始まりの始まり
色んな小説書いてみたいのでまとめて書いてみます
宜しくお願いいたします
太陽の日照りがアスファルトの地面に陽炎を揺らめかす夏。
桜だった緑樹がどこまでも続くかのように、人生は長い。
その人生はとてつもなく退屈で同じ日々の繰り返し。
何かかわり栄えするような楽しいことはないだろうか。
今は夏休み長期の休みで学校という束縛からの自由。
と言っても、社会で決められたルールの中での自由だ。
趣味はない。友達も最低限しかいない。特技は射的と学問。
好きな人はいないが、音楽は好きだ。自分一人の世界をイヤホンの中で造ってくれるから。
ちょうど今も新しく発売されたCDをスマホに入れて聴いているところだ。
サビの部分に入るという時に不快にも電話の着信音に高揚感を阻害された。
少し苛立ちながらも電話に出る。
「 太陽の日照りがアスファルトの地面に陽炎を揺らめかす夏。
桜だった緑樹がどこまでも続くかのように、人生は長い。
その人生はとてつもなく退屈で同じ日々の繰り返し。
何かかわり栄えするような楽しいことはないだろうか。
今は夏休み長期の休みで学校という束縛からの自由。
と言っても、社会で決められたルールの中での自由だ。
趣味はない。友達も最低限しかいない。特技は射的と学問。
好きな人はいないが、音楽は好きだ。自分一人の世界をイヤホンの中で造ってくれるから。
ちょうど今も新しく発売されたCDをスマホに入れて聴いているところだ。
サビの部分に入るという時に不快にも電話の着信音に高揚感を阻害された。
少し苛立ちながらも電話に出る。
「もしもし」
「もしもし恋次?って何でキレてんの?」
多少の苛立ちで声のトーンが低くなって電話の主に察知される。
「別に...で、なんだよ」
「今、里美ちゃんと澪李ちゃんと一緒に歩いてたら偶然恋次ん家の前に来てさ...」
夏の陽が射し込む窓を覗くと日陰と里美が笑って手を振っていた。
「入っていいぞ」ピッ。
「あざ...」
日陰が何か言おうとしていたが終了ボタンを押して一階に降りた。
玄関の扉を開けると日陰と里美はニコニコしながら何やら大きなカバンを肩に下げていた。
「恋次君、課題写させt...」バタンッ。
ピンポーン!ピンポピンポピンポーン。
ガチャ「うるせぇ」
「つれないことしないで恋次君」
「そうだよ恋次。春休み始まったばっかりなのに課題全部終わらせるお前が悪いんだよ」
「何が偶然だ。必然じゃねぇか」
「私は偶然よ」
俺同様に課題を終わらせている澪李。
結局、部屋に入れてしまい、課題を見せてやるハメになった。
丸い机に三人を囲ませて恋次はベッドの上で音楽の続きを聴く。
再びサビに入る瞬間...
「助けて...」
!?...確かにそう聞こえた。イヤホンで耳を塞いでいるので外部の音ではない。もちろん聞いている曲の歌詞にそんな言葉はない。
スマホの画面を見るとボロボロの服に身を包んだ少女がこちらを見つめていた。
「何だこれ」
思わず声に出してしまい、日陰と里美と澪李がベッドに乗り上げて画面を覗く。
すると少女は日陰と里美と澪李の顔を見回した。
「え...何で...?」
日陰と里美と澪李の事を認識している?カメラ機能か?
