【清流の村】
こんにちは。有馬波瑠海です。
初めての小説投稿、初めての連載です。(*´-`)
趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)
※イラストは、つける時とつけていない時がございます。あらかじめ、ご了承くださいませ。( >Д<;)→あれ?もはや、絵日記ですらない?(苦笑)
今回は、そんな私が書く【時雨の里】その七話目です、、、。
氷雨は、どうすることもできずその場で、死を覚悟したその時だった。
【時雨】
「兄上、ホタルーー!!!」
狼が氷雨に飛びかかる一歩手前で、時雨はその狼に一刀を食らわす。すると、その狼は、悲痛な鳴き声を上げると、後ろへ一歩下がる。その村の長である狼が下がったことをみるやいなや、他の狼達もその狼の後方へと退く。
【時雨】
「とっとと、立ち去れ。」
時雨は、刀の先を狼に向けて地を這うような低い声音で、そう言い放つ。
時雨の姿をまじまじと見つめた狼達は、時雨に恐れおののいたかのように、少しずつ後退して行き、終いには暗闇へと消えていった。
https://34716.mitemin.net/i518033/
その後、森を急ぎ足で抜ける頃には、夜が明け初めていた。村人も荷物を守る動物もへとへとに疲れている。しかし、本流の村に戻るには、まだまだかなりあった。
【時雨】
「皆、疲れきっている。この先は確か、清流の村だ。」
【ホタル】
「清流の村。」
【時雨】
「うん。東十朗様に事情を話せば、快く受け入れてくれるだろう。」
【氷雨】
「・・・、あぁ。」
氷雨は、力なく頷く。
【時雨】
「ホタル、もう少しだから、頑張ってね。」
時雨は、馬の背に乗るホタルに言う。
【ホタル】
「はい・・・。」
ホタルは落ちてくる瞼を必死に開けながら答えた。
【小波】
「カァー」
小波も眠たそうに、力無く鳴く。
【時雨】
「よしよし、小波。眠たいんだね。ワタシの肩で寝ていてもいいんだよ?」
時雨が、そうカラスに言っとのだが、カラスは、まだ寝ないと意地を張るようにカァー!と鳴いた。
【時雨】
「そうか、そうか。でも、もし眠くなったら、遠慮なく寝ていいよ。」
カラスは、カァーと鳴いて答える。
それから、暫くしてようやく山を抜けた。山から出れば、目の前はもう清流の村にだ。三人は、朝早く庭の外に出ていた東十朗を見つけると東十朗の屋敷である分家で休ませてもらうことになった。時雨達三人とカラス、そして、村人達は、分家の屋敷の大広間に案内される。
【ホタル】
「怪我の状態を見ますから、怪我をした人は、私の所にいらっしゃってください。」
ホタルは、持ってきていた薬草を取り出し、狼に襲って来た際に、足を捻挫した人や、転んで擦りむいた人などの手当てをした。その間、時雨と氷雨は、村長である銀と縁側で話をしていた。カラスは、眠気の限界が来たらしく、時雨の腕の中で眠っていた。暫くして、ホタルが全員の手当てを終えてやって来る。
【東十朗】
「そうか。狼の神が、襲って来たか。やれやれ、世も末だな。何はともあれ、無事で良かった。」
時雨から事情を聞いた東上朗は、時雨達を労った。
【時雨】
「すみません、暫くお世話になります。」
【東十朗】
「時雨、すみませんはよせ。俺達は家族だろう。遠慮はいらねぇ。子供は図々しいくらいが良い。お前は大人過ぎる。本流の村には、鷹を使って手紙を送り、このことを伝えておこう。」
【時雨】
「ありがとうございます。それと、東十朗様。お聞きしたいことがございます。」
【東十朗】
「ん?なんだ?」
【時雨】
「気術・・・についてです。」
【東十朗】
「・・・、。誰に聞いたんだ?」
空気が変わった。ピリッとはりつめた空気。いつも、陽気で人懐っこい笑顔を向ける東十朗が、この時は、ばかりとても怖いくらい真剣な目をしていた。お腹の奥がひんやりとし、開けようとした唇が小刻みに震え、時雨は、東十朗の質問に答えるのを躊躇ってしまう。時雨が、モゴモゴと口ごもるのを見て、東十朗はため息をつく。
【東十朗】
「まぁ、いいさ。どうせ、上住さんが変なことを吹き込んだんだろう。気術については、俺が勝手に語れるもんじゃねぇ。五月雨と相談をして言うか決める。だから、それまで、待っていてくれ。」
