【初日の出の約束】
【今回のあらすじ】
1月1日、まだ日の上がらぬ暗い明け方。泡沫は、縁側に座って忍具の手入れをしていた。そこへ、時雨と氷雨が現れ初日の出を見に行こうと泡沫を海へと連れ出す。海へ向かう最中、泡沫は幼き日に母と弟と共に行った初日の出のことを思い出していた・・・。
こんにちは。有馬波瑠海です。
(*´-`)
趣味での投稿になりますので、のんびりと書きたい時に、書きたい物語を書いていくと思いますので、途中で、あれ?どうしてこんな展開になっちゃうったの?(#・∀・)ついていけないよー?(/_;)/~~ということも出てきてしまうと思いますが、素人が書いた絵日記の延長線だと思って暖かく見守っていただけたら、幸いです。(*´-`)
※イラストは、ある時とない時がございます。あらかじめご了承ください。→あれ?もはや絵日記ですらない?(((((((・・;)
今回は、そんな私が書く【時雨の里】その第二十一話目です!(。-人-。)
次の日のも登らぬ暗い元旦の明け方、泡沫は、縁側に座わり、忍具の手入れをしていた。すると、そこへ時雨と氷雨がやって来る。
【時雨】
「師匠。ここにいたんですね!部屋まで行ったのですが、いなかったので、探しました。」
【氷雨】
「師匠。おはよう!」
【泡沫】
「・・・。こんな朝早く、俺に何かようか?」
【時雨】
「師匠。初日の出を見に行きませんか?」
【師匠】
「悪いな。俺は今、そんな気分じゃないんだ。」
【時雨】
「師匠の気が乗るのを待っていたら、日が昇っちゃいますよ。さあ、さあ。」
時雨は、泡沫の右腕を引っ張る。
【泡沫】
「お、おい・・・。」
【氷雨】
「いいじゃん!師匠ほら、行こーぜ!ほらほら!」
氷雨は、強引に泡沫の左腕手を引く。
【泡沫】
「お、お前達!!あのなぁ・・・。」
【時雨】
「まぁ。まぁ。いいじゃないですか!師匠はこの村に来て、初めての正月ですよ!行きましょう!」
そう言われて、時雨と氷雨に、連れて行かれたのは本流の村の美しい浜辺だった。複雑な入り江になったその浜辺は、誰にも見つかることなく、今の今までこの東の里を守ってきた。
【泡沫】
「海、、、か、、、。」
それは、ずっと昔の記憶、、、。
あれは確か、俺がまだ6つの時だった。母さんは生まれたばっかの幻像を抱いて、初日の出を見に行こうと言って、海に連れて行ってくれた。俺はその時、初めて海を見た。
【泡沫】
「母さん、海って広いね!ずっとどこまでも、続いてるね!この海の先には何があるんだろう?きっと 俺が、ワクワクするものがいっぱいあるんだろうな・・・」
【月夜】
「ふふっ、そうね。きっと、泡沫がワクワクするようなものがたくさんあるわ。」
母さんは、嬉しそうに笑う。
【泡沫】
「本当?そしたら、父さんもこの海の先にいるの?」
【月夜】
「そうねぇ・・・。あの人は、たとえこの海の先にいたとしても、きっとあなたは見つけられないと思うわ。ふふっ。だってあの人、本当に闇に忍ぶのが上手だから・・・。」
母さんは、遠くにある水平線を見つめながら言った。
【泡沫】
「ねぇ、母さん、父さんってどんな人なの?俺は生まれてから、一度も父さんに会ったことが無いんだ。ねぇ、父さんって今どこで何してるの?」
【月夜】
「ふふっ。そうねぇ・・・。自分で会って確かめなさい。いつか必ず会えるわ。」
【泡沫】
「いつか、父さんに会えるの?」
【月夜】
「えぇ。母さんは、嘘をつかないわ。」
【泡沫】
「いつか、家族四人でこの海に来て、今日みたいに初日の出見れる?」
【月夜】
「ええ。もちろんよ。」
【泡沫】
「そしたら、俺は、父さんに会うその時まで、母さんと幻像を守るね!約束する!」
【月夜】
「ええ。ありがとう泡沫。約束ね・・・。」
・・・泡沫、あなたは本当に父さんによく似て、強く、そして・・・家族思いな優しい子・・・
