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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
第12章 【泡沫の一番弟子編】
75/225

【最悪な誕生日】

【前回のあらすじ】




こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。(*´-`)




趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)


姉妹作品【闇に沈む侍】(完結)

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【万年】

「千年。」


【千年】

「ん?なんだい?兄貴?」


 兄貴は、俺に隣村に行って、評判の団子屋に行って、団子を買ってくるようにと言った。今日は、母親の誕生日だった。


【万年】

「もう、7つだから、一人で行かれるだろう?」


【千年】

「行かれるけどさー。どうせなら、兄貴も一緒に・・・。」


【万年】

「ダメだ。ダメなんだ。」


 いつになく強い口調に驚いていると。


【万年】

「俺は、俺でやることがあるんだ。母さんを喜ばすために。」


【千年】

「そ、そうか・・・。」


【万年】

「なになに?怖くて一人で行けないのかな?」


 兄貴は、軽い口調で問いかけてくる。


【千年】

「バ、バカにすんな。団子屋くらい一人で、行かれるわ。」


【万年】

「そうか。それじゃあ、頼んだ。」


【千年】

「はいはい。」


 俺は、母さんに見つからないように、そっと家を出た。


 すると道端で、近くにすんでる着物屋のおばあちゃんに有会った。


【千年】

「あ!着物屋のおばあちゃん!おはよう!」


 するとおばあちゃんは、優しい口調で聞いてくる。


【おばあちゃん】

「ちぃー君じゃないか。どこかにお出掛けかい?」


【千年】

「うん!今日、母さんの誕生日だから、兄貴とさっき相談たんだけど、俺は、隣村の美味しいお団子屋さんに行って、団子買って来ることにしたんだ。ちなみに父さんは、山に行ってイノシシとって来るって言ってた。」


 すると、そこへ篠木さんと、曽根崎さんがやって来た。それに上方さんがやって来た。


【篠木】

「誕生日会か!良いね!ってか、本当に刀馬さんのところは仲が良くてな。羨ましい限りだな。」


【差根崎】

「本当だぜ。最近、殿が暗殺されかけたって、嫌な話で持ちきりだったが、久しぶりに心暖まる良い話を聞きましたよ。本当に!」


そこへおふくろが来る。


【澪】

「千年!どこに行くの?ちょっと、洗濯物手伝ってちょうだい!」


【千年】

「ごめん、母さん、俺これから行く所、あるんだ。」


【澪】

「何言ってるの?どうせ、遊びに行くんでしょう!手伝いなさい!」


 母さんは少し、怒りぎみに言った。


【千年】

「遊びになんて、行かないよ!ちょっと隣の村に行くのさ。」


【澪】

「隣村に何しに行くのよ?」


【千年】

「だからさー、そのー。」


 母さんの尋問に言葉が浮かばないでいると、上方さんが、助け船を出してくれる。


【上方新一郎】

「澪さん、俺が千年君に、ちょっとお使いを頼んだんですよ。すみません。今度の稽古竹刀使うんですけど、足りなくてね。今は、殿の護衛で皆忙しいですから、買いにも行けなくて、すみません。」


上方さんは、こっちを向いて、目配せをした。母さんは上方さんの言ったことは何も疑わない。


【澪】

「そう、それならしょうがないわね。遅くならないで、早く、帰って来るのよ?」


そんな中、父さんもやって来る。


【刀馬】

「お!千年行くのか!?気をつけてな。しっかり買ってくるんだぞ?」


【千年】

「うん。行って来るよ」 


皆は、笑顔で手を振る。何故だろうか?こんなに 近しい人達に笑顔で見送られると、なんだか照れくさかった。








 俺が帰って来たのは、もう日が暮れてからだった。何かがおかしい。いつもなら、家々から、明かりがとっくに漏れている時間なのに、どこの家も明かりをつけていない。そして、静か過ぎたのだ。なんの音も聞こえない。帰る場所を間違えたのだろうか?どうしたのだろうか?自分の家まで、来たがいつもとまったく違う家のように感じた。扉を開ける。


【千年】

「父さん?母さん?兄貴?ただいま・・・。誰も・・・いないのか?」


 その時、俺は、背筋に寒気が走る嫌な気配がはった。居間に急ぐ。そこには、真っ赤な血の海に沈む父と母の姿があった。


【千年】

「父さん!母さん!一体、何があったんだ?しっかりして!」


 父と、母に触れれば、まだ温かかった。誰か後ろにいる気配がした。振り向くとそこには、血しぶきを浴びたであろう血まみれの兄が立っていた。村に何者かが侵入して、父さんと母さんをこんな目に合わせ、父さんと、母さんをこんな目に合わせたやつと兄貴は戦っていたのだろうか?

