表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
涙の帝国Ⅰ 〜入社試験〜  作者: 下松 紅子
第一章 異世界調べ
2/14

異世界調べ

「さてと、まずはその格好をどうにかしないとね」


指摘され、自分の格好を見ると人前ではあまり良くない格好だった。

下着のキャミソールにホットパンツ、特徴の白い髪もボサボサ。普段、引きこもりになのでしょうがない。


「ラティちゃーん! この子の髪を洗ってあげてー!」

「……何故…ラティ…? (あんず)に任せればいい……」


奥の扉から童女が現れた。

幻想的な栗色の膝丈まである長い髪。白いポンチョに茶色のバルーンスカート。眠たいのか緑色の目が半目になってる。


「杏は今、碧の帝国(あおのくに)に潜入中だ」

「そうだっけ…? 記憶にない……それに…紫が…髪洗えばいい……裸のお付き合いっ…」

「なっ!! 何を!!」

「…嘘だぴょん……」


一体、何を想像したのか芯咲さんの顔は真っ赤だった。

何だ、そういうお年頃なのか。


「ダメダメ。この子を洗うのは芯咲君じゃなくて、この僕だよ! だって美少女だよ!? 一生に一度しかないかもなんだよ!?」


反論すべきところはそこじゃないだろ。


「変態発見……でも紫…お小遣いくれたら…やる」

「………千円で足りるか?」

「……足りない…三千円」

「くっ…わかった。さっさと済ませてこい。服はこちらで用意しよう」


あれれ? 私が黙っているうちにすごい話が進んだよ。

まさか、あれか? 綺麗にして海外に売り飛ばされるやつなのか!?

ど、どうする!? 私!


「そんな深く考えなくてもいいよ、お嬢さん。人を助けることは当たり前、それはここの相談所のモットーだからさ」

「…でもお人好しすぎる。それに私のことについて何も聞かないの?」

「それは後でじっくりと」


緋山さんが私に向けてにやぁと笑った。

なんだろう、嫌な予感しかしない。


「…きみ」

「は、はいっ」

「…お風呂…行こう。背中…流し合いっこ」


ぐっと手を引っ張られ、戸惑うまま近くにある社員専用の大浴場に連れて行かれた。

本当にどうなるんだろう、私。



。。。



「…(かゆ)いところ…ない…?」

「うん、ない。すごく気持ちいい」

「…よかった」


今、久しぶりにお風呂にはいった。

今まではシャワーだけで済ませていたからね。


「ねえ……きみ…名前は…?」

「名前は…ない」

「……じゃあ、ラティと同じ…」

「え? 同じ?」


振り返ると小さく頷いていた。


「ラティの名前…社長からもらった……ラティ…元々…捨て子…社長に拾われた……だから」

「ふぅーん…ここって相談所だよね。何するの?」

紅の帝国(あかのくに)の住民の…お悩み解決…」


そのままか。


「だけど……それは…表の仕事……普段は裏でいろいろする……」


え? 裏?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