里美は恋次の耳からイヤホンを外してスマポからを外した。
「なにこれ?恋次そうゆう趣味?」
「ち違いますRPGです。お願い助けて、魔物がそこまで...」
おかしい...この女の子は日陰と会話した。
「...ここまでだな、さぁこっちへ来い!」
画面の奥から魔物が迫ってきた。
テレレレテレレレテー。
画面は暗転して魔物とのバトルモードに切り替わった。
戦士:恋次。勇者:日陰。魔法使い:里美。カンフー:澪李。
「え、恋次いつの間に名前入れたの?」
「いや、俺じゃない。勝手に」
そう言ってる間に魔物が攻撃を繰り出した。
「あ痛!」
突然、日陰の頬が裂け血が滴った。
「何だこれ...」
「恋次!攻撃攻撃!」
澪李に言われるまま攻撃を選択すると魔物の体力ゲージがみるみる下がって0になった。
「グワアァァ!」
魔物は倒れた。
画面は再び切り替わり少女が表示される。
「ありがとございます。体力がもうゼロに近くて魔法であなた方を召喚した甲斐がありました」
ボロボロの布に身を包んだ少女の説得力は格別だな
「そこで、もう一つお願いします。こちらの世界を救ってください!」
少女からのお願いと共に選択肢が表示される。
◇はい
◆いいえ
「恋次、[はい]はやめとけ、詐欺かも知れんぞ」
俺もそう思うよ。面倒くささ滲み出てるし。
◆いいえ...ポチッ。
「そこをなんとか」
◇はい
◆いいえ...ポチッ。
「か~ら~の~?」
◇はい
◆いいえ...ポチッ。
粘るなぁこの子。
「残念です。他をあたります...本当にいいんですか?」
◇はい
◆いいえ...ポチッ。...あっ。
「ああぁ!やりやがった!」
「何してんの!」
少女は笑顔になって画面から出てきた。
「ありがとうございます!ようこそ、ゲームワールドへ!」
「うわっ!」「きゃあ」「えぇ?!」「そんな馬鹿な!」
小さい画面の奥から少女の腰あたりまで飛び出ている。
「さぁ!こちらの世界へ!!」
少女は両手からこちらに向けて光を造り出した。
キイィィィィイン!!
激しい高周波が部屋中に響き、耳を塞ぐ。
刹那、少女の両手から編み出された光が分かれ、魔法円陣を描いた。
そして、光の速度で恋次、日陰、里美、澪李の身体を通り抜けた。
その眩しさに眼を閉じた。
....................。
まぶたの裏に焼き付くような光が弱まりそっと眼を開く。
「「「「どこだよココ~!!?」」」」
恋次の部屋は跡形もなく、そこは見渡す限りの草原だった。
「ようこそRPGの世界へ!」
四人の後ろから声が聞こえ振り返る。
そこには先ほどのボロボロな少女。
「お前、俺たちに何しやがった!」
「私を助けてくれるって言ったじゃないですか」
指差す先の少女はとても和やかに笑っている。
「あれは詐欺だろ。もとの世界には帰してくれ」
「できないです。魔力切れで城に帰らないと無理です」
少女は少し申し訳なさそうに唇を噛みしめる。だが少し笑っている。
「そんな、それまで帰れないの?」
「えぇと...はい、そうなります...。」
少女は完全にしょぼんとしてしまい笑顔も消えた。
「次の街まであと少しだったんですが、体力が持ちそうになくて...うぅぇ」
ついに少女は手で顔を覆い、しゃがみ泣きをしてしまった。
(どうする...泣いちゃった)(今は帰れなさそうみたいだし)(てか、お城って言ってなかった)(そこで魔力?の供給でもしてるのかな?)
「えぇと、わかった。お城までついて行くよ」
「...本当ですか?」
少し拗ねてるようで少女は嗚咽しながら聞き返す。
「あぁ、いいよ。その代わりちゃんと戻してよ」
「...ありがとうございます...ぅぇ」
少女はぐしぐしと眼をこすり涙を払った。
「自己紹介が遅れました、私は第四代 王姫 グラン=スヴァイと申します」
「え!お姫様!?」
お姫様がそんな身なりの服で助けを求めてきてたのか。
「はい、しかし魔王軍から侵略を受けて強制労働させられて...そこから逃げて来たんです」
「ほぅ.....ということはコイツは...?」
他己紹介が遅れました、彼女は元金獅子紅蓮隊総長の市原里美さんです。
その里美さんは怒りに声を震わせながら地面に土下座しているオークっぽい魔物を指差した。
「その方は私の追っ手です。さっき倒してもらった」
「じゃあコイツに強制労働を?」
追っ手と聞いて声だけでなく肩を震わせ始めた。
「はい、まぁ」
「お、お助けください!命だけは!」
その恐怖を察したのか土下座中のオークは命乞いを始めた。
「こんな可愛い姫に強制労働だぁ?有り金いくらだこら」
「500Gあります...」
「よこせ」
金獅子紅蓮隊総長は姫の慰謝料とかでカツアゲをした。
テッテレー!500Gを手に入れた!