水平線に、太陽が上がる。冬の冷たい空気を暖める暖かい日の光が、三人を優しく包む。三人は、しばらくの間その場でその光に包まれていた。その数ヵ月後、母さんは里の忍びによって殺された。里を裏切ろうとする一人の忍びが、夜中こっそり里を抜けようとするのを母さんは止めた。しかし、止めようとして、結局、母さんはその忍びに殺されてしまった。死の間際母さんは、俺に言った・・・。
【月夜】
「泡沫・・・。ごめんね・・・。4人で、初日の出見るって約束・・・守れなくなっちゃった・・・。でも、母さんは、いつでも、二人のこと・・・見守っているからね・・・」
【泡沫】
「母さん!何言ってるんだ!大丈夫。傷はそんなに深くない。医者に見せれば、絶対!」
俺の話が終わる前、母さんは俺の頬に触れた。
【泡沫】
「かあ・・・さん・・・。」
月夜は、優しく笑う。
【月夜】
「泡沫・・・幻像のこと、よろしくね・・・」
母さんは、そのまま事切れた。母さん、幻像・・・すまない。俺は結局、二人のこと・・・守れなかった。
幻像が戦で死んでから、あの時の母さんの笑顔が幾度となくと頭の中に現れる。母さんが死んで何年も経っているのに、あの時の母さんの笑顔が今もまだ、脳裏に焼きついて離れない。あの笑顔を思い出すために、幻像を死なせてしまった自分をあの人が責めてくるように思えた。お前はなぜ生きているのかと。なんのために生きようとしているかと。そう問われているようだった。
海へつくと、突然ふいに時雨と氷雨が自分の腕を掴んできた。驚いて、二人の顔を見やる。
【時雨】
「師匠・・・。もうすぐ、日が昇りますよ。」
時雨は、嬉しそうに笑う。
【氷雨】
「へへへっ。ここからの日の出は、本当に綺麗なんだぜ。ちゃんと見ててよ。師匠。」
すると、目の前がパーと明るくなる。空が紺色から、鮮やかな紫へと変わりそして、美しいオレンジに輝く。水平線の彼方からゆっくり、ゆっくりと闇を切り開くように昇って来るそれは、この里に朝を伝えるため、暖かい光を灯す。
【氷雨】
「やったあー!初日の出だぜ!」
【時雨】
「綺麗でしょう?師匠!この里の初日の出は・・・。」
【泡沫】
「あぁ・・・。そうだな。」
【時雨】
「師匠。」
【泡沫】
「・・・なんだ?」
【時雨】
「これから、毎年、こうしてワタシ達と一緒に初日の出、見ましょうね!」
泡沫は、ただただ驚いて何も、言えなくなる。しかし、時雨はそんなこと気にしてない様子で、ニコニコと笑いながら、その後も話しかけて来た。二人はの顔を見ながら、泡沫は思う。
母さん・・・幻像・・・。すまない。俺、まだそっちにいけない理由ができてしまったようだ。
予言の巻物・・・。何が書いてあるか全て分かったわけじゃない。しかし、唯一分かったこと、それは、こいつらが、17才になった時この東の里に災いが訪れるということ・・・。その災いがなんなのかは、まだ、分からない。疫病か、飢饉か・・・それとも戦に巻き込まれるか・・・何にしろ、今のこの混沌とした時代に訪れる災いが、笑ってすませられるような優しいものなはずがない。恐らく、死者がたくさん出ることになるだろう・・・。
護れるだろうか?俺に・・・。
いや・・・ そうじゃないな・・・
今度こそは、必ず・・・
三人は、太陽が登り、村を照らしていくのを
いつまでもいつまでも眺めていた。
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読んでくださりありがとうございました。
(。-人-。)
初めて、泡沫と母親の月夜との過去が出て来ました。幼き日の泡沫は、今とは違って喜怒哀楽がきちんとある素直で優しい少年でした。しかし、忍びをしていれば、時に残酷な現実を受け入れなくてはいけない時もあります。日々の辛い現実や悲しい出来事が少しずつ泡沫を戦火の狼と呼ばれるような恐ろしい人殺しへと変えていってしまったのですね・・・。
次回も、是非ご覧ください!(。-人-。)




