デトックス
岩盤浴に行こうと思った。
スーパー温泉の一階受付で費用を支払って、岩盤浴用の衣類を受け取る。
一階の女湯の脱衣所で着替えて、荷物をコインロッカーに入れてカギを左手首につける。
でっかいバスタオルの入った巾着袋に小銭入れを入れて、二階へ上がった。
広々とした施設。
黒い石を敷き詰めた場所、ゴロゴロ岩を敷いてある場所、それから…
「ここが良い!」
ピンクの岩塩の塊を敷いてある場所にバスタオルを敷いて、その上に横になる。
「すごーい。これ欲しい〜」
もちろん持って帰れない。身体がポカポカしてくる間、ピンクの岩塩をもてあそびながら一生懸命目に焼き付ける。
ずいぶん長時間そこにいた。身体中熱くなって、肩こりとかどっかに吹き飛んだ。
「さすがに熱いかにゃ?」
頭ははっきりしていた。
自販機でジュース買って飲む。冷たくて、んまい!
「えーとー」
ベランダに出る。風が涼しい。それでも余りあるくらい身体がほてってる。
白いプラスチックのテーブルと椅子。誰もいない。
ベランダを奥に進んでカウチに寝そべる。
下から吹いてくる風が心地良い。
どへーっと丘にあがったナマコのように脱力してしばし過ごす。
体温がだいぶ落ち着いてきたところで、ベランダから中へ入る。
もう一回寝そべろうかとも思ったが、もう充分だった。
「汗かいたー」
一階のコインロッカーに戻って、今度は温泉で身体を念入りに洗った。
「さっぱりさっぱり〜」
人が少なくて堪能できた。
平日の昼間。仕事をサボった罪悪感はどこかへ飛んでった。
毎日鬱憤がたまってたんだ。
今日のデトックス、大成功!!