【紫雲という名づけられた少女】
【前回のあらすじ】
赤ん坊の鳴き声が聞こえ、二階へと上がる時雨と連雨の前に現れたのは、変わり果てた父と母の姿だった・・・。その姿を目の前にした連雨は、発狂しクナイを手に師走へと斬りかかる。しかし、我に返った連雨に目の前にあったのは、自分のクナイが深く突き刺さった時雨の背中だった・・・。その後、時雨の言葉で、平常心に戻った連雨は、まだ生きてる弟を抱いて逃げることを決意し、3人で逃走をはかった・・・。そんな中、城の外で、時雨を待つ氷雨達の前に現れた海に氷雨は、1体1の勝負を挑んでいた・・・。
こんにちは。有馬波瑠海です。(*´-`)
趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)
※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)
今回は、そんな私が書く【時雨の里】その第44話目です!(。-人-。)
姉妹作品【闇に沈む侍】(完結)
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新連載【あやかしの国に渡る少女】連載中
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ーーーーーーーその頃、城の外ではーーーーーーーー
真っ白な霧の中、あちこちからクナイやら手裏剣が飛んで来る。この霧は海の忍術によって出されたモノだ・・・。視界が悪く、氷雨は全神経を集中させて、辺りから飛んで来る忍び具のわずかな音をたよりに、ギリギリの所でかわしていた。
そんな中、耳元で、ブーンという音がし、氷雨はその音目掛けて木刀を振るう。すると、何かが地面へと落ちた。
・・・これは・・・?
氷雨は、海が霧を出してから、一歩も動かずその場にいた・・・。しかし、長時間の緊張からすでに疲れは、ピークだった・・・。
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
息を切らし、氷雨は、その場に片膝をつく。そんな氷雨の様子をまるで嘲笑うかのように霧の中からは、海の声がどこからともなく聞こえ来る・・・。
【海】
「・・・お前、弱すぎて話にならない。何が、俺一人で大丈夫だ。この濃い霧の中、怖くて一歩も動けないか・・・?」
海か少しずつこちらへ、近づいてくる音がする。しかし、氷雨は、一歩もその場から動かない。
とうとう、海は、氷雨の真後ろまで来ると、忍刀を真っ直ぐに氷雨の首につけた。
【海】
「これで、終わりだよ・・・。安心しろ、お前の弟も時期に、お前に行くところに行くことになる・・・。」
しかし、氷雨は、ニカっと笑い、振り向いて海を見た。
【氷雨】
「それは、どうかな?・・・」
氷雨は、木刀を強く握りなおし、海目掛けて一刀を振るう。海は、ほぼ動かずにその木刀を避けた。
【海】
「・・・やれやれ、馬鹿の一つ覚えだな。木刀一本で立ち向かって来るとは・・・。お前、大した忍術も使えないんだろう?そんなんじゃ、忍びとしては、クズなんだ・・・。」
海は、一歩後ろに下がり体制を整えようとする。しかしその時だった・・・
《キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!》
霧の中から少女の悲鳴が聞こえる。海は驚いて悲鳴のした方を見た。
【氷雨】
「・・・よし!」
氷雨は、海が怯んだその一瞬のうちに、海の手に握られた忍び刀を、手で素早く叩き落とす。そして、がら空きになった海の両腕をガッツリ掴んだ。
【氷雨】
