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【時雨の里】  作者: 有馬波瑠海
【第二章】狼ノ神の守りし森
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【狼の神が守りし森】

 こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。


 初めての小説投稿、初めての連載です。(*´-`)


 趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)


 今回は、そんな私が書く【時雨の里】その第六話目です、、、。 

 ここは、断崖絶壁(だんがいぜっぺき)に面した森の中。肩に小波を乗せた時雨(しぐれ)氷雨(ひさめ)、ホタルの三人は三十人ほどの本流の村人を引き連れ、その断崖に面した道を大きな米俵を抱えた馬を引きながら、東の里を目指し帰り道を忙しいでいた。


【ホタル】

「ふふっ、沢山物が売れて、良い取引が出来て良かった!お米がこんなに沢山!これで、なんとか今年の冬を越せそうね!」


 ホタルは嬉しそうに言う。


時雨(しぐれ)

「そうだね!遠出をして、大きな里まで行って良かった。ワタシたちの村は、土壌が潤っていて、野菜を作るのにも、近くに海があるから、海の物にも起伏(きふく)困らないけど、地形のが激しいから、お米だけは作れないからね、、、。」


氷雨(ひさめ)

「でも、魚、貝、野菜が予想以上に沢山、お米に変わったなぁ、、、。村で待っている皆もきっと喜んでくれるだろうな。」


【カラス】

「カァー!カァー!」


時雨(しぐれ)

「小波、静かに!兄上、ホタル、そろそろ、狼が出ると言われる場所だ。注意して行かないと。」


亜仁馬(あにま)雨打(ゆた)

時雨(しぐれ)様、大変でぃ。馬に縛り付けてた俵が落ちそうなんでさぁ。」

 

 東の里で、馬借をしている二十四才の雨打(ゆた)だ。


時雨(しぐれ)

「分かった、見てみよう。兄上、ワタシは列の後ろを見張るから、兄上は前を。」


氷雨(ひさめ)

「おう。それじゃあ、ホタル。お前はオレ達の側から、離れるなよ。」



【ホタル】

「、、、はい。」



 そして、暫く歩くと、道が少しぬかるんだ道に出る。


氷雨(ひさめ)

「皆、止まれ!」


 氷雨(ひさめ)が後ろに続く村人に言う。全員がその場で止まる。


氷雨(ひさめ)

「ここの道は、ぬかるんでいるな。足を滑らせて、谷底へ落ちたら、大変だ。迂回するぞ!」


 と、氷雨(ひさめ)は、後ろの集団に声をかける。しかし、村人達は不安の声を漏らす。


雨打(ゆた)

時雨(しぐれ)様、どうするんでぃ?本当に、迂回するんでっか?」


須郷六作(すごうろくさく)】 

時雨(しぐれ)様、迂回していては、夜になっていまいます。」


 六作は村で野菜を栽培してい二十七才の男で、妻が二年前に病死してから、男で一つ、家族一人息子の利作(りさく)を育てている。今回は、他の里に野菜を売りに行くために同行を決意した。東の里からその里に行くには、一日かかるため、まだ七才である息子の利作は本流の里の本家である時雨(しぐれ)氷雨(ひさめ)の家で預かってもらっている。


時雨(しぐれ)

「あぁ、、、。そうだなぁ。兄上。どうやら、ぬかるんで、いるのは、ここだけみたいだ。ほら、道の奥の方は、土が乾いているよ。」



氷雨(ひさめ)

「いや。こっちの地帯は、さっきまでの雨のせいでぬかるんでいる可能性が高い。この場合は、迂回するのが得策だ。」


時雨(しぐれ)

「しかし、兄上。迂回していては、時間がかかり過ぎる。夜までに山を下りないと、狼が出る。」


上住(かみすみ)壱五郎(いつごろう)

「若様方、ここいらの山は、狼の神が納める山。そこいらの狼と同じように考えてはなりませぬ。ここの狼は、普通の狼とは比べ物にならないくらいに大きく、人間に対しては残酷なまでに牙を剥きます。(あなど)ってはなりませぬ。よく考えて道をお選びください。」

 

