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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日のごはん

朝ごはん

作者: 金魚

初めての投稿です。読んでいただけると幸いです。

朝日が顔に当たり、カーテンを引き忘れた事に気づく。

いつもの癖で右手が隣を探り、そこにあるぬくもりに安堵のため息を漏らした。



いつもの時間より少し早いが朝ごはんをつくるにはちょうど良い。

鳴る前のアラームを止め、ぬくもりの残るベッドからそっと抜け出した。



別に料理は嫌いじゃ無いが、毎朝作るほどマメな性格でもない。

それでも今日はつくろうと思ったのは、昨夜言い過ぎた自覚があるせいだ。



知り合って15年。恋人として5年。

同じアパートで3年。

互いに互いを知っていく時期も過ぎて、今ではアイツのことを何でも理解してる…と思ってはいる。



キッチンで洩れてしまった溜息を深呼吸に変えて、小さく気合を入れた。

さあて何を作るかと小声で呟くも、もうすでに作る物は決まっている。


もともと朝はパンかシリアルだったが、ご飯と味噌汁じゃないと物足りなくなったのはアイツの影響が大きい。


お米は昨日のうちにセットされてたから、まずは鍋に水を入れ火にかける。

味噌汁の具は豆腐とワカメ。

白みそで、出汁は市販の素で大丈夫。

目玉焼きよりだし巻き卵。大根おろしがあればなお良い。

納豆は朝より夜派。味海苔はどちらでも可。



アイツの好みを心の中で唱えながら、起床時間と自分の出発時間を計算する。

最後に昨日の残り物とグリルにセットした魚で朝食の完成。


朝食はいつも別々に食べる。

お互いの起床時間も勤務時間も違うから一緒に食べるのは難しい。



最初の内はそれでも頑張って起きてくれたが、味噌汁を飲みながらうたた寝しているのをみて、お互い無理はいけないと改め、俺もアイツを待ってからの夕飯は辞めた。



生活のサイクルが安定すると、仕事もはかどった。

お互い三十路を越え、仕事も任されることが多くなり、忙しい毎日を送っていた。



お互いに寝顔しかみない日もあり。

充実はしているが、その分疲労は溜まっていく。



特に昨日のアイツは酷く疲れた顔をしてた。

仕事が繁忙期のうえ、新人の教育があり、心も体も疲れがたまっていたのだろう。



イライラしての八つ当たりだということは、わかっていたがそれでも頭にきて大人気なく言い返したのがいけなかった。


お互いに退けなくなり、後悔したのは、久しぶりにアイツの泣き顔をみてからだ。



さっさと誤って、慰めろと脳内の俺が攻めるが、俺のとった行動はベッドに逃げ込むことだった。



脳内で情けないアイツが可哀想だと怒る俺と、出て行っちゃったらどうしようと不安な俺が騒いでいるが、結局そのまま寝てしまったのは、俺も余裕がないくらい疲れていたのだろう。



お互いに自分が悪いと思っていても、なかなか謝れない性格であるというのはわかっている。

それでも、いつも最後に謝ってくれるアイツは俺より大人で敵わないと思う。



仲直りはしたいし、謝りたいけど、なかなか口に出せそうにない俺は今日も朝食をつくる。



自分の分を食べて、仕事に行く準備をする。



ベッドをのぞくと、アイツが眉間にシワをよせながら寝ている。

疲労のせいか、なかなか眠れなかったのか、目の下にはうっすらと隈ができてきた。


厳めしい顔も可愛いと頭が沸いたようなことを考えながら、目元に口づけを落とす。




いってきますと小声でささやき、今日はプリン買って帰りますと心の中で誓った。



朝食をみたアイツはどんな顔をするだろう。

俺の目論見が筒抜けのアイツには、またかと呆れられるかもしれない。

優しいアイツはそれでも喜んでくれるか。


ニヤニヤしながらアパートの扉を開け外にでた。


今日も頑張って仕事にいってきます。

ありがとうございました。

アイツ視点もできたら投稿します。短いお話になると思います。NL?BL?どちらがお好みですか?

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