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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
【第二章】狼ノ神の守りし森
7/225

【清流の村】

 こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。



 初めての小説投稿、初めての連載です。(*´-`)


 趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


※イラストは、つける時とつけていない時がございます。あらかじめ、ご了承くださいませ。( >Д<;)→あれ?もはや、絵日記ですらない?(苦笑)



 今回は、そんな私が書く【時雨の里】その七話目です、、、。 

 氷雨(ひさめ)は、どうすることもできずその場で、死を覚悟したその時だった。


時雨(しぐれ)

「兄上、ホタルーー!!!」


 狼が氷雨(ひさめ)に飛びかかる一歩手前で、時雨(しぐれ)はその狼に一刀を食らわす。すると、その狼は、悲痛な鳴き声を上げると、後ろへ一歩下がる。その村の長である狼が下がったことをみるやいなや、他の狼達もその狼の後方へと退く。


時雨(しぐれ)

「とっとと、立ち去れ。」


 時雨(しぐれ)は、刀の先を狼に向けて地を()うような低い声音で、そう言い放つ。


 時雨(しぐれ)の姿をまじまじと見つめた狼達は、時雨(しぐれ)に恐れおののいたかのように、少しずつ後退(こうたい)して行き、(しま)いには暗闇へと消えていった。



挿絵(By みてみん)

https://34716.mitemin.net/i518033/



 その後、森を急ぎ足で抜ける頃には、夜が明け初めていた。村人も荷物を守る動物もへとへとに疲れている。しかし、本流の村に戻るには、まだまだかなりあった。


時雨(しぐれ)

「皆、疲れきっている。この先は確か、清流(せいりゅう)の村だ。」


【ホタル】

清流(せいりゅう)の村。」


時雨(しぐれ)

「うん。東十朗(とうじゅうろう)様に事情を話せば、(こころよ)く受け入れてくれるだろう。」


氷雨(ひさめ)

「・・・、あぁ。」

 

 氷雨(ひさめ)は、力なく(うなず)く。


時雨(しぐれ)

「ホタル、もう少しだから、頑張ってね。」


 時雨(しぐれ)は、馬の背に乗るホタルに言う。


【ホタル】

「はい・・・。」


 ホタルは落ちてくる(まぶた)を必死に開けながら答えた。


【小波】

「カァー」

 小波も眠たそうに、力無く鳴く。


時雨(しぐれ)

「よしよし、小波(さざなみ)。眠たいんだね。ワタシの肩で寝ていてもいいんだよ?」


 時雨(しぐれ)が、そうカラスに言っとのだが、カラスは、まだ寝ないと意地を張るようにカァー!と鳴いた。



時雨(しぐれ)

「そうか、そうか。でも、もし眠くなったら、遠慮なく寝ていいよ。」


 カラスは、カァーと鳴いて答える。


 それから、(しばら)くしてようやく山を抜けた。山から出れば、目の前はもう清流(せいりゅう)の村にだ。三人は、朝早く庭の外に出ていた東十朗(とうじゅうろう)を見つけると東十朗(とうじゅうろう)の屋敷である分家で休ませてもらうことになった。時雨(しぐれ)達三人とカラス、そして、村人達は、分家の屋敷の大広間に案内される。


【ホタル】

「怪我の状態を見ますから、怪我をした人は、私の所にいらっしゃってください。」


 ホタルは、持ってきていた薬草を取り出し、狼に襲って来た際に、足を捻挫した人や、転んで擦りむいた人などの手当てをした。その間、時雨(しぐれ)氷雨(ひさめ)は、村長である銀と縁側で話をしていた。カラスは、眠気の限界が来たらしく、時雨(しぐれ)の腕の中で眠っていた。暫くして、ホタルが全員の手当てを終えてやって来る。


東十朗(とうじゅうろう)

「そうか。狼の神が、襲って来たか。やれやれ、世も末だな。何はともあれ、無事で良かった。」


 時雨(しぐれ)から事情を聞いた東上朗は、時雨(しぐれ)達を(ねぎら)った。


時雨(しぐれ)