 上住(かみすみ)は、今年還暦を迎えた男で、その年齢にふさわしい豊富な知恵を持ち合わせて、おり、五月雨や東十朗の相談役を(にな)っている。


雨打(ゆた)

「なんでぃ、上住(かみすみ)さん。ここいらの狼は、人では()れないというんですかぃ?」


上住(かみすみ)

「さてさて、どうかな。東の里には、昔から東剣術という伝統の術があり、深い森の中で暮らすワシ等をこの剣術は、狼や熊などから守ってくれた。しかし、この東の剣術には"気術(きじゅつ)"が使われていない。」 


時雨(しぐれ)

「気術?」


上住(かみすみ)

「そう。侍が使う剣術も忍びが使う忍術も、全て術と呼ばれるものには"気術"が根本にある。"気術"とは、この世に存在する気を使った術のことであり、忍びが使う気術を忍術と呼び、侍がこの気術を使うとそれを剣術と呼ぶのだ。気とは、動物や、物や、自然の中にも存在しており、"気術"とはそれら全てに流れる気を使う術のことよ。気術を使うことができれば、人知を越えた能力を扱うことができ、中には、火や水を扱うことができる|(やから)もいるという。本流の長、雲海(うんかい)の名を継ぐ、五月雨様。そして、清流の長、威風(いふう)の名を継がれた東十朗様もその一人でおられる。」


氷雨(ひさめ)

「父上達が!?でも、そんなこと初めて聞いたぜ。」


上住(かみすみ)

「五月雨様と、東十朗様は、若かりし頃に甲賀の忍びと交流をしていたことがありましてな。その時の甲賀の忍びに気術を教えてもらわれておった。しかし、忍びが使う気術は、忍術。人を殺すための殺人術に他ならない。人を簡単に殺めることができる気術をお二人は、自分達以外の村人に教えるか大変迷われた。東の里は、太古の昔より戦や争いとは無縁の暮らしをしてきたのでな。結末を言えば、お二人は気術を自分達以外の村人には教えなかった。噂では、お二人によって選ばれた何人かは、秘密日にこっそりと気術を教わったのではないかという話もあったのだが、息子である若様方が、知らないのだ。それはなかろう。お二人は、殺人術である気術を誰にも教えないという結論を出された。その背景には、気術を使わなくとも、今までの歴史から、今の東の暮らしを守っていける確信があったののだろう。しかし今、世の中は混沌としておる。何百年と他の村や里に場所を知られずに生活できていたワシ達の里もいつ、里の場所が見つかりどこぞの城に攻めこまれるか分かるまい。まぁ、話を戻しますと、そんな混沌した時代に合わせて神もまた不浄のものへと変わってきてしまった。豊かな自然と共に生きてきた神々は、人間と交わることなどなかった。しかし、時と共に、人間は山や森を荒してきた。人間達が行った戦で流された多くの人間の血や、戦いで破れた人間達の憎しみが豊かで美しいはずの山や森を汚し、そこに住まう本来清らかであるはずの神をも不浄のものへと変えつつある。すると、人間に対して何も手を出すことの無かった神が人間を襲うようになってしまった。ここの山を守る狼の神もまた、その一つ。気術も使えない人間が、戦って勝てるのか、今のワタシには分かりませぬ。」



挿絵(By みてみん)

https://34716.mitemin.net/i517924/


 その場に少しの間沈黙が落ちる。


雨打(ゆた)

「ひ、氷雨(ひさめ)様、どうするんでぃ?」


 雨打(ゆた)は不安そうに聞く。氷雨(ひさめ)は少し考えて決心したように言う。


氷雨(ひさめ)

「、、、迂回(うかい)しよう。」


時雨(しぐれ)

「兄上、、、。」


 時雨(しぐれ)は、不満と不安が混じった顔をした。


氷雨(ひさめ)

「ぬかるんだ場所で馬が足をとられ谷に落ちたりすれば、せっかく買った米が台無しだ。大丈夫。たとえ狼が出たとしても、オレやお前がいるんだ。なんとかなるさ。」


時雨(しぐれ)

「し、しかし、、、」


氷雨(ひさめ)

