異世界調べ
「さてと、まずはその格好をどうにかしないとね」
指摘され、自分の格好を見ると人前ではあまり良くない格好だった。
下着のキャミソールにホットパンツ、特徴の白い髪もボサボサ。普段、引きこもりになのでしょうがない。
「ラティちゃーん! この子の髪を洗ってあげてー!」
「……何故…ラティ…? 杏に任せればいい……」
奥の扉から童女が現れた。
幻想的な栗色の膝丈まである長い髪。白いポンチョに茶色のバルーンスカート。眠たいのか緑色の目が半目になってる。
「杏は今、碧の帝国に潜入中だ」
「そうだっけ…? 記憶にない……それに…紫が…髪洗えばいい……裸のお付き合いっ…」
「なっ!! 何を!!」
「…嘘だぴょん……」
一体、何を想像したのか芯咲さんの顔は真っ赤だった。
何だ、そういうお年頃なのか。
「ダメダメ。この子を洗うのは芯咲君じゃなくて、この僕だよ! だって美少女だよ!? 一生に一度しかないかもなんだよ!?」
反論すべきところはそこじゃないだろ。
「変態発見……でも紫…お小遣いくれたら…やる」
「………千円で足りるか?」
「……足りない…三千円」
「くっ…わかった。さっさと済ませてこい。服はこちらで用意しよう」
あれれ? 私が黙っているうちにすごい話が進んだよ。
まさか、あれか? 綺麗にして海外に売り飛ばされるやつなのか!?
ど、どうする!? 私!
「そんな深く考えなくてもいいよ、お嬢さん。人を助けることは当たり前、それはここの相談所のモットーだからさ」
「…でもお人好しすぎる。それに私のことについて何も聞かないの?」
「それは後でじっくりと」
緋山さんが私に向けてにやぁと笑った。
なんだろう、嫌な予感しかしない。
「…きみ」
「は、はいっ」
「…お風呂…行こう。背中…流し合いっこ」
ぐっと手を引っ張られ、戸惑うまま近くにある社員専用の大浴場に連れて行かれた。
本当にどうなるんだろう、私。
。。。
「…痒いところ…ない…?」
「うん、ない。すごく気持ちいい」
「…よかった」
今、久しぶりにお風呂にはいった。
今まではシャワーだけで済ませていたからね。
「ねえ……きみ…名前は…?」
「名前は…ない」
「……じゃあ、ラティと同じ…」
「え? 同じ?」
振り返ると小さく頷いていた。
「ラティの名前…社長からもらった……ラティ…元々…捨て子…社長に拾われた……だから」
「ふぅーん…ここって相談所だよね。何するの?」
「紅の帝国の住民の…お悩み解決…」
そのままか。
「だけど……それは…表の仕事……普段は裏でいろいろする……」
え? 裏?