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10:冒険者パーティー青き翼

 第三者視点~


 ガタガタガタ・・・・


 荷馬車の車輪の音が、周囲に木霊する。


 その日依頼を受けた冒険者パーティー、青き翼のメンバー4人は、いつもの森を目指していた。

 彼らが運んでいる木の荷馬車には、多くのゴミが積まれていた。

 そのゴミは主に街で出た物である。


 彼らが今回受けた依頼は、街で出たゴミを、深い森の奥へと投棄するという内容なのだ。

 森でのモンスターとの遭遇率は高く、危険なため、その依頼には高い報酬がついた。


 彼ら冒険者は、そんな危険な仕事を生業とする、生存率の低い仕事なのだ。

 

「おいお前ら! もうすぐ森に入る! 気を引き締めろ!」


 森が見え始めると、パーティーリーダーであるダイソンが、皆にそう激を飛ばす。

 彼は盾役担当の戦士で、いつも大盾を背中に背負っていた。

 武器は帯剣しているショートソードだ。

 大柄で頭を丸め、スキンへッドにしており、逞しい黒々とした肌が特徴だ。

 パーティーの中では最年長で、冒険者としての経験も長く、リーダーとしては申し分ない人材である。


「警戒する程かダイソン? あの森の入り口付近で強敵といやあオークくらいだろ?」


 そう無警戒な発言をするのは、剣士のデニスだ。

 彼はぼさぼさの髪をした青年で、剣の腕だけは自信があった。

 武器は帯剣しているロングソードだ。

 冒険者としての経験はまだ浅く、無警戒で危険な状況を、軽視する傾向にあった。


「馬鹿だなデニスは・・・・。そんなんじゃ冒険者として長生きできないよ?」


 そう口にする軽装の彼女は、斥候のモニカだ。

 彼女は弓矢を背負い、短剣を携帯している。


 いつも髪型をポニーテイルにしており、長身でモデルのような体系をしている。


「デニスの短慮は今に始まったことじゃない・・・・。そのぶん周囲が気を使う必要がある。だから今日の食事当番もデニスが引き受けてくれる・・・・」


 ローブを着用し杖を持つ彼女は魔術師だ。

 いつも冷静な彼女は、青い髪を短めに切りそろえている。


 魔術師は冒険者でも貴重な存在で、多くの知識を有しているため、その人気は高い。

 そんな彼女が得意としている魔法が風の魔法だ。

 風の魔法は索敵能力に優れ、攻撃が見えづらいため、その有用性は高い。


「んでそうなんだよ!」


「2人ともデニスをからかうのはそれくらいにしておけ! 今回は森の様子が少しおかしい! いつもよりも警戒を強めにしておけ!」


 そして彼らは森へと足を踏み入れた。


 そんなダイソンの勘も的中し、森へ侵入した彼らは、徐々に森の脅威に追い込まれていった。


「ちっ! すでに囲まれていやがる!」


「いつもここを通るから、きっと待ち伏せされたんだよ・・・・」


 気付けば何かに周囲を取り囲まれていたのだ。

 

「オークか!?」


 その存在はデニスが軽視していたオークであった。

 オークは知能も高く、徒党を組むことがあった。


 毎回この場所を通るダイソンたちは、オークの群に待ち伏せされていたのだ。


「ぶごぶご!」「ぶぐぉお!」


 その包囲網は徐々に狭まっていき、ダイソンたち青き翼のメンバーは、森の奥へと追い込まれていく。

 そしてついにその時は訪れた。


 ドカ!


「がっ!!」「デニス!!」


 デニスが突然、木陰から現れたオークに、頭部を殴られたのだ。

 デニスはそのまま気を失ってしまう。


「風よ! 刃となりて敵を討て・・・・ウィンドカッター!!」


 すかさずバーバラが、呪文を唱え魔法を発動し、風の刃をオークに向けて飛ばした。


「ぶぎいいいい!!」


 デニスを襲ったオークは、断末魔の叫びを上げて絶命する。


「しっかりしろデニス!!」


 即座に倒れたデニスの元に、ダイソンが駆け寄る。


「ぶごぶご!」「ぶごおお!」


「見てあれ!!」


 そしてモニカが指し示す方を見ると、そこからオークの集団が現れた。


「あっちからも・・・!」


「ぶぎ!!」「ぶごご!!」


 バーバラが気付くと、既に後方からも、まるで退路を断つように、オークの集団が迫っていたのだ。

 オークは身長が2メートルはある大柄で、まともに打ち合えば、人間の冒険者であれば、太刀打ちできない程の怪力だ。

 ダイソン達青き翼のメンバーは、そんなオークの群に、包囲されてしまっていたのだ。


「背中にある大木を背にしろ! 攻撃は俺がなんとか食い止める! バーバラは広範囲に及ぶ攻撃魔法を! モニカは弓を構えつつ周囲の警戒だ!」


「了解!」「・・・・わかった!」


 ダイソン達青き翼のメンバーは、なんとかその包囲網から抜け出そうと、オークの群に抵抗を試みた。

 ところがモニカが弓から放つ矢は、森の木々が邪魔をして、上手く当たらない。

 バーバラが魔法を放とうとすると、木々を盾にされ、その効果を無効化された。

 どうやらオークの群は、度重なる青き翼のメンバーとの戦いで、その攻撃の特性を熟知しているようであった。


「こいつら俺達をじわじわと追い込んで、生け捕りにする気だ・・・・」


「ひぃ!」「・・・・」


 オークに捕まった者の末路は、女は子作りのための苗床にされ、男は玩具にされた挙句に、オークの餌にされるという残酷なものだ。

 次期にバーバラの魔力は切れ、モニカの矢の残量も底をつき、ダイソンも盾を叩かれ続け、体力が限界に差し掛かったその頃、青き翼のメンバーの目には絶望が浮かんでいた。


「ぶぎいいい!!」


 その合図のような鳴き声と共に、オークの群は一斉に青き翼のメンバーに殺到したのだ。

 それぞれが、こいつは俺の獲物だと、言わんばかりに・・・・・


 ズバババババ・・・・!!


 やがて光と共に、奇跡が起こった。

 気付けば全てのオークが、斬り伏せられ、地面に転がっていたのだ。


「いったいなにが・・・?」


 青き翼のメンバーは周囲の様子を窺い、驚愕の表情を浮かべる。

 やがてその行為の首謀者が、天からゆっくりと舞い降りた。


「天使・・・・?」


 そこで青き翼のメンバーが目にしたのは、1人の天使だったのだ。

 

「間一髪でしたね?」


 そう口にすると天使は、あどけない笑顔でほほ笑んだ。


お読みくださりありがとうございます。


青き翼のメンバーに共感を持ってくださった方・・・・

この物語を少しでも面白いと感じてくださった方・・・・

この天使、絶対にダンジョンマスターだと思った方・・・・

早く異世界人と会話しろと思った方・・・・


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