【隠蔽された出生記録】
【今までのあらすじ】
年の暮れに里に帰って来た時雨、氷雨、泡沫の三人は、倉庫の中から東の里にまつわる予言の書と時雨と氷雨の家系図が出てくる。古い文字で書かれたそれは、何が書かれているのか、分からないように思えたのだが・・・。
こんにちは。有馬波瑠海です。
(*´-`)
趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)
※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)
今回は、そんな私が書く【時雨の里】その第二十一話目です!(。-人-。)
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【闇に沈む侍】
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ー夜ー
泡沫は、五月雨に呼ばれて客間で酒を交わしながら、小屋での生活について話していた。
【五月雨】
「そうか、そうか、あいつらも頑張っていたのだな。それで、泡沫・・・。お前、倉で何か見たか?」
泡沫は、どう答えるべきか一瞬、迷ったが一呼吸おいてから、倉で見たことを話始める。
【泡沫】
「・・・。・・・はい・・・。五月雨様。今日、倉庫の中でホタルの先祖が書いたとされる予言の巻物とその中に入れられていた。家系図を拝見致しました。」
【五月雨】
「そうか、、、。見てしまったか。お前、あれに何が書いてあるか、分かったか?」
【泡沫】
「はい・・・。全てではありませんが・・・。」
【五月雨】
「そうか・・・。ホタルの先祖が書いたとされる予言の巻物どうりにいけば、この里にはいずれ必ず争いに巻き込まれることになる。それは、時雨や氷雨が17才になる年だと言われている。それまでに、この里を守る方法を考えなくてはいけない。」
【泡沫】
「・・・五月雨様。一つ、お聞きしたいこたがあります。」
【五月雨】
「なんだ?」
【泡沫】
「巻物と供に、出てきた東の家系図では、先に生まれたのは氷雨。そして、後に生まれたのが時雨と書いてありました。つまり兄となるのが、氷雨。そして、弟となるのが、時雨ということになります。確かに、これだけでは一見なんの疑い用もない。家系図です。しかし・・・」
【五月雨】
「・・・。」
五月雨は、一口無言で酒を飲む。
【泡沫】
「東の里では、双子が生まれた際に本当に、先に生まれた子を兄とし、後に生まれた者を弟とするのでしょうか?家系図の裏を見れば、こう書かれていました。双子や、三つ子が生まれた際には、一番最後に生まれた子を長男長女とし、最初に生まれた子を末の子とするようにと書いてありました。つまり、この書かれた通りにすると、後に生まれた時雨は兄となり、先に生まれた氷雨は弟となります。それに、一つ気になることがある。双子は、もちろん皆が皆そうとは限りませんが、数分、数時間しか生まれるのに差がなかった兄弟をどっちが上で、どったが下かなんて、気にしないことも多い。しかし、あの二人は、どちらが兄でどちらが弟かをかなり気にかけている。それに、双子はお互いを名前で呼び合うことが多いこの時代に、時雨に限っては兄上なんて、かなり敬った呼び方をしている。これは、あの二人が生まれてから、周囲の人間が意図的に二人に兄と弟としての立場をよく自覚をさせているかのようだ。これは、一体、どういうことなんでしょうか
」
泡沫は、暫しの沈黙の後、低く静かでどこか物事の真意を確かめるような鋭い口調で問う。
【泡沫】
「時雨が、長男では何か不都合なことでもあるのですか?そう、時雨が、この村の長になっては困る理由が・・・。」
【五月雨】
「流石は、甲賀の忍びだ・・・。今から言うこと絶対に他言無用。決して誰にも言ってはならぬ。」
五月雨は特に驚く様子もなく、単調な口調で言い、静かに予言の巻物に書かれている事実をつらつらと語り始める。
巻物の内容を、五月雨が話終わるのにそれほど、時間はかからなかった。しかし、その内容をきく時間は泡沫にとって、永遠のように長くそして、重い時間だった。
【泡沫】
「そんな。だったら、なぜ・・・まさか!
」
泡沫は、はっとする。
【五月雨】
「本当に、お前は感が良いな・・・。忍びは人に対して情を持たぬと言うが、俺はそうは思わぬ。昔ここにやって来た忍びもやはり、情に熱いやつだった。そして、お前もまた、情深い男だ・・・。あいつらを弟のように可愛がってくれてありがとう。すまないな。今、話した内容は、お前にとって、辛い話になってしまっただろう・・・。」
【泡沫】
「・・・・・・。あいつらは知っているのですか?」
【五月雨】
「・・・・・・。ワタシはこの村の長なのだこの村を里を守っていかなければならない。泡沫。私にとって一番守らなければならない家族は、自分の家族ではなく、里にいるすべての家族なのだ。俺にとって何が一番大切なのか。それはもう言うまでもない。そう、言うまても、ないことななのだ。ゆえに、里の家族を守るためならば、己の家族をも駒にする。それが、里の長というものだ。」
五月雨は、まるで自分自信に言い聞かせるように言った。
【五月雨】
「良いか、泡沫。このことは他言無用。誰にも言うな。分かったな。」
泡沫は、震える拳を握りしめ、深々と頭を下げたのだった。
明け方、時雨は屋根の上に登り、朝日が昇って、来るのを待っていた。時雨は、朝早く起き、里のずっと先にある海の水平線からこうして太陽が昇って来るのを見ているのが好きだった。太陽がもうじき登り始めるだろうという時に、誰かが屋根へと、昇って来る気配がした。後ろを振り向くとそこには、泡沫が立っていた。
【泡沫】
「お前も、ずいぶんと早起きだな。」
【時雨】
「この屋根からは、村全体を見渡すことが出来ます。朝、早く起きて海の向こうの水平線から昇る太陽がこの村を照らして行くのを見るのが好きなんです。まるで、太陽がこの村を夜の闇から村を守ってくれているようで・・・。」
【泡沫】
「お前は、この村が好きなんだな。だが、お前は、この村の長にはなれない。そうだろう?」
【時雨】
「確かに、ワタシはこの村の長にはなれません。ワタシは長男ではありませんから。ワタシは人とは違います。この銀色の髪に青い目、それに昔から生き物の言葉が分かってしまいます。以前、山賊と戦った時、山賊は私を見て鬼だと、化け物だと言いました。きっと、人はワタシを見て普通は、そう思うのでしょう。しかしこの里の人達は違った。ワタシを里の家族として、受け入れてくれた。誰もがワタシを普通の人と変わらないように接っしてくれる。師匠・・・」
【泡沫】
「なんだ?」
【時雨】
「ワタシを弟子にしてくれて、ありがとうございます。ワタシは、この里の家族を守るため、誰よりも強くなります。」
【泡沫】
「そうか・・・。」
泡沫は、屋根を降りようとする。しかし、降りる直前で、振り向かずに言う。
時雨・・・。お前は、迷わないのだな。きっと五月雨が隠している事実を知っても、お前はきっと今までと何も変わらない。強い男だ。だが、それと同時に、なんと空しいんだ。
【時雨】
「それじゃあ、師匠、また、後で・・・。」
時雨は笑う。その笑顔が、泡沫には、ひどく眩しく儚く見えた。泡沫は、そのまっすぐな笑顔を最後まで直視することができず、屋根を下りた。
読んでくださり、ありがとうございました。
(。-人-。)
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