06:ダンジョンマスター異世界語を学ぶ
あれからナデシコから、異世界語を学び始めたオレは、わずか1ヶ月ほどで、その全てをマスターすることが出来た。
前世のオレは単純な英語を覚えるのにも、四苦八苦していた記憶がある。
だが今のオレは、前世よりも大幅にスペックが、上昇しているようだ。
異世界語には大きく分けて、3種類の言語が存在した。
その3種類の言語が「異世界共通語」「異世界魔族語」「異世界古代語」である。
人間から発祥し、他の種族にも伝わりつつある、「異世界共通語」。
魔族の言語である、癖の強い「異世界魔族語」。
古代から使われ、高位の精霊やドラゴンが使うとされる「異世界古代語」。
どの言語もそれぞれ、方言のようなものが存在し、それが異世界語にさらなる多様性を生んでいるようだ。
だがこの3種類の言語をマスターすれば、だいたいどの種族とも、会話が可能になるという。
勿論他のメンバーにも、異世界語は学んでもらっている最中だ。
特に言語習得に、苦戦していたのは、知力が最底辺のミノさんとタウロさんだ。
彼らに異世界語を習得させるのは、かなりの困難が予想された。
そこでさらに言語習得をスムーズにするために、彼らに対しては、マンツーマンでの授業を開始することにした。
それを実現させるために、さらに2体のスーパースライムを召喚した。
最初に召喚したスーパースライムは、短髪でボーイッシュな容姿となった。
「お前はガーベラだ!」
「このボクが主の役に立ってみせます」
快活で親しみやすい雰囲気を持つ彼女には、ナデシコと同様に花に例えて、ガーベラと名付けた。
続けて召喚したスーパースライムは、ニコニコとした表情の、明るい印象を持つ容姿となった。
「お前はデイジーだ!」
「この私になんでもお任せください」
そんな彼女には、デイジーの名を送った。
彼女らにもナデシコと同様メイド服を与えた。
彼女ら3人とも中学生くらいの容姿だ。
それがメイド服と相まって、愛くるしさを引き立てているようにも感じた。
そしてスライム3人娘の活躍により、ミノさんもタウロさんも、なんとか「異世界共通語」くらいは、マスターすることができた。
そんな異世界言語教育もいまだに進行中ではあるが、彼女らも1日中そんなことをしているわけではない。
彼女らの能力に、スライムの分体を生み出し、そのスライムが受けた情報を、共有するというものがある。
彼女らはそのスライムを使い、オレが感知できないダンジョン外の様子に、目を光らせているのだ。
そうすることで、ダンジョンに侵入しようとする脅威を、事前に察知することができる。
ミノさんとタウロさんは戦闘要員ではあるが、それ以外の時は知力を高めるために、将棋やオセロ、カードゲームに勤しんでいる。
まあオレもそれに混ざって遊んでいるので、オレの世話係とも言えなくはない。
そのためミノさんとタウロさんは、当初よりも知力は高くなり、今では自ら思考して、行動するまでに至っている。
まあ余計な知識を身に着けすぎたせいで、ゲームに勝った時の要求がうるさくなったがな。
ところがこんな新参のダンジョンへの侵入者など、そうちょくちょくは現れない。
たまに現れても、ゴブリンかコボルトの小規模な群れくらいだ。
期待していた冒険者や現地人の侵入も未だにない。
そんな中浪費も重なり、すでに残りポイントも40億を切っていた。
「良い案を得るためにはブレインが必要です・・・・ヴァンパイアはなら知力も高いですし、召喚されてみてはいかがでしょうか?」
そのことをネクロ爺に相談すると、そんな答えが返って来た。
「ブレインならネクロ爺で十分だと思ったのだが、それでは足りぬと?」
「ふぉふぉふぉ! わたくしなど魔法にしか興味を示さぬ老骨にございますよ。ヴァンパイアは謀略にも長けておりますし、ダンジョン経営に関する案を得るには最適の者かと?」
そんなネクロ爺の案を受け、新たにヴァンパイアを召喚することにした。
「お初にお目にかかります主様・・・・召喚していただきありがとうございます」
そう言って現れたのは、非の打ちどころがない程のイケメンだった。
まあオレにはそっちの気はないし、ここにはきゃあきゃあ騒ぐ女子共もいないので、それは淡々とした召喚だったがな。
「お前にはアルカードと名付けよう!」
アルカードはヴァンパイアによく使われる名前で、ドラキュラの英語の綴りを逆にしただけの安直なものだが、響きとしては悪くない名前だ。
「ありがたき幸せにございます主様。それではこれ以降はアルカードと名乗らせていただきます」
アルカードは執事のような恭しい態度で、落ち着いた印象も受ける。
若い見た目に反して、高齢なのかもしれない。
「さっそくだがアルカード・・・・。ダンジョン経営に関するアイデアをくれ・・・・」
こうしてオレはブレインである、ヴァンパイアのアルカードを、配下として得たのだ。
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