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剣の勇者  作者: 様何で太
1/1

剣を残した人

装備を全て付けガチャガチャと音を立てながら歩く

それのぎこちなさだけで素人と丸わかりだ

無駄に綺麗で豪華な装飾をさせて

まさにちんどん屋か 見せ物かと目を疑うが

どうやらただの世間知らずなようだ

「すげえ!」

回りを見て驚いて見上げておろおろして

回りも脇もがらがらな警戒心皆無の態度をしていた

完全に不釣り合いで扱いできんだろうと

誰でもそうみるのに時間はかからない

むしろお荷物だと断りをするだろう

装備だけはいい

そう装備をちゃんと扱うなら

ああはならない

周りの者はすべてがそう思った

中身と装備が釣り合ってないと………


「よう!坊主、初めてかい?

俺が教えてやるよ!付いてきな、」


いかにもなやつが呼び止めて

連れて行った

皆それを見つめていたが声を掛けることは

なかった

何時ものことであった

また他のことで気を使いすぐに

忘れられた


「グホッ!」

倒れてしまう所をかろうじて支えて貰う


「兄ちゃんそれじゃ守りがなってねぇよ!

こう、こうだよ!

やってみな?」

稽古などではない

ただくっついたやつが勝手にやり初めただけだ


「駄目だなあ

そんなガチャガチャさせてるから

動きづらいんだよ!

ほれ、みててやるから全部脱ぎな!

教えてやるよ!」

馬鹿正直に従う

目の前の者を信用しているのか?

脱いだ先には

細いマッチョな男

しかしその細さではあの装備を

扱うには足りない

らしい

きっと手入れも何もかも知らないんだろうな

脱いだ後の動きは悪くない


「なんだ、その方がいいじゃねぇか!

飾りすぎなんだよ!兄ちゃんはよ、」


そう言ったさなか

後ろから横から人が踊り出る

あわてている横で

素早く持ち去る連中

「物取りかよ!

兄ちゃん気をつけろ!」

囲まれて動けないまま

あっという間の出来事だった

そして捕ったらすぐに解散

鮮やかなことこの上なかった


「ああ~やられちゃったかぁー

残念だったなぁ兄ちゃんよぉ

あれにやられちゃもう戻らないぜ!」


まだ茫然自失としているところに声をかけ

肩を叩く

「まぁこれでもっと身の丈に合う奴を

買いな

あんたにゃあれは扱えねぇよ!

遅かれ早かれこうなるのは同じよ!

なぁ兄ちゃんよぉ、

前を向かにゃあいかんぜ、前をよぉ」

小袋を渡しそう言うと

励ました

それでお別れした

思えば僅か一時の間の出来事であった

何もいうこともなかった

これがこの町の日常か………成る程


フン、まぁいいか……

取られた本人はそう思っていた

全く反省はしていない

それどころか予定内とでもいいたげな態度である

取られたのに……

さて、

しかし腰にある剣だけは残った

これだけあれば良いということなのか

最初からそう思っていたんだということか……


連れの奴は居なくなったか

こんなお土産までくれて、あいついい奴だな

そうなんじゃないのか……

この街にしては、だがねぇ


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