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12:ダンジョンマスター正体を明かす

 ウィンウィンウィン・・・・・ガタ~ン!!


「うお! なんだこりゃあ! 昇降機か!?」


 ダイソンが地面の大穴から上がって来た昇降機に驚愕する。

 

 荷馬車に乗っていた大量のゴミは、途中で投棄しているので、すでに荷馬車の積み荷は、ガラガラになっている。

 そのため今はダイソンが御者を務める荷馬車に、全員が乗り込んでいる状態だ。

 ちなみにデニスは、いまだに目を覚ましていない。


 初めて乗る荷馬車の上は、ガタガタで乗り心地最悪だった。

 ダイソンと会話しながらだったから、何度舌を噛みかけたことか・・・・


 ナデシコが意外にも、青き翼の女性メンバーに溶け込み、会話をはずませていたのには驚いた。

 それとは対照的に、ガーベラとデイジーは今も彼らと距離を置いている。

 彼女らはいまだに冒険者たちに、警戒心を抱いているのだろう。


 現在オレたちは冒険者パーティー、青き翼のメンバーを安全な場所へと案内するために、昇降機のある場所まで来ていた。


 勿論安全な場所とは、オレの造ったダンジョンの、深層部にある畳部屋のことだが、そのことはまだ、青き翼のメンバーには伝えていない。


「もしかしてこの昇降機・・・・ダンジョンに通じている?」


 だが青き翼のメンバーの中には、すでにその昇降機が、どこに通じるかを勘付いている者もいるようだ。

 その昇降機はダンジョンの最深部にある、オレの畳部屋の近くにある、隠し部屋に通じているのだ。

 ただその昇降機は、オレが操作しないと、その穴から上がって来ることはない。

 しかも普段はその穴も閉じられ、地面と見分けがつかないために、まず見付かることはないだろう。


「よくわかりましたね? この昇降機はダンジョンの最深部につながっているんですよ」


 オレは彼らにその昇降機の行き先を暴露した。


「おいおい! ダンジョンの最深部といやあ、ダンジョンで最も危険な階層じゃないのかよ!?」


「安全な場所に向かうんじゃなかったの・・・?」


「そうだよ! なんでそんな危険な場所に向かうのさ!?」


 すると青き翼のメンバーが、怯えながら抗議をしてきた。

 

「安心してください。ここ・・・オレのダンジョンですから」


「はあ!? ここがリヒトの嬢ちゃんのダンジョンだあ!?」


 リヒトの嬢ちゃん(・・・・)


「リヒトちゃんが何を言っているのか全然わからないよ!」


 リヒトちゃん・・・・?


 二人がオレに対して、ちょっと引っかかる呼び方をしていたが、まずは彼らの誤解を解くのが先決だろう。


「実はオレ・・・ここのダンジョンマスターなんですよ」


 そこでオレは彼らに、オレの正体を暴露した。

 正直に話して安全であることを証明した方が、後々トラブルも少ないと思ったからだ。


「はあ!? ダンジョンマスターといやあ、レイドを組んで倒すようなダンジョンのラスボスのことじゃねえか!?」


「それ本当なのリヒトちゃん!?」


「あの強さなら、それも有り得る・・・・」


 すると彼らはオレに怯え、警戒し始める。


「まあまあ。落ち着いてくださいよ。オレ、悪いダンジョンマスターじゃないですから。そもそも貴方達に対して敵意があったら、オークの群から助けたりなんかしませんから」


 まあ敵意があったら、あのオークともどもセイントセイバーの餌食にしている。

 それにこの昇降機は、オレのお気に入りの畳部屋に通じている、隠し部屋への最短ルートでもある。

 敵意があったらとても連れてはこない。


「まあ・・・確かにそうかもしれねえがよ・・・・。リヒトの嬢ちゃんはオレ達の命の恩人でもあるし、嬢ちゃんの使用人の2人はともかく、敵意のようなものはまったく感じない・・・・」


 え? 後ろの2人? もしかしてガーベラとデイジーのことか?

 そう思って後ろに振り返ってみると、確かにガーベラとデイジーは険悪な空気を、醸し出していた。


 こらこら! やめなさい君達!


「あ・・・それとオレ男だから!」


 オレは彼らが勘違いしているであろう、オレの性別についても誤解を解いておく。

 まあもともと無性ではあるが、オレの中身が男である以上、オレは自らが男であるという主張はしておく。


「はああああ!? その顔立ちで男かよ!!」


「嘘! 信じられない!」


「女の子みたい・・・・」


 するとダンジョンマスターであると暴露した時よりも驚かれた。

 解せぬ・・・・


「それでは皆さん、この昇降機に乗り込んでください!」


 そして気を取り直したオレは、改めて彼らに、昇降機に乗ることを勧めた。


「馬と荷馬車も一緒に大丈夫なのか?」


「もちろん平気ですよ!」


 この昇降機は馬の重量にだって十分に耐える構造だ。

 さらに重量のあるミノタウロスが2体乗ったて平気なのだ。


「それじゃあ遠慮なく・・・・」


 ダイソンはそう言うと、馬の足を昇降機の上へと進ませた。


「それじゃあ昇降機を下ろしますよ!」


「おう! いってくれ!」


「ダンジョンの最深部楽しみ!」


 そして昇降機は、徐々にダンジョンの下層に向けて降下を始める。

 この昇降機はオレが意識すると、徐々に下層に向けて降りていく仕様だ。

 スイッチとかレバー方式にも出来るが、特別な物なので、ダンジョンマスター以外は、操作出来ないようにした。


「だがこの森に未発見のダンジョンがあったなんて驚きだったぜ」


 昇降機が降下を始めると、ダイソンがそんなことを口にした。


「え? このダンジョンって未発見だったんですか?」


「ああ・・・・。この森にダンジョンがあるなんて誰も知らねえ」


 衝撃の事実・・・・オレのダンジョンは未発見のダンジョンだったようだ。

 道理で今まで一人として、冒険者が来なかったわけだ・・・・


「未発見のダンジョンの報告には報奨金も出るんだよ!」


「その名前にパーティーリーダーの名前が付くこともよくある・・・」


「よせやい! ダイソン迷宮なんて勘弁してくれ!」


 確か仮説上の人工構造物に、そんな名前があったような・・・・

お読みくださりありがとうございます。


このダンジョンマスターに共感を持ってくださった方・・・・

この物語を少しでも面白いと感じてくださった方・・・・

それはダイソン球だ! と思った方・・・・


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