そう言うと、東十朗は用事があるらしく家を出て行ってしまった。時雨は、そっと息を吐く。東十朗の様子を見て、聞いてはいけないものを聞いてしまったような気がした。自分の手を見ると、まだ小刻みに震えていた。氷雨は、時雨と東十朗が話している間一言も声を発することは無かった。しかし、東十朗が去った今、氷雨はゆっくりと話始める。
【氷雨】
「・・・二人とも、悪かった。ごめん。オレがあの道を選択したがばっかりに、皆を危険な目に合わせちまった。俺がいるから大丈夫といっておきながら、俺は・・・。」
ホタルが狼に襲われた時、一体オレは、何をしようとした?狼の前に丸腰で、ホタルと共に死ぬつもりだったのか。もしあの時、時雨が来なかったら、オレは何もできずにホタルをと共に殺され、村人も殺されていたかもしれない。七歳の時から何も変わっていない。時雨に強さで勝つこともできず、皆を守ることもできず、こんなんで、父ちゃんのようになんて、とてもなれない。父ちゃんから、雲海の名を引き継ぐことなんて、夢のまた夢・・・。
【氷雨】
「あの時、時雨の言う通り、あのまま進んでいれば、こんなことにはならなかった。くっ・・・うぅ・・・。ふっ・・・。」
涙が溢れ落ちる。自分が不甲斐なかった。なんで、どうして自分はこんなにも、弱いのか。悔しかった。溢れた涙は止まることを知らない川のように頬を流れ続ける。体が小刻みに震えて自分では、もうどうすることもできないなかった。時雨とホタル、二人はこんな自分を見て、どう思うのだろうか。恥ずかしくて、情けなくて、いっそのこともう、何も言わず、自分を見捨てどこかへ行って欲しいとさえ思った。しかし、そんな氷雨の思いをよそに、時雨は、言葉を発した。
【時雨】
「泣いてはダメだ。」
【氷雨】
「え?」
時雨は、ゆっくりと、優しい言葉でしかし、力強く思いのこもった声音で話す。
【時雨】
「泣いては、ダメだ。兄上。上に立つ者は、決して涙を見せては、ダメだ。悔しいことも、辛いことも、自分のことが嫌で嫌で許せなくなることだってあるだろう。だけど、上に立つ者は決してその弱さを周りに見せてはいけない。さもないと、周りにいる皆が、道に迷ってしまう。不安になってしまう。だから、上に立つ者は意地張ってでも、背伸びしてでも、自分が迷ってる姿なんて、見せちゃいけない。大丈夫。兄上が道に迷うことがあれば、ワタシや、ホタルが兄上を助けるよ。兄上は、一人じゃない。ワタシに、ホタル、一平にネネ、皆、兄上の見方だ。父上だって、きっと一人じゃ本流の里の長なんて、できなかった。でも、父上には母上や、東十朗様がいて支えてくれる人がいたから、きっと今まで本流の里を守って来られたんだ。兄上には、ワタシ達がいるだろう?だから、泣くのはやめるんだ。それに、謝る必要なんてないよ。兄上。あのまま進んでいたとしても、安全に行かれたとは限らない。ぬかるんだ箇所があって馬や、人が足を滑らせ、転落する可能性も、狼がに襲われる可能性だって捨てきれなかった。それに、今こうして、皆大きな怪我もなくここの村に辿辿着けたのは、兄上があの時、あの道を選んでくれたおかげだ。」
時雨は、優しく笑う。
【ホタル】
「氷雨様、あの時、来てくれて、ありがとう。あの時、氷雨様が私のところにきて、狼の前に立って、私を庇おうとしてくれてなかったら、きっと私は狼にすぐに襲われていて、今、ここにいなかったかもしれないわ。命を省みずに、私を助けに来てくれて、本当にありがとう。」
ホタルも笑う。
【氷雨】
「二人とも・・・。ありがとう・・・。」
本当に悔しかった。弟に助けられて、諭されて、許嫁に気を使わせて、本当に自分は情けない男だ。だけど、
【氷雨】
「オレは、この先何があったとしても、お前達を必ず守り抜くと誓うよ。もう、二度と・・・涙を見せることはない。もう二度と、皆をこんな危険な目に合わせたりはしない!・・・この命に変えても、絶対に・・・。オレは、父ちゃんの後を継いで立派な雲海の名に恥じない男になる。」
氷雨は、感極まった様子で、言葉につまりながらも一生懸命に自分の思いを語った。
【時雨】
