08:エピローグ~拠点の移行
程なくしてオレ達は、拠点をリベラック街に移した。
以前拠点にしていた、森のダンジョンの畳部屋は引き払い、現在畳部屋があるのは、リベラック街にある屋敷の中だ。
この屋敷は、領主であるジョゼフ伯爵に借り受けたもので、既にダンジョン化してある。
その敷地内には東側にゴミ処理場があり、距離を開けて西側には雑貨店が建築されている。
これらの管理をアルカードに任せることにした。
アルカードを新たなエリアボスとすることで、街でダンジョン化した場所の、管理を可能にしたのだ。
それは最近見つけた、エリアボス機能によって実現可能になったことだ。
エリアボス機能は、従魔をエリアボスに就任させるとともに、ある程度のダンジョンポイントを渡すことで、一部ダンジョンの管理まで任せることが可能になるのだ。
これによって森のダンジョンと、街のダンジョンを、区分けして管理することが可能になったのだ。
ちなみに森のダンジョンは、ネクロ爺に任せて来た。
つまりネクロ爺は、森のダンジョンのエリアボスとなったのだ。
そして雑貨屋についてだが、今は冒険者に依頼し、その店員を任せるようになった。
それは大きな屋敷を得たことで、その管理をスライム三人娘に、任せることになったからだ。
ダンジョン化させた屋敷は、不自然なほど汚れず掃除いらずとなるが、散らかることは散らかる。
料理をすれば道具が散乱するし、執務仕事をやれば、紙も散乱するのだ。
何か行動を起こせば、それなりに散らかるのは仕方がない。
それをスライム三人娘が、片付けてくれているのだ。
またスライム三人娘には、雑貨屋やゴミ処理場の経営関係も任せている。
書類の管理や計算は、知力の高いスライム三人娘の、得意とするところなのだ。
これらの管理はアルカードも得意なので、彼にも執事として、それらの仕事を任せている。
またゴミ収集の仕事については、当初ミノさんに任せていたが、今は冒険者に任せている。
冒険者に仕事を任せる理由は、この街の経済のほとんどが、冒険者によって回されているからだ。
雑貨屋やゴミ処理場で儲けたお金を、仕事の報酬として還元することで、オレのダンジョンをこの街の経済活動に組み込むのだ。
それによってオレ達はこの街に、必要な存在として認知されるようになる。
ミノさんとタウロさんについては、冒険者をさせている。
それは情報収集も理由としてあるが、彼らの気質から考えて、戦わないでいることは、フラストレーションが溜まる元となるからだ。
彼らは冒険者に加わりモンスターと戦い、そのはけ口とすることで、街の人々とも円満な関係が築けるはずだ。
まあクエストの後は、必ず大酒をあおって帰ってくるので、そこが少し心配ではあるが・・・・
ムギとココにはキナコの護衛を任せた。
キナコは大事なオレの娘でもあるし、ムギとココとは兄妹のように仲が良い。
それにムギとココもそれなりに修行はしているし、戦える・・・よね?
とりあえず心配なので、密かに新たに召喚したシャドウゴーストを護衛につけてはおいた。
シャドウゴーストは影に取り付き、姿が隠蔽できるので、隠れた護衛にはぴったりだ。
その3人は最近、毎日城に通っている。
その3人が城に通う理由は、マリアンヌ嬢と授業を受けるためだ。
マリアンヌ嬢がムギとココ、キナコを気に入り、一緒に貴族教育の授業を受けないかという話になった時に、その3人が快くその話を受けたのだ。
知識欲の高い3人は、毎日嬉々として城に通っている。
今では帰って来る度に、オレの知らないこの国の歴史を、雄弁に語って聞かせてくれるくらいだ。
こうしてオレは、見事全ての仕事を、仲間達に丸投げしたのだ。
そんなオレは屋敷内に造った畳部屋で、ゴロゴロとする毎日だ。
これでは森のダンジョンにいた時とそう変わらないが、最近はカップラーメンなどのジャンキーな食事が、口に入る機会が極端に少なくなった。
「主・・・・昼食の準備ができました」
「ああ。今行くよ」
それはスライム三人娘が、料理の楽しさに目覚め、作るようになったからだ。
そのきっかけは、オレが雑貨屋に並べていた料理雑誌を、彼女ら目にしたことだ。
彼女らはオレに料理本を強請り、今では毎日3食、オレや仲間達の食事を作ってくれている。
その際には必ず食堂によばれ、行かないと機嫌を悪くすることもある。
まさに今の彼女らは、オレのメイドと呼べる存在なのだ。
まあそれ以外でオレが動くことになるとしたら、面倒な貴族との会食か、オレの仲間が対抗できないような、強力なモンスターが出現した時くらいだろう。
こう見えてオレは、破滅の天使という物騒な存在だし、仲間内では一番強いと自負している。
まあ・・・・そんな面倒くさい事態が起こることはますないだろうが・・・・
「主、大変ぶも!! ドラゴンが出たぶも!!」
「なんですと!?」
そんな中、あるクエストに向かったはずのミノさんが、血相変えて屋敷に駆け込んできた。
どうやらオレの予期しない、面倒くさい事態が、引き起こされてしまったようだ。
しかし・・・・ドラゴンって・・・・よりによって、なんでそんなのが出るんだよ・・・・
こうしてオレのスローライフは、再び遠のいていくのであった。
お読みくださりありがとうございます。
このダンジョンマスターに共感を持ってくださった方・・・・
この物語を少しでも面白いと感じてくださった方・・・・
ブックマークと
★★★★★の評価をお願いします!
ご意見や感想もお待ちしております!




