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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
第12章 【泡沫の一番弟子編】
74/225

【千年たっても・・・万年たっても・・・両親の願い】

【前回のあらすじ】




こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。(*´-`)




趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)


姉妹作品【闇に沈む侍】(完結)

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【千年(ちとせ)

「ねぇねぇ、父さん。兄貴ってさ、本当はどう思ってるんだろう?」


【刀馬】

「うん?何がだ?」


 刀馬は、千年(ちとせ)を肩車したまま言う。


千年(ちとせ)

「兄貴は、今、殿様の護衛をするっていう大役を任されてるんだよね?でも、なんだか周りの人が兄貴に色々と言っているのを聞いてしまったんだ。あんなに、強いのに・・・親の七光りとか、いつも、笑ってて不気味だとか・・・でも、兄貴は、いつも・・・笑ってる・・・。」


そう、俺が知る兄貴はいつも笑っていたんだ。俺と兄貴は、俺よりも9才年上の14才だ。この村では、14才で男も女も元服を迎える。


 兄貴は、元服したのと同時に殿の護衛という重役を任されるようになっていた。皆に聞くと、兄貴は、昔か感情が豊かな少年だったそうだ。試合に負けて悔し泣きをしたり、上方さんにイタズラでゴキブリを枕元に忍ばされて怒ったり、どこにでもいる普通の少年だった。しかし、いつしか兄貴は、あんまり患者を表に出さなくなった。そして、殿の元で任務につくようになってからそれがいっそう激しくなった気がする。


 感情の変化がなくなった兄貴は、いつも笑っているようになった。ニコニコと朗らかに、感情のない笑顔を常にするようになった。一体、兄貴に何があったのだろうか・・・。


【刀馬】

千年(ちとせ)。本当に強い男ってのは、自分の弱い部分を人には見せないものさ。泣いたり、怒ったり、戦場に出て感情のコントロールが出来ない者はすぐに敵に隙をつかれる。何があっても、動じない。そんな強さが侍には必要なんだ。お前の兄は強い。そして、お前もまた強い。お前達は、千年(ちとせ)経っても、万年(はんねん)経っても、人々に語り継がれる侍になるだろう。俺は、そう思っているよ。」


千年(ちとせ)

「父さん。ありがとう。俺、絶対になるよ。父さんも母さんも、それに兄貴だって守れるような強い侍に・・・。」


【刀馬】

「そうか。侍ってのは、君主を守るのに命を捧げる生き物と言うが、お前の場合は、殿よりも、家族を選びそうだなぁ。」


 そう言って、刀馬は笑った。


千年(ちとせ)

「何、言ってるんだよ?当たり前だろ?家族と殿、どっちをとるかと聞かれたら、そりゃあ家族に決まってるだろう?」


【刀馬】

「そうか・・・。だかな、千年(ちとせ)。俺は、どっちも正解で不正解だと思うんだ。君主を選べば、侍としては正しい生き方なのかもしれない。だが、人としては、終わりだ。逆に、君主を捨てれば、侍としては失格だが、一人の人間としては、正しい選択なのかもしれん。だから、いつかお前も、君主か家族か選ぶ時が来るだろう。お前が己の道に恥じない選択をしろ。いいか、千年(ちとせ)。お前が選んだ道ならば、俺は応援する。」


千年(ちとせ)

「俺は、家族を選ぶよ。大切な人よりも、君主選ぶなんて、俺には分からない。」


 そう言うと、父さんは優しく笑った。


 そして、ふと思った。兄貴はどっちを選ぶのだろうと。でも、なぜだろう。聞くのが怖かった。だから、聞かないことに決めた。


千年(ちとせ)

「兄貴!たまには、どっか連れてってくれよ!」


 あれから、2年が経った。相変わらず兄貴はいつも笑っている。いつも優しく、決して怒ったり、泣いたりしない兄貴。きっとそれは兄貴の強さなのだろう。この頃の俺はそう思っていた。


万年(はんねん)

「なになに?」


 兄貴は、振りかえって俺に聞いてくる。


千年(ちとせ)

「だーから、たまにはどっか連れてってくれよー。毎日木刀ばっかり、握りしめてさ、たまには、釣り竿を握りしめたいぜ。」


万年(はんねん)】 

「なになに?今言ったこと、父上に言ってみたらどう?きっと、大変なことになるよ?」


千年(ちとせ)

「大丈夫だよー。たまには、息抜きも必要だぜ。」


万年(はんねん)】 

「あ!父さん、おはよう。」


千年(ちとせ)

「えっ!!!!!」

千才は、振り返るが、そこには誰もいなかった。兄貴のいた方を振りかえると、兄貴はその場を立ち去ろうとしていた。きっと、忙しいのだろう。これ以上言うのは、兄貴を困らせるだけと思い、諦めることにした。しかし、


万年(はんねん)

「なになに?行かないの?早くしないと、置いていっちゃうよ?」


千年(ちとせ)

「・・・へへ。やったぁ!」


 綺麗な川だった。透明で、陽の光がキラキラ輝いていて、夏だったから、丁度涼むのにも良かった。俺は、川原で昼寝する兄貴に向かって、水をかけた。


万年(はんねん)

「うわー!!!!つ、、めた!なになに?千年(ちとせ)、お前・・・。魚釣りに連れて来てやった兄の恩も忘れてこのやろー!!」


 兄貴は、俺に掴みかかるが、川原の石につまずいてそのまま二人とも川に入ってずぶ濡れ。でも、二人ともそれが可笑しくてゲラゲラ笑った。


 今なら思う。きっとこの笑顔は、これまで兄貴がいつもしていた作られた笑顔なんかじゃない心からの最後の笑顔だったと俺は思う。


 ずぶ濡れ、泥だらけで家に帰る。


【澪】

「あんた達!一体どうしたら、そうなるの!?」

母さん、すごく怒って俺と兄貴にすぐに風呂に入るように言ったけど、出たら楽しそうに笑ってた。


千年(ちとせ)

「母さん、いいよ。俺一人で出来るし。」


万年(はんねん)

「母さん、勘弁してくれよ。俺いくつだと思ってるんだ?」


【澪】

「子供はいつまでも経っても、子供よ。」

そういうと母さんは、俺たちの頭に手拭いを頭にのせてゴシゴシと水っけを拭いていく。そして、いきなり母さんは俺たちを抱き締めた。


【澪】

「まぁーたくも。本当に。元気なんだから・・・。」


母さんは、嬉しそうに言う。


【澪】

万年(はんねん)千年(ちとせ)、お父さんは、二人が、千年(ちとせ)経っても、万年(はんねん)経っても、いつまでも語り継がれるような強い侍になれるようにって、意味を込めてつけたけど、私は違うの。千年(ちとせ)でも、万年(はんねん)でも、長生きして元気で幸せになって欲しい・・・。


 侍は、いつでも死と隣り合わせ。戦になれば、家を出たきり戻って来ない人も沢山いる。残された家族は、途方もない悲しみを背負って生きることになる。だから、万年(はんねん)千年(ちとせ)、二人とも長生きしなさい。間違っても、親よりも先に死んだりしてはダメよ。」


千年(ちとせ)

「母さん?」


万年(はんねん)

「分かったよ。俺、長生き出来るか分からないけど、母さんよりは、絶対に先に死なない。それだけは、約束する。」


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