誰かか自分の背後に立っている。すぐに振り向いて見れば、それは兄貴だった。



【千年】 

「兄貴!一体、何があったんだ?父さんと、母さんを早く隣村の医者に連れて行こう!大丈夫。まだ、温かい。きっと助かる。」


 しかし、兄貴はいつもの笑顔のまま言った。


【万年】 

「無駄だよ。二人はもう、死ぬ。お前が、遅いから・・・。俺が全員、殺しちまった。」


【千年】

「何、言ってんだよ・・・?」


 すると、兄貴は続けて言う。


【万年】

「昨日、殿が殺された・・・。他のやつと見張りを交代した時だった。そいつが裏切り者だったんだ。殿はそいつに殺された。




 だが、この村の連中は、俺を信じてはくれなかった・・・。誰よりも努力し、誰よりも殿を守ろうとしたこの俺を。


 この里の連中は信じなかった・・・。誰一人として、俺よりも強くないくせに・・・。誰一人として、俺以上に努力をしたやつはいないくせに・・・。


 こいつらは、殿を殺したのは俺ではないかと言いやがった・・・・・・。

 


 だがもういい・・・。どうせコイツらは俺なんかよりもずっと弱い虫けらに過ぎない・・・。虫けらに何を言われたって、何も感じない・・・。


 だが、この里で、お前だけは俺よりも強くなる可能性がある・・・。伊賀の英雄、白虎の侍を父に持つ俺達は、血を分けた兄弟だ・・・。


 さぁ、千年。俺とお前、どっちが強いだろうか・・・。今すぐに戦って確かめたくなる・・・。ただ・・・。まだ、お前は7才。いくら強いと言われていても、俺の足元にも及ばない。そこらへんの虫けらと同じだ。だから、今はまだ殺さない。


 だけど、いつかお前が、今の俺と同じ年齢になったら、その時は勝負しよう。命をかけて・・・どっちが強いか。


 9年後、お前を殺して、俺は、自分がやったことか正しかったを証明する・・・。それまでせいぜい、地べたを這いつくばって生き延びろよ。」  


【千年】

「兄貴・・・。ふざけんなー!里の皆を殺したことが正しかったなんて、そんなことあるわけないだろうが!それに、父さんと母さんが、兄貴のことを信じなかったはずがないじゃないか!父さんも、母さんも兄貴のこと、愛してたんだぞ!なのに、なんで・・・。」



うあああああああああああああああああああ!



 千年は、兄に殴りかかる。しかし、顔の横を何かがすり抜ける。通りすぎた後で、それがクナイだと分かった。左頬から血が流れる。千年はその場に倒れこんだ。


【万年】

「悪いけど、俺もう約束があるから、行かないと行けないんだ。じゃあね。千年。」


 万年は、姿を消した。俺はしばらく何も考えられなかった。しかし、倒れた父と母を見て我にかえる。


【千年】

「父さん・・・、。母さん・・・。父さん!母さん!早く、医者に!早く医者に!!!」


 俺は、父と母の腕を肩にかけようとする・・・。すると、父から荒い息と共に、言葉が紡がれる。


【刀馬】

「落ち着け、千年・・・。俺達は、大丈夫だ。大丈夫だから、お前はこの村を出るんだ。いいな。千年。お前は、強い子だ。強くて優しい俺達の自慢の息子だ。だから、お前はもう、俺達がいなくても、生きていける・・・。万年と共に二人で生きていけ。」


【千年】

「父さん!何言ってるんだ?兄貴がしたこと、俺は絶対に許さない!何年かかっても、あいつを見つけ出して、必ず殺してやる。」


【刀馬】

「千年。あいつにはあいつ考えがあるのさ。今のお前には分からないかも知れないが、いつかお前にも、分かる時が来る。」



 木が焦げる臭いと火が村を焼く臭いがした。あいつが村に火をつけたのだろうか?



【千年】

「父さん!火が!くそ、あいつ!!!!今、母さんも一緒に俺が連れて逃げるから!踏ん張って!」


【刀馬】

「やめろ。千年。やめるんだ。武士ってのはな。死ぬ場所は自分で決める生き物だ。俺の死に場所はここだよ。千年。戦場でも、殿の隣でもない、家族で過ごした、沢山の思い出が積もったこの家。お前達が俺の人生にいてくれて、俺の人生を満たしてくれて、ありがとう。澪、万年、千年お前達が俺の人生を豊かにしてくれた。これを持っていけ。千年。」


 刀馬は、腰から一本の刀を千年に渡した。


【刀馬】

「この刀と共に、俺も母さんもお前のことを守るよ。」


 自分の家にまで広がった火はいつ、この部屋に広がるか分からない。父は満たされた笑顔を向けていた。


【千年】

「何言ってるんだ?父さん!父さん!?」


 父は動かなくなっていた。俺は、父の亡骸を母の隣に寝かし右手を母の左手の上に乗せた。そして、俺は家の外に出た。


 村は、もう火の海だった。どこも焼けるようにあつく。ただよう灼熱の空気は肺まで焼くようだった。火の海の中をさ迷い歩く。すると、誰のか分からない小刀が落ちていた。俺は、その刀を手にとった・・・。そして、ゆっくり、目を(つむ)ると、自分の腹に向けた・・・。


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