里美の上に浮かぶ恐怖の文面。
「おい、立ってジャンプしてみろや」
チャリン...チャリン...
「はい」
里美は手を出す。
「でも、これがないと後一週間の食費が...」
「知るか」
テッテレー!800Gを手に入れた!
ヤバい、おしっこ漏らしそう...。
お姫様は恐怖で日陰の背中に隠れて時が過ぎるのを待っていた。
「ウゥ...うわあぁ!」
オークは怒りに任せて恐怖の対象に殴りかかった。
ボコッ!オークは倒れた。里美の小銭を握った拳によってみぞおちを殴られたからだ。
テッテレー!恋次は49の経験値を手に入れた!
テッテレー!日陰は49の経験値を手に入れた!
テッテレー!里美は114の経験値を手に入れた!
テッテレー!澪李は49の経験値を手に入れた!
テレレーン!里美はLv.2になった!
「...なんで里美だけ経験値高いんだ?」
「はぁぁ...敵を殺してしまったら多く貰えます」
怯えながら日陰の疑問に答えるグランは両足に力が入らず地面にへたりこんでしまった。
「外の世界は怖いです...。食べ...ないで...」
そう言って、姫は眼を閉じた。
「グラアァァアン!!」
日陰はグランの頭を支えて妙な演出をした。
もちろんグランは死んでない。気絶だ。
デデェーン!グラン=スヴァイは力尽きた!
「弱っ」
里美とオークの一件があったせいなのか街まで歩いてて突っかかってくる魔物は全くいなかった。
「やっとついたな、ここがクラムシティだってさ」
「すげぇな、東京程ではないが」
レンガ造りの歩道に街灯。植木も華やかで東京程の賑わいはないがそれ以上の花があった。
「おい!あ、あれ!」
ジャンケンで負けたグランon the日陰は陳列する壺を見て眼を輝かせた。
パリーン!パリーン!パリーン!
「ごらぁあ!何やってやがる!」
骨董品屋の店主が出てきて日陰を怒鳴る。
「ごめんなさい!弁償します!」
そこに割って入ったのは里美。歩いている間に怒りはおさまったようだ。
「ん?そうかじゃあ...あぁ、やっちまったな高級壺割ってやがるな」
日陰は何やってんだ。突然高級な壺割って...ストレスたまってんのかな?
「うーん、端数ひいては50Gだな...払えるのか?」
俺は驚いた。里美の奴、いったいオークからいくらまいたんだ?と。
「うお、お嬢ちゃん達お金持ちだね。こんな金ひょいっと出せるなんて、ん?」
骨董屋の店主は日陰の背中で伸びてるグランを見て顎を外すくらいの勢いで口を開けた。
「ひ、姫!?何故ご無事で!?いやそれより失礼しました。姫の護衛兵様を怒鳴ってしまいまして!」
店主はどこぞやのオーク顔負けに地面にひれ伏せた。
どうやら姫の拉致はこの街はみんな知っているようだ。
店主の声で店の周りに人だかりがで来はじめた。
「いや、私達は護衛じゃなくて、かくかくしかじかで......」
「そうゆう事でしたか、姫が脱出をして、召喚された方々ですか」
話は伝わったようで市場の真ん中に設置された休憩所に座らされ今までの経緯を話した。
「なるほど、だから大金をもってらしたのか、オークは魔王軍の中でも強いので給料もいい。そいつを殺れば資金ゲットって訳ですね」
しかしこの店主強そうだな、仲間になって欲しいほどたくましい筋肉だよ。
「しかし我々では100人係りでもオーク一匹倒せないでしょうな」
「え?なぜ?そんな筋肉で?」
店主の言葉に疑問が沸く。
「あっはっは、何も知らないようだね。俺は恐らくそこの彼女と取っ組み合いをしても負けるだろうな」
澪李を指差して店主は言った。見た目の通り四人の中で一番力がないのは澪李なのだが店主はそれ以下だと言う。
「だから我々の家の価値は数万G払っても足りないくらいの価値があるんだ。家一件造るのは最低でも三年はかかる」