「すみません、暫くお世話になります。」


東十朗(とうじゅうろう)

時雨(しぐれ)、すみませんはよせ。俺達は家族だろう。遠慮はいらねぇ。子供は図々しいくらいが良い。お前は大人過ぎる。本流の村には、鷹を使って手紙を送り、このことを伝えておこう。」


時雨(しぐれ)

「ありがとうございます。それと、東十朗(とうじゅうろう)様。お聞きしたいことがございます。」


東十朗(とうじゅうろう)

「ん?なんだ?」


時雨(しぐれ)

「気術・・・についてです。」


東十朗(とうじゅうろう)

「・・・、。誰に聞いたんだ?」


 空気が変わった。ピリッとはりつめた空気。いつも、陽気で人懐っこい笑顔を向ける東十朗(とうじゅうろう)が、この時は、ばかりとても怖いくらい真剣な目をしていた。お腹の奥がひんやりとし、開けようとした唇が小刻みに震え、時雨(しぐれ)は、東十朗(とうじゅうろう)の質問に答えるのを躊躇(ためらう)ってしまう。時雨(しぐれ)が、モゴモゴと口ごもるのを見て、東十朗(とうじゅうろう)はため息をつく。


東十朗(とうじゅうろう)

「まぁ、いいさ。どうせ、上住さんが変なことを吹き込んだんだろう。気術については、俺が勝手に語れるもんじゃねぇ。五月雨と相談をして言うか決める。だから、それまで、待っていてくれ。」


 そう言うと、東十朗(とうじゅうろう)は用事があるらしく家を出て行ってしまった。時雨(しぐれ)は、そっと息を吐く。東十朗(とうじゅうろう)の様子を見て、聞いてはいけないものを聞いてしまったような気がした。自分の手を見ると、まだ小刻みに震えていた。氷雨(ひさめ)は、時雨(しぐれ)東十朗(とうじゅうろう)が話している間一言も声を発することは無かった。しかし、東十朗(とうじゅうろう)が去った今、氷雨(ひさめ)はゆっくりと話始める。


氷雨(ひさめ)

「・・・二人とも、悪かった。ごめん。オレがあの道を選択したがばっかりに、皆を危険な目に合わせちまった。俺がいるから大丈夫といっておきながら、俺は・・・。」


 ホタルが狼に襲われた時、一体オレは、何をしようとした?狼の前に丸腰(まるごし)で、ホタルと共に死ぬつもりだったのか。もしあの時、時雨(しぐれ)が来なかったら、オレは何もできずにホタルをと共に殺され、村人も殺されていたかもしれない。七歳の時から何も変わっていない。時雨(しぐれ)に強さで勝つこともできず、皆を守ることもできず、こんなんで、父ちゃんのようになんて、とてもなれない。父ちゃんから、雲海の名を引き継ぐことなんて、夢のまた夢・・・。


氷雨(ひさめ)

「あの時、時雨(しぐれ)の言う通り、あのまま進んでいれば、こんなことにはならなかった。くっ・・・うぅ・・・。ふっ・・・。」


 涙が(こぼ)れ落ちる。自分が不甲斐なかった。なんで、どうして自分はこんなにも、弱いのか。悔しかった。溢れた涙は止まることを知らない川のように頬を流れ続ける。体が小刻みに震えて自分では、もうどうすることもできないなかった。時雨(しぐれ)とホタル、二人はこんな自分を見て、どう思うのだろうか。恥ずかしくて、情けなくて、いっそのこともう、何も言わず、自分を見捨てどこかへ行って欲しいとさえ思った。しかし、そんな氷雨(ひさめ)の思いをよそに、時雨(しぐれ)は、言葉を発した。


時雨(しぐれ)

「泣いてはダメだ。」


氷雨(ひさめ)

「え?」


 時雨(しぐれ)は、ゆっくりと、優しい言葉でしかし、力強く思いのこもった声音で話す。


時雨(しぐれ)