「おらぁ!くらえぇーい!東の里、伝統体術、前面頭突きの術だぁー!こらぁ!」
氷雨は、自分の頭を思いっきり、海の頭にぶつけた。すると、海は脳震盪を起こしたのか、フラッと体が揺れる。氷雨は叫ぶ。
【氷雨】
「今だぁーー!一平ーーー!!」
【一平】
「おうよ!」
一平は、何やら目に見えぬ何かを素早く引っ張った。すると、海の体は、動きを封じられその場にたおれこむ。
【海】
「一体・・・何が、どうなっているんだ?」
霧が晴れる・・・。見れば、近くで一人のクノイチ、紫雲も倒れていた。
【氷雨】
「一平とネネ特性の見えない頑丈な糸だぜ・・・。海って言ったなお前。・・・言葉に騙されちゃいけねーよ?単に忍術勝負だけなら、お前の方が全然勝っていた・・・。
見ての通り、俺達は、まだ大した忍術は使えねぇー。お前等みてぇーに、霧出したり、蜂を操ったりなんて夢のまた夢だ・・・。
んだからな、最初からお前達相手に俺一人で戦うわけねぇーだろが・・・。
一平も一緒に戦っていたんだ・・・。この濃い霧に乗じて、一平はこの辺りに糸を飛ばしていた。俺がほとんど同じ場所にいたのは、この濃い霧で動けなかったんじゃねぇー。動かなかったんだ。この霧じゃ、お互いの場所なんて分かりやしねぇー。動いた先であいつの投げる糸に引っ掛かっちまうってこともあり得た・・・。
それと、もう一つ・・・。
さっき、耳元をブンブンと、何が飛んでるのかと思えば、季節外れの蜂だったぜ・・・。 俺は、そこにいるクノイチが時雨に蜂を放つところを見ていたしな。霧の中には、お前以外にも、敵がいるって分かったよ・・・。
だから、じっとこいつらの糸にお前ら虫がかかるのを待ってたんだ・・・。」
氷雨は、ゆっくりとしゃがみこみ、海と目をあわす。
「良いこと教えてやるよ・・・。忍術、剣術、体術と、術とつくものはこの世に沢山あるが、話術って言うのも、立派な術の1つだ。忍びが使うのは単に忍術だけじゃねぇーんだよ。バーーーーーーーーーカ。」
ると、一平が叫んだ。
【一平】
「時雨の脱出口も確保出来たぜ。小波が堀の向こうの木に糸をくくりつけた。後は時雨がこの糸に気づいて向こうから渡って来てくれれば、作戦成功だ!」
小波が誇らしげにカァー!と鳴いた。氷雨は、海と紫雲を立ち上がって、見下ろす。
【氷雨】
「さぁ、もう、観念するこったな・・・。弟は、返してもらう・・・。」
しかし、海は全く動揺を見せずに言う。
【海】
「ふっ。バカだね。これで本当に僕を捕らえたつもりか?」
海は、全身に力を入れて、体に巻き付いた糸をゆるめなんとか隙間を作り抜け出だそうとする。それを一平が必死に糸を引っ張って止める。
【一平】
「くっそ、こいつ。なんちゅーバカ力してやがるんだ。」
ホタルも必死に糸を掴み、引っ張る。細くて頑丈な糸はホタルの手に食い込み血が滲む・・・。
【氷雨】
「バカはテメェーだ!それ以上抵抗すると、死ぬぞ!!」
なんとか糸から抜け出そうとする海の体にも糸は食い込み、体中から血が滲む・・・。しかし突然、海は抵抗するのをやめた。なぜなら、今、まさに自分の首に鋭いクナイが自分の首をかっきろうとしていたからだった・・・。
【泡沫】
「・・・動くな・・・。」
泡沫の低く冷たい声が、響く・・・。
【海】
「・・・戦火の狼・・・。」
海は驚きのあまり、動けない。すると泡沫の後ろからひょっこりと、ネネが顔を覗かせた。
【ネネ】
「皆、お待たせ!」
【一平】
「いやぁ~助かったぜ、ネネ!ありがとよ!さっすがオイラの・・・。オイラの・・・えぇっと・・・。」
一平は顔を赤くして口ごもる。そんな一平を氷雨は冷たい目で見ると冷ややかな口調で言った。
【氷雨】
「何、自分で言って、照れてんだよ。」
【一平】