「じゃあこの金の価値はどれくらいだ?」
そうして、恋次は麻袋に入った金を机に転がす。
「なっ!一、十、百...この街なら一生遊んで暮らせるな、元の世界に帰る時はお土産にして持って帰れそうだ」
店主は眼を丸くして教えてくれた。
「お前達はGの下にZという単位があるのをしらないのか?」
「しらない。なるほど、てことは1Gは一万くらいの価値があるのか」
あまりの大金に恋次も焦り麻袋にすぐになおした。
「それとここら辺に宿屋はあるか?武器屋も必要なんだ」
「あるはあるが...一軒な、怪しい店だが武器屋も経営してるらしい宿屋だが案内しようか?」
店主が言うような怪しい感じの店。って感じは一切ないがな。
「俺はあまりここにいたくない。魔王討伐頑張ってくれよ」
そう言って店主は去っていった。
「さあ、入りましょ」
躊躇ないなぁ里美サン。
散髪屋みたいなガラス張りの扉を忠告無視で開けてる。
「ちょっと話し合いって言葉覚えようぜ」
宿屋の中も別に怪しいなんて感じのない店で普通なんだが怪しい店ほど怪しくないって事なのかねぇ。引き返すなら今かな...
「すいませぇーん」
だから話し合いしようって、もういいよ里美サンの強情には負けたよ。全戦全敗にまたひとつ黒星増えちゃたなぁ。
「あーい、いらっしゃい」
店の奥に通じる仕切りの向こうから出てきたのはハゲチャビンのおじさん。
「宿探してるの、五人一泊一部屋でいいわ」
ほんと話し合いしねぇなぁ里美サン。
「あそこにあるのは武器よね、売ってあるの?」
「え?あっ!あぁ...売ってるよ」
あ、嘘ついてる。心理学に興味あって勉強してた頃思い出すなぁ。
心理学なんて学んだせいで一人で怖い思いするハメになってしまった。たぶん裏でさばくつもりだった品だろうか。
「これはいくら?」
里美はヤンチャやってた頃思い出したのか釘バッドを片手に聞く。
「...30Gだ」
また嘘ついてる。心理学の眼で見なくてもわかる。釘バッドがそんなするかよ。たった今この世界の通貨価値を教えてもらったばかりなのにそんな馬鹿な嘘は通じないだr...
「はい、30G」
あぁ、里美の奴め。少し考えろよ。
ハゲチャビンも驚いてるじゃん。売り物って言ってしまったし諦めて帰ってもらうために高額請求したのに買われちゃったよ。って顔してるじゃん。
「いや里美、釘バッドが30Gは高いんじゃないか?日本通貨だと30万だぜ?」
ハゲチャビンに感ずかれないように肩を組み背を向けて日陰が話した。
「確かに、おいオッサンそれは高いんじゃねぇの?」
キャー里美サンやめたげてー。
売り物の釘バッドでハゲチャビンの顎クイをする里美にはハゲチャビンもときめかないようだ。
「わ、わかった。10Zだ。他に買い手がいるんだ横取りなら二倍で払ってくれ」
次は本音っぽいな。いらっしゃい以降は嘘をつきまくった口は声を震わせた。
「ん、ならしょうがねぇか、そっちにも商売があるんだろう」
釘バッドでの顎クイをやめた里美は1Gを渡し、お釣りをもらった。
「あんたらも何か買う?倍額出せばOKだってさ」
今ここで武器を装備するのは悪くない。
「何があるんだ...って」
なるほど、骨董屋の店主が言ってたのはこうゆうのが出回る所だったからなのか。
そこには勇者が装備するにはふさわしくない非道な道具ばかりだ。
「これ拳銃だよな...RPGで飛び道具って」
他にも映画でよく見る道具が置いてばかりだ。
こんな大きな銃まで...って
「これRPGじゃねぇかぁ!!」
RPGってのはこのゲームではなくて、RPGロケットランチャーの方です。なんでRPGの世界でRPGが出回ってるんだよ!
