【 風魔の忍び 】
【大守勝宗】
「東の忍方、すまぬことをした。ワタシはこの城の大守勝宗である大守勝宗だ。そして、この者達は、風魔の忍びの者達だ。風魔の忍びは昔からこの城と関わりがあってね、よく仕事を依頼しておって、友好関係を結んでいる。しかし、甲賀の忍びとは実は、少し色々とあってね、この者達は、そなた達が、狐の面を持っていたので、甲賀の忍びと勘違いしたのだ。どうか、無礼を許して欲しい。」
大守勝宗は丁寧に、東の少年達に詫びを入れた。
ワタシ達はあの後、泡を吹いて倒れた風魔の忍を抱えて、部屋に戻った。そこには、右目に縦傷の入った自分達と年齢が同じくらいの忍の少年と、髪をお団子に結んだ、くノ一の少女がいた。
一平と兄上の話によれば、右目に傷をおった忍びは、一平を突然矢で攻撃してきたそうだ。その後、二人とその忍びで一触即発になりかけた所をこのくノ一が止めに入ったと言っていたな。
【里潤】
「殿。謝る必要なんて、ねぇーですよ。こいつら、甲賀の忍びじゃないにしても、甲賀と何らか関わりがあるにちげーねぇ。じゃなきゃ、狐の面なんて、持ってる訳がねぇ。昔から、動物の面を被ったり、文字を背負ったりして、戦うのは、甲賀の忍びの文化だけらな、なぁ、そうだろう?」
【一平】
「えっ・・・?そうなのか!」
一平は、明るい口調で答える。
お面を被る文化が甲賀の忍びにあるというのなら、もしかしたら、師匠は、自分の兄と姉を殺っていないのかもしれないと・・・。師匠ではなく、甲賀にいる他の忍びが兄と、姉を殺したのではないだろうかと・・・。
【里潤】
「ほらみろよ、殿?こいつら、何かかくしてるにちげぇーねぇ。」
一平は、しまったと思う・・・。時雨と氷雨がこちらを冷たい目で見ているのが見ないでも分かった。
【里潤】
「ムカつくんだよ。その面見てると、あの、甲賀の鬼才と言われた夕暮泡沫とかいうやつを思い出す。見てろよ、あの野郎のすかした顔をいつか、この手で、ぐちゃぐちゃに切りきざんでやる。」
【時雨、氷雨、一平】
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
(師匠、一体、何をやらかしたんだ?)
【大守勝宗】
「やめなさい。里潤。」
大守勝宗は、里潤をなだめる。
【時雨】
「ま、まぁ、今回は、一緒に任務をやらせてもらうってこどで、ワタシは東時雨、隣にいるのは、双子の兄の氷雨。そして・・・。」
時雨も、なんとかその場を取り繕うとする。
【一平】
「五十嵐一平だ!」
【時雨】
「よろしく頼むよ。えっと・・・。」
時雨が言い終わる前に里潤は食いぎみに言う。
【里潤】
「お前達に名乗る名などない。ゆえに、お前達と馴れ合うつもりもない。つまり、お前達は、俺達の敵だ。」
里潤は、冷たく言い放った。
【一平】
(うわーすげー。敵意の三段活用。)
一平は、あまりの里潤の敵意むき出しの態度に何も言えなくなる。しかし、そんな中、氷雨は里潤に怒りながら言った。
【氷雨】
「テメェー!こっちが名のってんのに、失礼だろ!?」
しかし、里潤は、何も言わずそのまま部屋を出て行ってしまった。里潤が去って、部屋に残る風魔の忍びは、二人。
【乙梅】
「私は、賽目乙梅だ。よろしくな。」
柔らかい口調とは、裏腹に男っぽい言葉使いをするその少女は、そう挨拶をした。それに続いて。
【影丸】
「俺は、鳳凰影丸。同じく頼む。だが、勘違いするな。名を名乗ったのは、私情よりも、任務を優先するため。名を知っていた方が、良いからな。それゆえに、俺達はお前達を仲間と認めた訳じゃない。それに・・・。」
影丸は、時雨を睨み見る。
【時雨】
「は、はい。」
【影丸】
「俺に、頭突きを入れたこと、永遠に忘れない。」
【一平】
(うわー。コイツ、根に持つタイプだ。面倒くさ。)
【時雨】
「それに関しては、本当にすまなかった。」
時雨は、手を揃えて、恭しく頭を下げた。影丸は、ひどく驚いた様子だったが、すぐに機嫌の悪そうな様子に戻ると、乙梅と共に部屋を出て行ってしまった。
【氷雨】
「なんだなんだあいつら?」
氷雨は、顔をしかめる。
【一平】
「ってか、師匠、一体何したんだよ・・・。」
二人が呆然とする中、時雨は冷静に言った。
【時雨】
「まぁ・・・何はともあれ、とにかく、まずは任務が優先だ。」
大守勝宗がとても、申し訳なさそうな顔をしていた。
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今回は、里潤のイラストでした!(*´・∀・)ノ
次回の投稿は、来週、土曜日の午前9時です!
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