「泣いては、ダメだ。兄上。上に立つ者は、決して涙を見せては、ダメだ。悔しいことも、辛いことも、自分のことが嫌で嫌で許せなくなることだってあるだろう。だけど、上に立つ者は決してその弱さを周りに見せてはいけない。さもないと、周りにいる皆が、道に迷ってしまう。不安になってしまう。だから、上に立つ者は意地張ってでも、背伸びしてでも、自分が迷ってる姿なんて、見せちゃいけない。大丈夫。兄上が道に迷うことがあれば、ワタシや、ホタルが兄上を助けるよ。兄上は、一人じゃない。ワタシに、ホタル、一平(いっぺい)にネネ、皆、兄上の見方だ。父上だって、きっと一人じゃ本流の里の長なんて、できなかった。でも、父上には母上や、東十朗(とうじゅうろう)様がいて支えてくれる人がいたから、きっと今まで本流の里を守って来られたんだ。兄上には、ワタシ達がいるだろう?だから、泣くのはやめるんだ。それに、謝る必要なんてないよ。兄上。あのまま進んでいたとしても、安全に行かれたとは限らない。ぬかるんだ箇所があって馬や、人が足を滑らせ、転落する可能性も、狼がに襲われる可能性だって捨てきれなかった。それに、今こうして、皆大きな怪我もなくここの村に辿辿(たど)着けたのは、兄上があの時、あの道を選んでくれたおかげだ。」


 時雨(しぐれ)は、優しく笑う。


【ホタル】

氷雨(ひさめ)様、あの時、来てくれて、ありがとう。あの時、氷雨(ひさめ)様が私のところにきて、狼の前に立って、私を(かば)おうとしてくれてなかったら、きっと私は狼にすぐに襲われていて、今、ここにいなかったかもしれないわ。命を(かえり)みずに、私を助けに来てくれて、本当にありがとう。」


 ホタルも笑う。


氷雨(ひさめ)

「二人とも・・・。ありがとう・・・。」


 本当に悔しかった。弟に助けられて、諭されて、許嫁に気を使わせて、本当に自分は情けない男だ。だけど、


氷雨(ひさめ)

「オレは、この先何があったとしても、お前達を必ず守り抜くと誓うよ。もう、二度と・・・涙を見せることはない。もう二度と、皆をこんな危険な目に合わせたりはしない!・・・この命に変えても、絶対に・・・。オレは、父ちゃんの後を継いで立派な雲海の名に恥じない男になる。」


 氷雨(ひさめ)は、感極まった様子で、言葉につまりながらも一生懸命に自分の思いを語った。


時雨(しぐれ)

「うん!兄上だったら、絶対大丈夫!」


【ホタル】

「・・・。」


 時雨(しぐれ)は満面の笑みで頷いた。しかし、その隣でホタルは複雑そうな顔をしていた。


 それから、時雨(しぐれ)氷雨(ひさめ)は二人で一つの部屋をホタルは、一人で一つの部屋を村人とは別に用意され、眠りにつくのだった。三人が眠りに着いた時にはもう日が西の山に沈みかけていた。


 あれから、どれくらいの時間が経っただろう。時雨(しぐれ)は、氷雨(ひさめ)と同じ部屋でぐっすりと眠っていた。夜通し行われた狼との戦いは、十一才の少年達には大きな試練だった。疲れ果て、夢もみたいくらいの深い眠りに落ちていた二人だったが、不意に何か冷たいものが顔にかかり、驚いて飛び起きる。


時雨(しぐれ)

「つ、冷た!!!!」


 ビックリして、飛び起きたは良いが、目の前はまだぼんやりとしていてよく見えない。しかし、少しずつぼやけた世界がはっきりとしてくるにつれ、時雨(しぐれ)の目の前には、両手に竹筒を持って悪そうな笑顔をした一平(いっぺい)が立っていた。


一平(いっぺい)

「はっはっはー!オイラは、この村の時期村長になる男、五十嵐一平(いっぺい)《いがらしいっぺい》様だ!お前達、オイラの前で無防備に寝るとは・・・いい度胸だな。水鉄砲くらえっ!」


 一平(いっぺい)は、布団の中にいる二人目掛けて水鉄砲を噴射した。


時雨(しぐれ)

「うわー!!!!!!」


氷雨(ひさめ)

