03:ダンジョンマスターモンスターを召喚する
03:ダンジョンマスターモンスターを召喚する
「どれどれ・・・・? どんなモンスターが召喚できるんだ?」
オレが召喚できるモンスターの一覧を見ると、次のようなものが表示された。
ゴブリン 200ポイント
コボルト 500ポイント
スケルトン 500ポイント
ゴースト 1000ポイント
スライム 1000ポイント
ミノタウロス 10000ポイント
スライムは赤ちゃんの世話には向かなそうだ。
あらゆるものを溶かしそうな気がする。
スケルトンやゴーストは不気味なので、あまりお世話にはなりたくない。
ミノタウロスはその怪力で、様々な物を破壊しそうなので、世話には向かないだろう。
ゴブリンは器用で世話が出来そうだが、容姿的に却下だ。
どうせ世話されるなら、可愛い方がいい。
すると犬顔のコボルトになるのだが、どう見てもそのビジュアルは可愛くなかった。
ちなみにコボルトは偽銀が生み出せるらしい。
偽銀ってなんだ?
この召喚一覧はモンスターのビジュアルが、立体で表示され、確認することが可能なのだ。
「他にコボルトの種類とかいないのか?」
そう意識すると召喚一覧に、さらに細かいコボルトの種類が表示された。
「おお! いけるんじゃないかこれ!」
そして表示されたコボルトの一覧が以下の通りだ。
コボルト ハウンド種 500ポイント
コボルト シンリン種 3000ポイント
コボルト ダッケル種 2500ポイント
コボルト テチチ種 4500ポイント
まず一般的なコボルトが、ハウンド種という種族だ。
こいつは不気味に目をぎらつかせた、短く垂れた耳を持つ、獰猛そうな感じの顔付きをしている。
身長は人間の成人程はあるようだ。
ゴブリンよりは強く、器用そうには見えるが、あまりお世話されたくないフォルムだ。
次にシンリン種だが、こいつはハウンド種の6倍もお高い。
それはこいつが3メートルの巨体で、戦闘に特化したコボルトだからだ。
ただ怪力なだけで、ミノタウロスとあまり変わり映えしない感じだ。
こいつを召喚するなら、戦闘力がさらに高い、ミノタウロスを召喚した方が良いかもしれない。
ダッケル種はダックスフントに似た頭をしたコボルトだ。
戦闘力はハウンド種より少し高めで、土魔法が使えるという。
身長も1.3メートルと、あまり高くはない。
フォルム的に少し惹かれたが、次も見ておくことにする。
テチチ種は希少種で、すでに絶滅した種だという。
そのためか4500ポイントと他よりお高い。
こいつらには鉱石を嗅ぎ分けるという微妙な能力があるという。
身長は1メートルとコボルト中一番低いのだ。
それもそのはず・・・こぼれそうなほど大きくつぶらな瞳に、愛くるしい表情・・・・
こいつの見た目はどう見ても、あの前世でも大人気だったチワワだったのだ。
戦闘能力は最弱だが、知能が高く、器用さもだんとつの高さだ。
「よし! お前に決めた!」
その容姿に惹かれたオレは、さっそくコボルトのテチチ種を、召喚することにした。
その最弱性能の割に、ポイントはかかるが、可愛いは正義だ。
オレは迷わずそいつを召喚した。
「おお! かわえ~!」
すると2足歩行のチワワが召喚されたではないか。
オレのように赤ん坊で召喚されるのかと、少しヒヤヒヤしたが、召喚獣はちゃんと大人で召喚されるようだ。
服装は原始的な物で、その手はまるで人間ように5本の指がある。
毛色はクリーム色で、麦色のようにも見えた。
「お前はムギだ!」
オレはそのわんこを、ムギと命名することにした。
「わん!」
例えコボルトで一番小さいとはいえ、犬で1メートルはけっこうでかい。
見た目はどうあれその鳴き声は、中型犬のそれだった。
まあそれを差し引きしても、ムギは十分に可愛いがね。
だがそのままでは、どうもムギがみすぼらしく見えてしまう。
可愛いとはいえ、原始人の服はちょっといたたまれない。
せめてポイントで子供服でも、創造してみることにする。
ムギの体のサイズは、どう見ても人間の幼児だからね。
う~ん・・・・ムギにはどんな服が似合うだろうか?
デニムの幼児用オーバーオールなんてどうだろうか?
確か甥に買ってやった記憶があるんだよね。
「わんわん!!」
「うん! とても似合っているぞムギ!」
さっそく幼児用オーバーオールに袖を通したムギは、ご満悦な様子で走り回る。
「よ~し! 次はいよいよミルクを作ってもらうぞ!」
「わん!」
次にオレはムギに、ミルクを作らせることにした。
もともとこれが目的で、オレはムギを召喚したのだ。
「ムギ! これが水だ!」
「わん!」
ムギはミネラルウオーターの入った、ペットボトルの蓋を、非力なオレに代わり開けてくれた。
続けて水をやかんの中に移し、ガスコンロの上に乗せてもらう。
「これがガスコンロのスイッチだ!」
「わん!」
オレがガスコンロのスイッチを回そうとすると、ムギが代わりに回してくれた。
「ムギ! これが粉ミルクだ!」
「わん!」
オレが粉ミルクの缶の蓋を開けようとすると、ムギが代わりに開けてくれた。
こうして粉ミルクとお湯を哺乳瓶に注ぎ、一肌くらいの温度に冷ますのだ。
勿論その過程も、全てオレに命ぜられるままに、ムギがやってくれたがな。
「よし! ミルク完成だ!」
「わん! グビグビ!」
そしてムギがそのミルクに口をつけた。
「お前が飲むんかい!」
「わん!」
ムギは自分が口を付けたミルクを、オレに差し出してきた。
どうやらムギのその行為は毒見であったようだ。
大事な主のオレに、見知らぬものを、飲ませたくはなかったのだろう。
「グビグビ! 美味い・・・ような気がする?」
赤ちゃん用ミルクは、ほのかに甘い味がした。
こうしてオレは無事に、ミルクを作る手段と、可愛い従魔を手に入れたのだ。
「わん! わん!」
「どうしたムギ!?」
するとムギが、ただならない声で鳴き始めた。
オレはその方向に意識を向け、その位置を感知してみる。
するとオレのダンジョンに、ゴブリンの群が侵入しているではないか。
ゴブリンの群はまっすぐに、オレのいる場所を目指していた。
ムギは戦いには向かないし、オレは赤ん坊で戦闘力皆無だ。
このままでは蹂躙されてしまう未来しか見えない。
ここは毛嫌いしていないで、戦闘向きのモンスターを召喚するべきだろう。
「ミノタウロス・・・・お前に決めた!!」
「「ぶもおおおおお!!」」
オレは現在召喚できる最大のモンスターであるミノタウロスを2体召喚した。
「お前達をミノさん、タウロさんと命名する!」
「「ぶもももももも!!」」
オレがミノタウロスに命名すると、2体は歓喜の声を上げた。
「ミノさん! タウロさん! さっそくだが侵入したゴブリンどもをやっておしまいなさい!」
「「ぶもふううう!!!」」
オレの命令を受けた2体のミノタウロスは、興奮しながら、物凄い勢いでゴブリンのもとに向かった。
そしてあっという間にゴブリンの群を、全滅させやがった。
ただこのがさつさでは、現地人に遭遇した時にも、まっさきに皆殺しにしかねない。
彼らには細やかな命令を聞く、知性をつけさせる必要があるだろう。
なんとか彼らに、知能を付けさせる手段はないものだろうか?
お読みくださりありがとうございます。
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