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03:ダンジョンマスター、帰還する

「ごめんね我が娘よ・・・こんな感じでいいかな?」


「わああい! 大きな岩さんが復活した!」


「ぶごごごごおおおお!」


 オレが巨大ゴーレムを再び組み直すと、そのゴーレムは復活を果たした。

 オレの娘はその様子に、ご満悦のようだ。


 巨大ゴーレムはダンジョンの素材によって造られており、修理にはダンジョンの管理権限が必要となった。

 ところがダンジョンの管理権限が、何らかの原因で娘のみとなっており、オレには修理不可能だっために、権限を共有することになったのだ。


 まあその操作でちょっと手間取ったが、なんとか共有することが出来た。

 

 こうしてオレは、無事に娘の巨大ゴーレムを修理することができ、娘の機嫌を取り持つことが出来たのだ。


 その際にオレにも娘の能力が共有され、ゴーレム創造の機能を取得することが出来た。

 そのゴーレム創造も、なかなか興味が尽きない機能であるため、いつか使ってみようと思っている。



「主様・・・・こちら主様の娘であられますキナコ様になります」


「キナコだよ! よろしくね!」


「はあ? なんですでに名前があんの?」


 オレは自分の娘に名前を付けた記憶はない。

 その娘になぜ既に名前があるのだろうか?


「申し訳ありません主様・・・・。キナコ様はわたくしめがつい口にしたキナコという言葉を気に入り、自らの名前にしてしまったのでございます・・・・」


 アルカードの話によると、キナコはその時に今の姿を得たのだという。

 だが天使であるオレの娘なのに、フェンリルの獣人とはどういうことだろうか?


 まあ2つのケモ耳が可愛いので悪くはないが・・・・

 オレはその2つのケモ耳を見つめると、ついにやけてしまった。


 キナコか・・・・なかなか可愛い名前であるし、アルカードもわざとではないようなので許してやろう。


「このお姉たまは誰!?」


 するとキナコがオレを指さし、そんなことをアルカードに尋ねた。

 まあ実際今のオレは、女の子に見えるようだし仕方ないが・・・・


「こちらは女性ではなく・・・・男性でありまして・・・・姫様のお父様になりますリヒト様でございます」


「リヒト・・・・? 嘘だよ! おんにゃの子だもん! お姉たまだもん!」


 どうやらキナコは、オレが男であることが信じられないようだ。

 この見た目だし仕方ないが、それはそれで傷つく。


 だけど「おんにゃの子」だって・・・・なんて可愛らしい間違いだろうか?

 そんな可愛い間違いをされると、もうお姉さんで良い気さえしてくる。


 いや・・・・! オレは男だ! そこははっきりせねば!


「あのねキナコちゃん? オレはこんな見た目でも、一応男の子なんだよ?」


 オレはまるで諭すように、キナコにそう言って聞かせた。


「ふ~ん・・・・。おんにゃの子なのに男の子って変なの!」


 どうやらキナコに、オレが男であることを伝えるのは、大変に難航しそうだ。


「駄目ですよ姫様! こちらのリヒト様は、姫様を生み出されたお父様なのですから!」


 まあ父親なのに生み出すって表現はどうかと思うがな・・・・


「おとうさま? おとうさまってパパンでしょ? リヒトはパパンなの?」


 パパンって・・・・なんでそこだけぶっとんだ呼び方なんだ?


「じゃあパパンでいいや!」


 そういう納得のされかたもどうかと思うが、とりあえず父親であると認識されたからよしとしよう。


「ところでこのボス部屋にいたドクロ爺は今どこに?」


 このボス部屋を守らせていたのはドクロ爺だ。

 そのドクロ爺の姿がどこにも見えない。

 いったいドクロ爺は、職務を放り出して、どこに行ってしまったのだろうか?

 まあ実際に配下のレイスと囲碁ばかりしていたし、まともに職務を遂行している姿を、目にしたことすらないが・・・


「あちらに・・・・」


 アルカードが静かに指さす方を見ると、そこにはバラバラに散乱した、無残なドクロ爺がいた。


「ドクロ爺いいいいいい!!!」


 オレはダンジョンポイントを使い、すぐさまドクロ爺を復活させた。

 ダンジョンポイントを使えば、倒されてしまったモンスターを、再生することも可能なのだ。

 まあアンデットであるドクロ爺は、バラバラになっても死なないがな。

 ってかもう既に死んでるし、死の概念すら曖昧な存在だ。


「ドクロ爺ごめんねぇ! ちょっと顔が怖かったから!」


 そんなドクロ爺に、破壊した本人であるキナコが笑顔で謝罪する。


「いやいや・・・・こんなのどうってことないですぞ!」


 ドクロ爺は力こぶのポーズをしながら、笑顔でキナコにそう言った。

 まあ実際ドクロ爺に表情はないが、ニュアンス的にそう感じたのだ。


 どうやらドクロ爺もキナコには甘々なようで、簡単にその所業を許してくれたよ。

 孫に対するお爺ちゃん的な感じだろうか? 

 

「「「主いいいい!!」」」


 そんな中、懐かしい面々が、オレに向けて駆けてくるのが見えた。

 ムギとココ、タウロさんに、ガーベラにデイジーだ。


「紹介するねパパン! ココ兄にムギ姉! それからガーベラ姉にデイジー姉! タウロさんは・・・よくわかんない!」


 紹介されなくてもすでに知っているが、キナコのその得意げな姿に、つい顔がにやけてしまう。

 あとタウロさんは不憫だ・・・・ってかムギ()・・・・


「ムギ!! お前おんにゃの子だったのかああああ!?」


 その余りの衝撃の事実に、オレの言葉も可笑しくなってしまった。

 ムギはそのオレの言葉を聞いて、ただ顔を赤くして笑顔で頷いた。


 ムギはオスではなく、メスだったのだ。


 そんなわけでオレは、皆の待つ、懐かしの畳部屋に、帰って来たのだった。

お読みくださりありがとうございます。


このダンジョンマスターに共感を持ってくださった方・・・・

この物語を少しでも面白いと感じてくださった方・・・・

ケモ耳は正義だと思った方・・・・


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