「いやぁー。へへへへ。」
一平は、照れ臭そうに頭をかく。すると、泡沫は、厳しい口調で言った。
【泡沫】
「お前ら、敵を前にして隙をを見せるな。とっとと、こいつら縛りやがれ!」
その言葉に、びぐっとした4人は、急いで海と紫雲を丈夫な縄で1人ずつ木に縛りあげた。
氷雨は、ホタルの元へ駆け寄る。
【氷雨】
「ホタル・・・。手、見せて見ろ。」
【ホタル】
「・・・大丈夫よ。大した怪我じゃないわ。」
ホタルはそう言ったが、氷雨はホタルの手を見る。するとやはり血で滲んでいた。氷雨は、持っていた手拭いを割いてホタルの傷口に巻いた・・・。
【ホタル】
「ありがとう・・・。氷雨様・・・。」
すると、それを見ていた一平がピューと口笛を鳴らす。
【一平】
「お熱いことで、何よりですなぁ~。」
一平はニヤニヤと笑みを浮かべて2人を見る。
【氷雨】
「うっせぇーな。」
一難去ったとホッとしたのか、一同はいつものように軽口を叩きあう。するとそんな中、縛られたクノイチは、今にも消えそうな声で言った・・・。
・・・アタイを殺しなよ・・・
一瞬にして、その場の空気が変わり、その場にいた全員がそのクノイチを見た。
少女は、物心つく前にこの伊賀の城へと連れて来られ、来る日も来る日も忍術という名の暗殺術を叩き込まれ、7才の時に初めて人を殺した・・・。
年をとった老夫婦だった・・・。老夫婦が営んできた茶屋に、敵国の忍びや侍がよく立ち寄っていたことが上に知られていたそうだ。老夫婦は、その客達が敵国の者だと知らずに入れていたそうだったが、上はそれを信じず幼い少女と少年にその老夫婦を殺すようにと命令した。
少女と少年は、両親に捨てられた孤児を装って、近づいた。老夫婦は、二人を引き取るお、2才年上の少年には、八雲(やくも、)そして、少女には紫雲と名づけ、本当の孫のように可愛がった。
しかし、ある日、紫雲と八雲は老夫婦の飲む茶に毒を入れた。
黒いアゲハチョウが、老夫婦の亡骸の回りをヒラヒラと、美しく舞う・・・。
遺体となった二人の老夫婦を前に、少年はただその二人を見下ろしていた。しかし少女は、心に大きな傷を作り、ずっと泣き続けたそうだ・・・。
その後、少女は多くの人を殺してきた。
そして、もう、疲れてしまった・・・。
【紫雲】
「アタイを・・・殺しなよ・・・。情けは、いらない・・・。」
その場に静寂が落ちる・・・。なぜ自分達とさほど年齢が変わらないであろうこのクノイチの少女が、そんな残酷なことを言うのか・・・。東の者達には分からない。
・・・しかし・・・
・・・おいっ!そう呼ばれ、紫雲は顔を上げる。するとそこには、氷雨と呼ばれた少年がアタシと目を会わすようにしゃがみこんでいた・・・。
【氷雨】
「・・・殺せとか・・・。そんなこと悲しいこと言うなよ。・・・だってお前まだ生きてるんだから・・・。」
氷雨とかいうガキは、悲しそうな顔をして、アタイの顔を覗きこんでこんでいた。
https://34716.mitemin.net/i536285/
読んでくださり、ありがとうございました!(*´・∀・)ノ
いつも、読んでくださっている全ての皆様に心から、感謝いたします!
時雨と氷雨の書きわけについては、第一話でも出ましたが、氷雨は、黒髪、ライオンの尻尾みたいな結い方に、ツリ目。時雨は、銀髪、青目、アーモンド型の目に、下の方での一本結びです。では、じゃあ白雨は?と、言いますと、白髪、青目、タレ目に三つ編みにしようと思っています・・・。(*´・∀・)ノ
ちなみに、次でこのこの章は終了し、次の次の話から。新章に入りますっ!(*´-`)
次回の投稿は、来週、土曜日の午前9時です!
お見逃しなく!(。・`з・)ノ