時雨(しぐれ)、オレは将来、村長になる男だぜ?任せろよ!ついてこい!」


 そう言うと、氷雨(ひさめ)は、迂回路に入って行ってしまう。時雨(しぐれ)とホタルも諦めて、その後に続いた。


 迂回路(うかいろ)は、木の葉が生い茂っているた、道には雨水が垂れなかったようで、土は乾いていた。しかし、その、道のりは遠く、迂回する頃には、すっかり日が暮れてしまった。


 すると、遠くの方で、狼の遠吠えがした。


【ホタル】

「お、狼の鳴き声だわ!」


時雨(しぐれ)

「皆、松明に火を灯すんだ!いくら神でも、狼は狼だ。狼は、火を怖がる!」


氷雨(ひさめ)

「よし、オレは、先頭を。時雨(しぐれ)は、列一番後を見張ってくれ。」


時雨(しぐれ)

「分かった。」


 時雨(しぐれ)は力強く言う。


氷雨(ひさめ)

「ホタル、お前は、オレの近くにいるんだ。」


【ホタル】

「は、はい。、、、。分かったわ。」


 時雨(しぐれ)が、列の一番下がってから、暫くして、


【小波】

「カァー!!!カァー!!!カァー!!!」


 小波がけたたましい鳴き声で鳴いた。すると、列の中央に向かって木々の間から、何びきもの黒くて大きい影が襲いかかる。馬が驚いて暴れ、村人達は大混乱に陥った。


雨打(ゆた)

時雨(しぐれ)様!氷雨(ひさめ)様!恐ろしくデカイ狼が来やした!とても、じゃねぇーが、追い払えねぇ!」


 氷雨(ひさめ)は、とっさに振り返り、列の真ん中に飛びかかろうとする狼に向かって、松明を投げつける。そして、その松明は見事にその狼に命中し、当たった狼は苦しみもがいた。


時雨(しぐれ)

「皆!!!刀を抜け!!!!狼を自分の間合いに近づけるな、ちょっとでも隙を見せるな!あっという間に三枚におろされるぞ。」

 

 時雨(しぐれ)は、低い声で冷静に言う。時雨(しぐれ)の冷静で落ち着いた声に、村人は我に返る。すぐさま、馬を落ち着かせると、全員腰にさしている刀を抜き、迫り四方八方から迫り来る狼へと刀の刃を向けた。

 

 そんな中、氷雨(ひさめ)は、その間に列の真ん中まで走って行く。そして、その氷雨(ひさめ)を待ち構えていたかのように一匹の狼が氷雨(ひさめ)に覆い被さるように飛びかかる。氷雨(ひさめ)は、その狼目掛けて腰の刀を突き立てる。すると狼は、すぐに絶命した。


【???】

「きゃー!」


 誰かの声が聞こえる。


 列の先頭を見ると、この群れを率いる長であろう一際大きい狼が、ホタルに飛びかかろうとしている。


氷雨(ひさめ)

「ホタルーー!!」



 氷雨(ひさめ)は、狼に刺さった自身の刀を抜こうとするが、刀は、狼の体に食い込んでいて抜けない。狼は、もうすぐそこまでホタルに迫っている。氷雨(ひさめ)は、刀から手を離し、ホタルの元へかけより、身一つでホタルの前に立ち、狼と対峙する。狼の鋭い眼光(がんこう)が二人を(にら)みつける。


【ホタル】

氷雨(ひさめ)様!危ない!!!」


 熊よりも大きいその狼は、真っ黒に鈍く光る恐ろしい爪と牙を()き出しにして、容赦(ようしゃ)なく氷雨(ひさめ)へと飛びかかった。



 読んでいただき、誠にありがとうございました!(。-人-。)


 氷雨と時雨、対照的な双子ですね。よく双子座といえば、性格も顔もそっくりなんていう話をよく聞きますが、【時雨の里】に登場する東兄弟は全く、正反対な性格をしていますね、、、活発で破天荒な氷雨と、大人しくで慎重派の時雨は、どうしても考え方が合いません。しかし、それでも喧嘩にならないのは、根本的に二人の性格は素直で優しいところにあります。一見、全く違うように見えるこの二人も、根本的なところは結構似ているのです、、、。

(。-人-。)、、、。



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