負けないから-3
「なななななんで泣いてるの!? おいおい王子様を泣かせたとか、私、何かしたか!?」
「「やーい、王子泣かせたー。罪な女ー」」
「ハモるな、そこ!!」
慌ててシャルロット王子に向き直ると笑いながら泣いていた。
え、キモい…。
「あっはははっ!!」
「あのな…泣くか笑うかどっちかにしろよな…」
「ご、ごめん、ははっ。お母様と全く同じこと言うもんだから。そしたら笑いが」
ロディア女王、だったか。
「…亡き、女王……」
「…………」
「……お迎え、来た…」
扉がゆっくりと開く。
そこには紅い燕尾服に金色の髪の女の人が姿勢正しく立っていた。
「王子、ご無事で何よりです」
「リドリー! 僕、死ぬかと思ったんだよ!?」
「はて? 何のことやらでしょうか?」
「とぼけないでよ!」
どうやら、彼女が手紙の差出人のリドリー、さんらしい。
「少々、嬉しい誤算はありましたが王子が無事ならそれで構いません」
……………。
…そういうことか。
「では王子、参りましょう。大臣達もお待ちです」
「いやいや、説明してよ!!」
「後日にお話します。ならば読み聞かせ風にいたしましょうか?」
「しなくていいよ! いや、して! わからないと思うから!!」
机に置いていたジュースを飲み干すシャルロット王子。
すごい、漫才みたい。
「はぁはぁ……疲れたぁ〜〜…。明日、君を僕の城に招待することするよ。こんな感じで招待することになったけども」
「あ、うん。それにこっちも保護者が来たようだし」
扉が勢い良く開く。
「お前達! 無事だったか!!」
「…紫、うるさい……」
「賑やかになってもーたな」
三戸さん、ホントすいません。
「じゃあ、僕は帰るとするよ。またね!」
と言い、私の手の甲に口付けをして出て行った。
確か、手の甲の口付けって敬意って意味だったよね? あれ? 尊敬されること、私したか?
「さて僕達も帰ろうか、お嬢さん」
タマプリンを箱買いしてもらい、帰ることにした。
なんか、色々疲れた。