「うん!兄上だったら、絶対大丈夫!」
【ホタル】
「・・・。」
時雨は満面の笑みで頷いた。しかし、その隣でホタルは複雑そうな顔をしていた。
それから、時雨、氷雨は二人で一つの部屋をホタルは、一人で一つの部屋を村人とは別に用意され、眠りにつくのだった。三人が眠りに着いた時にはもう日が西の山に沈みかけていた。
あれから、どれくらいの時間が経っただろう。時雨は、氷雨と同じ部屋でぐっすりと眠っていた。夜通し行われた狼との戦いは、十一才の少年達には大きな試練だった。疲れ果て、夢もみたいくらいの深い眠りに落ちていた二人だったが、不意に何か冷たいものが顔にかかり、驚いて飛び起きる。
【時雨】
「つ、冷た!!!!」
ビックリして、飛び起きたは良いが、目の前はまだぼんやりとしていてよく見えない。しかし、少しずつぼやけた世界がはっきりとしてくるにつれ、時雨の目の前には、両手に竹筒を持って悪そうな笑顔をした一平が立っていた。
【一平】
「はっはっはー!オイラは、この村の時期村長になる男、五十嵐一平《いがらしいっぺい》様だ!お前達、オイラの前で無防備に寝るとは・・・いい度胸だな。水鉄砲くらえっ!」
一平は、布団の中にいる二人目掛けて水鉄砲を噴射した。
【時雨】
「うわー!!!!!!」
【氷雨】
「つっ、つめてぇー!な、何しやがる!!!」
【一平】
「へへーんだ!他人の家で呑気に寝ているのが悪いんだよ!」
状況が飲み込めずその場でポカーンとする時雨とは対照的に、氷雨は違った。
【氷雨】
「ふ、ふふふふふ。オレの名は、東氷雨。本流の村から来た、時期村長になる男だ。このオレに喧嘩を売るとはいい度胸だぜ。貴様、食らえ、枕砲撃!!!!」
【時雨】
「今さっき、聞いたようなセリフが・・・。」
時雨はボソッと呟いた。
【一平】
「おい、お前、お前は何て言う名前なんだ!」
一平は、時雨に指を向けて聞く。
【時雨】
「ワ、ワタシもやるのか!」
【一平】
「そうだ。さもなくば、もう一発、水鉄砲食らわせるぞ!」
【時雨】
「もー!・・・えーと、ワタシは!」
時雨が言い終わる前に氷雨が時雨に話しかける。
【氷雨】
「時雨!」
【時雨】
「なんだよ!そこは、最後まで言わせてくれよ。兄上。」
しかし、氷雨は、時雨のことはまったく気にしない様子で平然と言う。
【氷雨】
「時雨、この状況、2対1で、こっちに分がある。オレが合図したら、援護しろ!一気にかたをつけよう。」
【時雨】
「兄上、ワタシもう、ついて行けないよ。」
【氷雨】
「何、言ってんだ!勝負する前から諦めて、どうする!勝敗ってのは、最後まで分からないものだ、弟よ。」
【時雨】
「いや、そう意味じゃないんだなぁ・・・。」
そこへ、タイミングよくホタルが部屋に現れた。
【ホタル】
「あっ、二人とも、起きた?」
【一平】
「お前は、誰だ?」
【ホタル】
「あ、私は、本流の村から来た雪峰ホタル。そこの二人とは幼馴染みよ。よろしくね!」
【時雨】
「ホタルもノリノなんだ。」
時雨は、力なく笑う。
【ホタル】
「二人とも、お風呂に入って来たら?銀様が、お風呂沸かして、着替えを用意してくれたの。昨日、森で狼と戦ったから、もう体中、泥だらけでしょ?服も汚れちゃってるし、お洗濯するから、早く入って来てね。」
【時雨】
「おー、それは、ありがたい。」
【氷雨】
「ふん!お前、シッペーとか言ったな?」
【時雨】
「まだ、やるんかい。」
氷雨は、一平を睨みつける。
【一平】
「オイラの名前は、イッペーだ!」
【氷雨】
「イッペーでもシッペーでも、どっちでも良い。とにかく、勝負は風呂から出てからだ!」
【一平】
「おぅ!おいらん家の風呂はバカみたいに広いから、楽しいぜ!」
【氷雨】
「おおお!本当か!時雨、風呂だ風呂!風呂に行くぞ!!」
氷雨は、時雨の手首を掴むと、御風呂場に急ぐ。
【時雨】
「もう本当に、ついて、いけないよーーーー!!!!!!!!!!!!!」
読んでいただき、誠にありがとうございました!(。-人-。)
シリアスなシーンと、楽しげな日常シーンが今まで登場してきましたが、実は、私的には、シリアスよりも、楽しいシーンを書いている方が好きだったりします笑(*´-`)




