・。それは、幻像(げんぞう)、お前の弟が本気であいつを殺そうとしてねぇーからだ。



 この甲賀七人集継承試験、この試合は、どちらかが降参するか、死ぬかが勝負の決め手、なんて言ってやがるが、今までのほとんどの試合では、どちらかが死ぬまで闘い、部隊長の座を取ってきた。


 甲賀の忍として、その七名に入るということは、それだけ名誉あることであり、誰しもが一度は夢を見る。


 命をかけてこの試験に合格し、何千人もいる甲賀の忍の上に立つ7名忍になることを。


 しかし、それは同時にたとえ仲間といえども時には、迷うことなく切り捨てる薄情さ、見捨てる冷酷さ、殺す残忍さを誰よりも待たなくてはならないということになる。


 ずっと苦楽を共にしてきた仲間をここで斬る。お前の弟子達にそれが出来るかな・・・。






幻像(げんぞう)

「・・・たくっ、早く、斬られろよ。術を使うと疲れるんだ。はぁ・・・はぁ・・・。早く終わらせたい。まったく、本当にお前はいつも涼しい顔して俺の前に立ちやがる。ムカつくぜ、マジで。でも、俺はお前のこと気に入ってたぜ。俺のいたずらに、最初はスゲー冷めた目で見てたくせに、なんだかんだで最終的には、加担して。二人で一緒に色んな人に怒られて・・・。でも、それももう、今日で終わりだ。千年(ちとせ)、早く、俺に勝ちを譲れ・・・。」


千年(ちとせ)

「やれやれ。ようやく、更生する気になったのか・・・。おめでたいことだな・・・。だが・・・悪いな。更生したところで、お前は七人集には入れねぇーよ。お前は、ここで俺に殺されるんだからな・・・。気然気刀法忍術(きねんきとうほうにんじゅつ) "・・・(いかずち)一声(いっせい)・・・"。」


 千年(ちとせ)の持つ、刀がバチバチと黄色い閃光を発する・・・。


幻像(げんぞう)

「し、しまった!あの術は!!!!」

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