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ダンジョンマスターに転生したオレは、スローライフを満喫したい!  作者: 因幡 龍
第二章 ダンジョンマスターと異世界の街
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10:ダンジョンマスターと領主への手土産

 数日後、領主の城に行くことになったオレは、何を手土産に持っていくかで悩んでいた。

 それはこの国が封建社会であり、領主に招かれた場合、感謝と敬意、そして忠誠心をこめて、手土産を持参することが当たり前だと耳にしたからだ。

 位を持たない平民の場合、貴重な卵やチーズ又は食肉用の鳥を、丸々持っていったりするそうだ。

 ところが市場に行ったところ、それらが販売している様子はなかった。

 そんな中市場でばったりと、ダイソン他青き翼のメンバーに出会ったのだ。


 そこで青き翼のメンバーに、そのことについて相談したのだが、なかなか意見がまとまることはなかった。

 そんな時冒険者ギルド長のラガートが、領主と長い付き合いであることを知ったのだ。

 さっそくギルド嬢のメリーヌをパウンドケーキで買収し、ギルド長のいる部屋へと案内させた。


 ちなみにこの国にも、パウンドケーキはあった。

 高価なので、庶民は滅多に口にできないそうだが、祭りなどでまれに振舞われるそうだ。

 まあオレのパウンドケーキは、ダンジョンポイントで出した、通販の贈答用の物だがな。


「ギルド長~相談にきましたよ!」


「おいおい! こっちゃあ忙しいんだ! 気軽にギルド長部屋に尋ねてくんじゃねえよ! しかもぞろぞろと従魔と青き翼の奴らまで連れて来やがって・・・・」


 ギルド長部屋と呼ばれる部屋に行くと、アガートは柄にもなく、執務に勤しんでいた。


「まあまあギルド長・・・・。リヒトも何も手ぶらで来たわけじゃねえ」


 するとダイソンが話に割り込んできて、そうギルド長に口添えしてくれた。

 ダイソンによるとギルド長は、大の酒好きのようだ。

 しかも無類の珍しもの好きだという。

 そこでここらでは珍しい部類に入る、日本酒を片手に尋ねて来たのだ。

 もちろんその日本酒は、オレのダンジョンポイントで出したものだ。


「なんだこりゃあ? 本当に酒か? 見たことのねえ色合いをしていやがる・・・・。しかもガラス瓶に入っているところをみると相当高級な品じゃねえのか?」


「それは日本酒といいます。米という作物から造られた酒です」


「コメ? 聞かねえ響きだな? もしかして異国の酒か?」


「はい。遥か遠くにある異国の物です」


 遥か宇宙の彼方か、違う次元かは知らないが・・・・


「はあ・・・・。相談ってのは何だ?」


 ラガートは日本酒を受け取ると、諦めたようにそう尋ねてきた。

 やはり珍しい酒には、目が無いようだ。


「今度領主の城に行きますよね? 手土産には何を選んだらいいですか?」


「何だ? バーバラお前も貴族家の者だったよな? リヒトに教えてやらなかったのか?」


 オレがアガートに尋ねると、アガートは青き翼のメンバーである、魔術師のバーバラに話をふった。

 バーバラが貴族家の人間であるというのは初耳だ。


「私は幼い時に実家を出た・・・・。それから実家には顔を出していない。だから貴族の常識は知らない」


「はあ・・・まったく・・・・。鳥でも一羽用意すればいいだろ?」

 

