08:ダンジョンマスター、アウトローな毎日を送る
それからのオレは、アウトローな毎日を送っていた。
オレのダンジョンに寄生して、ポイントをかすめ取っていた、他のダンジョンマスターを倒して周っていたのだ。
そのダンジョンマスターは、どれもオレのダンジョンに、自らのダンジョンをつなげていたが、オレの感知からそれは壁として認識されていた。
肉眼で見て初めてそこが、他のダンジョンマスターが浸食した領域であると、理解できたのだ。
どうやらそのダンジョンマスター達は、巧妙にその浸食を隠していたようだ。
まあそれはオレが、ダンジョンマスターとして、未熟でなければ気付けたことかもしれないがな。
その浸食領域は徐々に広がりを見せており、そこからオレのポイントが、流れているようにも見えた。
その吸い上げを意識すれば、耐えられなくもないが、オレのポイントを吸い上げているのは、複数のダンジョンマスターだ。
その全てを意識して耐えるのは、容易なことではない。
だが争いの嫌いなオレは、最初は対話による解決を図ることにした。
「こいつらは基本話が通じないんだな・・・・?」
ところが初めは対話による解決を望んだオレだったが、ダンジョンマスターのどれもが、まったく話に耳を傾けることなく、攻撃を仕掛けて来たのだ。
相手はどれもアバターを得ておらず、球体だったので身動きはしなかったが、モンスターをけしかけてきたり、罠を仕掛けていたり、魔法で攻撃してきたりと、ダンジョンマスターらしい攻撃をしてきた。
そして奴らに対しては、ただ坦々と攻撃を仕掛ける存在・・・・そんな感じを受けたのだ。
そのどれもが球体の状態だったので、そうなのかとは思ったが、オレは球体のころからすでに感情は芽生えていたし、対話で解決できたならそうしただろう。
「ダンジョンマスターとは本来そうしたものでございますから・・・・」
それがオレという特殊なダンジョンマスターと、普通のダンジョンマスターとの違いなのかもしれない。
流石にオレと同じダンジョンマスターの、命を奪う際には心が痛んだ。
ただ相手との対話が通じない以上、倒さねばこちらの身にも危険が及ぶ。
残念だがそこは倒す以外の選択肢はなかった。
そしてダンジョンマスターを倒す度に、オレの身長は伸び、成長していくのには驚いた。
まるで倒したダンジョンマスターを吸収して、成長の糧にでもしているような感覚だ。
最終的には13歳くらいの見た目に、落ち着いたのではないだろうか?
天使 HP 3300 Lv56 スキル:浮遊移動 アルティメットデストロイビーム・・・・
その見た目も中性的な感じで、かなりの美形と言えるだろう。
そしてその時オレは、ようやく本来の姿になれた気がした。
そんなオレも成長にしたがい、多くの魔法を習得することができた。
まあ習得した魔法の全てが、神聖系の魔法だったがな。
オレも一応天使だし、そんなものなのだろう。
その中でも隠蔽系の魔法は嬉しかった。
今では頭にある輪っかも、背中の翼も、隠蔽系の魔法で隠せるようになった。
これで現地人と遭遇しても、難なく会話が出来るだろう。
まあ強い魔力を発すれば、解けてしまうのが、その隠蔽魔法の難点だがな。
召喚できるモンスターの種類も格段に増えた。
虫系、ドラゴン系、植物系と、今まで召喚できなかった系統も、召喚リストに含まれていた。
まあ結果的に得られたポイントが3千万ポイントと、想像よりも少なかったのが少し残念だったがな。
そして丁度寄生していたダンジョンマスターを全て倒しきったその時、オレのもとに嬉しい報告が入った。
「鉱山探索に派遣していた者達が帰還いたしました・・・・」
「本当か!? すぐに会いに行こう!」
鉱山探索に派遣していたコボルト、テチチ種のムギとココ、それからその護衛をさせていた、ミノタウロスのミノさんとタウロさんが帰還したのだ。
どうやら何かしらの鉱山を発見したようだ。
「わんわん!! 主誉めて!!」
「ばう! ココも帰還した!!」
「よお~しよし! 偉かったな! 良く帰ったぞ~! ご褒美をやろう!」
オレは鉱山発見の報告を聞くこともなく、ムギとココを褒めそやし、撫でまくった。
「主様! ムギとココは褒美を賜るようなことはまだ何もしておりません!」
そうアルカードには注意を受けたが、彼らと再び会えることこそ、オレには嬉しい出来事だったのだ。
「ぶもぶも! おれ達少し強くなった!」
「おでもだ主!」
そう言いつつミノさんとタウロさんも、マッスルポーズを決める。
見るとその体には、あちこちに傷跡があって、激戦を繰り広げた形跡があった。
そんなに無理をしなくても良かったのに・・・・・
ステータスを確認すると、確かに強くなっているようだ。
「よし! お前たちもよくやったぞ!」
「従魔を無意味に誉めてはなりません主様!!」
アルカードからは叱責を受けるが、オレはもう止まらない。
数年ぶりに帰還した彼らを撫でまくり、褒めそやし、その再会を喜んだのだ。
「それで探索の結果はどうだったのです?」
そうだ。彼らを探索に出した目的を、すっかり忘れていた。
彼らを探索に出した理由は、オレのダンジョンポイントになりそうな鉱山を、発見させることだった。
まあ鉱山なんて、そう簡単に見つかるものでもないだろう。
「主、金鉱見つけた!」
「すごく良い金鉱!」
「それはよくやったな!」
まあそれが例え小さな金鉱でも過剰に誉めてやろう。
そう思った時期がオレにもありました・・・・
「100億ポイントだと!?」
ところがその金鉱を吸収しポイントに変えてみると、なんと100億ポイントもの、超特大ポイントとなったのだ。
こうしてオレは再び巨大な富を手に入れたのだ。
「今日は宴会だ!!」
「ばう!」「わん!」「「ぶもももおおお!!」」
「主様! ダンジョンポイントの無駄遣いをしてはなりません!」
その日は帰還した英雄たちを称えるために宴会を開いた。
帰還した英雄たちには欲しい物を好きなだけ与え甘え倒した。
そしてその数日後、妙なことが起こった。
「またポイントが増えたな・・・・」
どうやらオレの造ったダンジョンが、何かを吸収して、ポイントを増やしているようだったのだ。
それは土から吸収する、虫の死骸や小さな鉱石よりも、得られるポイントが格段に高かったのだ。
もしかしてこれは他のダンジョンに接触して、今度は逆にポイントを奪っているのではないかと思ったが、どうやらそういうわけでもないらしい。
「主・・・どうやらこれは人の仕業のようです・・・・」
すると原因を探り当てたであろうナデシコが、そんな報告をしてきた。
人の仕業? 人間がオレにダンジョンポイントをくれているとでもいうのか?
「原因はこれでしょう・・・・」
「はあ? ゴミの山だと?」
案内されて行ってみると、オレのダンジョンの一部がむき出しになっており、そこにゴミの山が出来ていたのだ。
「主様・・・・どうやらこれは人間が出したゴミのようです。我らが領域にゴミを捨て去るとは、なんという不埒なやからでしょう! すぐに突き止め成敗を・・・・!」
「いや待てアルカード・・・・」
その時オレは初めて、人間の出したゴミが、ダンジョンポイントになることを知ったのだ。
もしかしてこれは、オレにとってはチャンスではないだろうか?
お読みくださりありがとうございます。
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