14:ダンジョンマスター冒険者をもてなす
「う~ん・・・・。冒険者のもてなしに出すとしたら何がいいだろうか?」
オレは台所でもてなし用の料理について思案する。
もてなすと言ったはいいが、オレは料理はあまり得意でない。
だが言った手前後には引けない。
用意できるとすれば、湯煎した冷凍食品や、揚げるだけの簡単な唐揚げなどだ。
あとは食後にデザートなどを出せば、なんとかもてなす形には、なるのではないだろうか。
さらに冷えたビールやワインなども出した方がいいだろう。
食事には炭水化物も必要だな・・・・それはパンにしておこう。
オレは思いつく限りの出来合いの冷凍食品を、ポイントを使い創造した。
ビールはいつも、クーラーボックスの中に氷を入れて冷やしてあるので、それを出せばいい。
この冷やしたビールは、主にミノさんタウロさんの、ご褒美用のものだ。
ミノさんとタウロさんはビールも大好物だからね。
ついでにワインやパン、お菓子などのデザートも、ポイントを使い追加で創造していった。
ジュ~ バチバチ・・・・!
さっそく唐揚げから、アルカードに手伝ってもらいながら、油で揚げていく。
「こちらの肉を油で煮るという発想はなかなか面白いですね」
「煮るんじゃなくて揚げるんだけどな」
アルカードのその言葉から、この国では揚げ物が、一般的でないことが予測できた。
前世において唐揚げは、万人受けする食べ物だったが、果たして異世界の人々には受け入れられるだろうか?
「湯煎するだけの料理というのは手軽で良いですね」
用意した湯煎料理のほとんどが、レンチン専用の冷凍食品ばかりだ。
レンチン専用の冷凍食品の中には、湯煎して美味しく頂けるものも多いのだ。
おもに料理が出来上がっており、湯煎して器や皿に盛りつけるだけという、簡単なものを選んだ。
そんなわけで今回選んだメニューが、ハンバーグに牛筋煮込み、シュウマイ、焼き鳥などだ。
それらの料理は、前世でもよくネットで購入していたものばかりなので、味に間違いはないはずだ。
肉ばかりだと栄養が偏りそうなので、サラダセットもいくつか創造しておく。
パンはバターロールを大量に創造して大皿に積んでおいた。
バターロールはコンビニでよく購入していた物だ。
そしてお酒には、ビールはすでに冷やした物があるので、ワインだけを創造しておく。
デザートにケーキやプリン、ドーナツやチョコレートを創造していった。
これで料理の準備は完了だ。
「それじゃあ皆! 料理をお客さんのところに運ぶよ!」
「承知いたしました・・・・」
「わん!」「ばう!」「「ぶももも!!」」「「「かしこまりました」」」
最後に畳部屋で待っている青き翼のメンバーのところに、皆で協力して料理を運んだ。
畳部屋には座卓があるので、料理は座卓の上で、皆で囲んで頂くのだ。
「見たことない料理ばかりだが・・・・本当に食えんのか?」
青き翼のメンバーのところに料理を運ぶと、ダイソンからそんな感想が漏れた。
ダイソンは料理を目の前にしても、まだ懐疑的な様子だ。
「失礼な・・・・食えない物なんて出しませんよ」
「でもどれもすごく良い匂いだよ!」
「見るより実・・・・まずは食べてみよう・・・・むぐ」
そう言って最初に料理に手を出したのはバーバラだった。
バーバラが口に運んだのはシュウマイだ。
「むぐむぐ・・・・」
「どうだバーバラ、味の方は・・・・?」
「・・・・・・何これ・・・・美味すぎる!!!」
バーバラはしばらくシュウマイを咀嚼した後に固まり、その後目を輝かせながらそう口にした。
「もちもちふわふわの皮の中に、肉汁たっぷりの肉が詰まっていて溢れて来る! これなら何個でも食べられる!」
「な、なんだと!? そ、それじゃあ俺はこれだ!」
そう言ってダイソンは、恐る恐る唐揚げを口にする。
文句を言いながらも、ずっと目は釘付けだったし、唐揚げが気になっていたのだろう。
「うんめええええ!! なんの肉だこりゃあ!? 外はカリッとしていて中はジューシー!!」
「それは鳥の肉だよ」
「そうか! 鳥系モンスターの肉か!」
「そんなとこ・・・・」
異世界に鶏がいるかわからないので、無難にそう答えておく。
「このパンなんてふわふわで最高だよ!!」
それを皮切りに、青き翼のメンバーは、次々と料理を口に運び出した。
「酒も冷えてて最高だ!!」
「この甘いの何!? めちゃくちゃ美味しいんだけど!?」
「それはショートケーキ・・・・私も好物・・・・」
そう言いつつ手の平の上に、シュートケーキを乗せて、溶かし始めたのはナデシコだ。
溶かされたケーキが、手の平に沈んでいく様子は、いつ見てもシュールだ。
「それ何してんの・・・・?」
「捕食している・・・・」
「捕食?」
「ナデシコはスーパースライムなんだよ。だからそうやって溶かして物を食べるんだ」
「えええ嘘!? どう見ても人間の女の子だよ!?」
「スーパースライムといやあ人間に擬態して人を誘い込んで、襲って捕食する恐ろしい魔物だったはずだ・・・・。まあダンジョンの最深部にまともな人間なんていないわな・・・・」
「このシュートケーキの味を知ったら、他の物なんてもう食べられない・・・・。最後にこの赤い実を溶かすところが至福・・・・」
ナデシコは無表情ながら、幸せそうな気配を漂わせながら、そう口にした。
「ムギはこの唐揚げ好きわん!」「ココもばう!」
「わいらはサラダとビールさえあればご馳走ぶも!」「右に同じぶも!!」
そしてうちのモンスター達も、冒険者に混ざって食べ始める。
モンスターと人間が、入り交ざって宴会をしている様は、平和な感じがして、なんだか感動的な光景だね。
「これ飲食店でも開いたら大うけだぜ!?」
「そしたら毎日通うかも!?」
飲食店か・・・・それもいいかもしれないな。
てかオレ、ダンジョンマスターだから飲食店はちょっと無理か?
「うお! 何だこの化け物たちは!?」
そのタイミングで、気絶していたデニスが目を覚ました。
「おうデニス! この酒最高だぜ!」
「飲むぶも!!」
するとデニスの前に、すっかり仲良しになった、ダイソンとミノさんが肩を組んで現れた。
「うおおお! ダイソンがミノタウロスと仲良くなっとる!!」
そんなデニスも料理や酒を口にして、その味に驚愕しているうちに、いつの間にか、皆と仲良くなっていったがね。
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