「つっ、つめてぇー!な、何しやがる!!!」


一平(いっぺい)

「へへーんだ!他人の家で呑気に寝ているのが悪いんだよ!」


 状況が飲み込めずその場でポカーンとする時雨(しぐれ)とは対照的に、氷雨(ひさめ)は違った。


氷雨(ひさめ)

「ふ、ふふふふふ。オレの名は、東氷雨(ひさめ)(あずまひさめ)。本流の村から来た、時期村長になる男だ。このオレに喧嘩を売るとはいい度胸だぜ。貴様、食らえ、枕砲撃!!!!」


時雨(しぐれ)

「今さっき、聞いたようなセリフが・・・。」


 時雨(しぐれ)はボソッと呟いた。


一平(いっぺい)

「おい、お前、お前は何て言う名前なんだ!」


 一平(いっぺい)は、時雨(しぐれ)に指を向けて聞く。


時雨(しぐれ)

「ワ、ワタシもやるのか!」


一平(いっぺい)

「そうだ。さもなくば、もう一発、水鉄砲食らわせるぞ!」


時雨(しぐれ)

「もー!・・・えーと、ワタシは!」


 時雨(しぐれ)が言い終わる前に氷雨(ひさめ)時雨(しぐれ)に話しかける。


氷雨(ひさめ)

時雨(しぐれ)!」


時雨(しぐれ)

「なんだよ!そこは、最後まで言わせてくれよ。兄上。」


 しかし、氷雨(ひさめ)は、時雨(しぐれ)のことはまったく気にしない様子で平然と言う。


氷雨(ひさめ)

時雨(しぐれ)、この状況、2対1で、こっちに分がある。オレが合図したら、援護(えんご)しろ!一気にかたをつけよう。」


時雨(しぐれ)

「兄上、ワタシもう、ついて行けないよ。」


氷雨(ひさめ)

「何、言ってんだ!勝負する前から諦めて、どうする!勝敗ってのは、最後まで分からないものだ、弟よ。」


時雨(しぐれ)

「いや、そう意味じゃないんだなぁ・・・。」


 そこへ、タイミングよくホタルが部屋に現れた。


【ホタル】

「あっ、二人とも、起きた?」


一平(いっぺい)

「お前は、誰だ?」


【ホタル】

「あ、私は、本流の村から来た雪峰(ゆきみね)ホタル。そこの二人とは幼馴染(おさななじ)みよ。よろしくね!」


時雨(しぐれ)

「ホタルもノリノなんだ。」


 時雨(しぐれ)は、力なく笑う。


【ホタル】

「二人とも、お風呂に入って来たら?銀様が、お風呂沸かして、着替えを用意してくれたの。昨日、森で(おおかみ)と戦ったから、もう体中、泥だらけでしょ?服も汚れちゃってるし、お洗濯するから、早く入って来てね。」


時雨(しぐれ)

「おー、それは、ありがたい。」


氷雨(ひさめ)

「ふん!お前、シッペーとか言ったな?」


時雨(しぐれ)

「まだ、やるんかい。」


 氷雨(ひさめ)は、一平(いっぺい)(にら)みつける。


一平(いっぺい)

「オイラの名前は、イッペーだ!」


氷雨(ひさめ)

「イッペーでもシッペーでも、どっちでも良い。とにかく、勝負は風呂から出てからだ!」


一平(いっぺい)

「おぅ!おいらん家の風呂はバカみたいに広いから、楽しいぜ!」


氷雨(ひさめ)

「おおお!本当か!時雨(しぐれ)、風呂だ風呂!風呂に行くぞ!!」


 氷雨(ひさめ)は、時雨(しぐれ)の手首を掴むと、御風呂場に急ぐ。


時雨(しぐれ)

「もう本当に、ついて、いけないよーーーー!!!!!!!!!!!!!」


読んでいただき、誠にありがとうございました!(。-人-。)


 シリアスなシーンと、楽しげな日常シーンが今まで登場してきましたが、実は、私的には、シリアスよりも、楽しいシーンを書いている方が好きだったりします笑(*´-`)

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