 やっぱり一般人の手土産は鳥か・・・・。

 でもその鳥が市場に出てないんだよね。


「待て待てギルド長! リヒトは異界のアイテムを召喚できるんだぜ? その能力を使わないでどうするんだ!?」


 オレにとっては、ダンジョンポントで出せる物の方が、手軽でやりやすい。


「なんだそりゃあ? もしかして異界の武器や装備が呼び出せんのか?」


「えっと・・・・。オレの知る異界には、戦闘自体まずないので、武器や装備は必要ありません。なのでオレが出せるのはだいたい趣向品や生活用品が多いんです」


 オレが異界と称して呼んでいるのは、前世で済んでいた日本だ。

 日本には銃などの武器はあったが、オレは実物を知らないので、創造することはできない。

 出来てモデルガンくらいだ。

 モンスターとの戦闘などない日本では、武器や装備はまず必要ない。


「何だそりゃあ? そんな平和ボケしたアイテムしかねえダンジョンに誰が来るってんだ?」


 アガートは呆れながら、そう口にした。


「ギルド長よう・・・・。そのリヒトがくれた酒も・・・リヒトが出した異界の酒なんだぜ?」


 ダイソンが、デスクに置かれた日本酒を指さしつつそう言った。


「なに!? まじかダイソン!? 酒が出るんなら・・・・行く奴は多いかもしれねえな・・・・」


「お酒だけじゃないよ! リヒトは異界の甘味だって出せるんだよ!」


 さらにモニカがアガートに意見する。


「こりゃあ・・・・一度リヒトのアイテムを一通り見分してみねえことにゃあ判断がつかねえな・・・・」


 アガートはそう言うが、あまりポイントの無駄遣いはしたくない。

 そこでオレが出したのは、駄菓子詰め合わせだ。

 駄菓子詰め合わせは紙の宝箱に大量の駄菓子が入った商品だ。

 チョコレート、ゼリー、スナック菓子、飴・・・・それこそ色々な種類のお菓子が味わえるのだ。

 駄菓子詰め合わせはネットで探せば、2000円以下のものだってあった。

 クリスマスにはよく購入していたのを思い出す。


 それに加え果物缶詰セットだ。

 果物缶詰セットは、安く多くの砂糖漬けの果物を、味わうことが可能だ。

 みかん、モモ、ライチ、ナタデココなどが入っている。


 またスーパーの安物ケーキもいくつかチョイス。

 苺ショートケーキは勿論、シュークリームにプリンにチーズケーキなどだ。


 後は通販のお肉総菜セットだな。

 冷凍の上に安くて少しずつだが、ハンバーグにウィンナー、酢豚にコロッケ、肉団子と、数々の総菜が食せるのだ。

 お酒も安物だが色々出して見た。

 赤ワイン、白ワイン、ロゼ、ウイスキーに日本酒などだ。


 しめて1万ポイントと、少し消費したが、相談料と思えば安いものだ。

 それを参考に同じ種類の高い物を、ポイントで創造すれば、領主への贈答用になるのではないだろうか?

 

「うお! この黒いの物凄く甘くてカリッとしていて美味いぞ!」


「そいつはチョコレートですね・・・・」


「私はこのショートケーキこそ至高と断じます・・・・」


「君はぶれないねナデシコ・・・・」


「おいが口にできるのは酒ぐらいぶも」


「酒にするならこの赤いのと白いのがいいぞ。飲みつけている味がするし、いつも飲んでいるものよりも濃いが、味は悪くない」


「白ワインと赤ワインですか? ロゼではだめなんですか?」


「ロゼとやらの味は悪くないが、色が当たり前すぎるんだ。ぶどう酒に使うぶどうの色は様々で、一定ではない。白から紫まで、その色の濃さも数もまとまりがないんだ。なのにこの赤ワインは色の濃い物だけを使っているし、白いのは色の白い物だけを集めて使っている。こんな酔狂な酒を造るのはそれこそ大金持ちのお貴族様だけなんだぜ?」


 つまり赤ワインと白ワインはその色が珍しいと?

 世界が変わればその常識も変わるものだ。

 でもこの世界にもぶどうはあるようだ。


「ギルド長! 贈答用にするならこの砂糖漬けの果物はお勧めですよ!」


「メリーヌ・・・・お前いつからそこにいた? 受付の仕事はどうした?」


「それはリアムに任せてきました! それよりもギルド長ばかり珍しいご馳走を頂いて狡いです!」


 仕事を押し付けられたリアム・・・・ご愁傷さまです。

 ちなみにメリーヌさんには、オレがここの厨房で、総菜の湯煎解凍をしようとした際に、色々と試食していることがバレてしまった。


 まあおかげで貴重な意見は色々と聞けたがね。

 結局皆の意見を参考にした結果、手土産には、白ワインと赤ワインの詰め合わせと、果物缶の詰め合わせを持っていくことになった。


お読みくださりありがとうございます。


このダンジョンマスターに共感を持ってくださった方・・・・

この物語を少しでも面白いと感じてくださった方・・・・


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