世界設定どうなってるんだよコレ!?
「何かそれ重たそうね。後々大変そうじゃない?」
「でもコレあったら魔王一発だよ」
里美と澪李の会話が自然過ぎてついていけないよ...
元の世界と違うからって溶け込みすぎだろ...
「俺は普通の剣を装備するよ...」
日陰は陳列している殺人武器の端に置かれた鉄の剣を装備した。
テテテーン!日陰は鉄の剣を装備した!
「あ、これ装備しないと使えないのね」
テテテーン!里美は鼇龕鼬鼈を装備した!
テテテーン!澪李は髑鬻を装備した!
「文字化けしてる!」
やっぱ正規の武器じゃないんだよ二人とも...
ゲームに疎いから文字化けの意味を全く分かっていない。
「澪李は結局拳銃の方にしたのか」
「私、非力だから」
そう言いながら拳銃用の弾を一箱カバンに詰める。
「恋次は何か買わないの?お金沢山あるよ?」
「いや、俺はまだ考えておくよ...」
早く宿に入って頭を整理したい。
今日は色々ありすぎた。
「じゃあ部屋に案内しよう」
ハゲチャビンは奥の部屋から鍵を一つ持ってきて二階に誘導した。
「ここだ、トイレも風呂も完備してある。普通の部屋より宿賃は弾むが問題ねぇだろ」
ハゲチャビンは釘バッドを持った里美の反対の手に部屋番の彫られた鍵を握らせて下の階に降りてしまった。
「やっと休めるのか...」
部屋に入って見ると完敗した。
俺たちではなく超一流ホテルが、だ。
「なんだよこの広さ...」
確かにワンルームなのだがベッドが五台十分な間をとって横一列に並んでいる。テレビはない世界のもののベランダには広い露天風呂、常に流れる軽い音楽。
「まさに癒しの空間だ。今日一日の事を全部忘れられそうだ」
日陰は鉄の剣をベッドの横に立て、その隣のベッドに今まで背負っていたスヴァイを寝かせた。
もう完全に忘れてしまっていたよ。スヴァイの存在に。
「日陰は重たくなかったのか?スヴァイちゃん」
「全然、俺も忘れそうなくらい軽いんだ。ちゃんと飯食わされてたのかなってくらい」
これが人間軍が弱い理由か。
体重がとてつもなく軽い。そのため非力。
「俺は風呂に入ってくるから後はよろしく」
そう言って俺は個室の方の普通風呂に姿を消した。
「なぁ、後お金っていくら残ってんの?」
「えっと...896G900Zよ」
「うわ、すげえ出費したな。拳銃いくらしたんだよ」
「この後恋次の武器も買わなきゃだけどホントに帰るまで持つかな?」
「あれ?澪李は?」
「さっき露天風呂の方に言ったよ。私は見張り役よ」
「別に覗かねぇよ」
「どーだかねぇ、恋愛シュミレーションゲームオタクが何するかわからないしぃ」
「覗きなんて絶対しないよ、女々しいから」
「ふーん、じゃあ入っていくんでしょ、堂々と」
「...バレたか」
「やっぱりかこのっ!」
「ギャー!釘バッドは勘弁して!」
「...あれ?スヴァイちゃんは?」
「ん?消えてる。どこいったんだろ?」
「キャアァァァア!!!」
「あ、個室の方の風呂からだ」
「恋次かわいそ」
ベチャ!と身体濡れたまま全裸で外に叩きだされた恋次の眼には涙が流れていた。
「もうヤダーーー!」
そう叫ぶ恋次の頬は小さな手形がくっきりと残っていた。
一話終わり
読んで頂きありがとございました。
次回作も読んで頂けたら嬉しいです。