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海の上の魔王門

魔王を倒しに行く前に一度スキルを見直してみることにした。

まずは攻撃面。これは女神様の情報通りなら魔王は水棲モンスターのはずなので、水棲キラーがかなり効くはずだ。

魔法無効なら連続切り、物理無効ならマジックエッジとロングエッジを主体に攻めれば問題ないだろう。


次に防御面の対策。とはいえ、こちらはほとんど情報がない。

とりあえず前回の魔王のことを思い出しながら対策を考えてみる。


前回の魔王は太陽の杖を持っていて、たくさんのレーザーをばら撒く攻撃を使ってきた。

そこから考えると、雨の杖のような武器を持っていて、上から何かを降らせるような攻撃をするのだろうか。

(回避用のスキルは色々あるけど、防御系のスキルがないから広範囲の攻撃はちょっと辛いかもしれないな……)


ここで、昨日シーサーペントの鱗を手に入れたことを思い出した。

スキルクリエイターで確認したところ、<水竜の加護>というスキルが取得できるようだった。

(効果は遊泳能力の向上、水上歩行、水中呼吸、水属性ダメージの軽減…… これは取るしかないな)


攻撃面も防御面も問題なさそうだということで魔王に挑むこととした。

前回の魅力+麻痺のような対策必須の技があったらほぼ負けそうな気がするが、それはそれと割り切るしかないだろう。


町を出て浜辺を歩いていると、海に一直線の陸路があり、その先の小島に魔王門が見えた。

まるで挑戦者を待ち構えているようだった。


門を抜けて魔王の間にたどり着くと、巨大なカタツムリのような魔王が佇んでいるのが見えた。

体の正面には一対のカニばさみがあり、背中にはごつごつした巨大な巻貝を背負っている。

そして、頭には前回の魔王と同様に冠が乗っている。今回は青色だった。


(勝手に魚っぽい魔王だと思っていたけど、どうも貝類の魔王っぽいな……)

こうなると、貝むきナイフから何かしら有効なスキルを得られることに期待する。

(とりあえずスキルは取れそうだけど…… <貝料理マスター>…… ないよりはマシか?)


スキルを獲得したところ、目の前に手順のようなものが書かれたウィンドウが現れた。

そこには、<アメノヤドリの捌き方>というタイトルが書かれており、その下にいくらかの工程が書かれていた。


1. 殻の隙間にナイフを入れて一周させ、貝柱を切断する。

その際、全身を殻に入れてしまった場合は、殻をハンマーで叩いて驚かせるか火であぶる。

2. 殻を外して、背中の中心部分を突いて締める。

ぬめりが気になる場合は酢をかけると良い。


この工程通りにやれば魔王を討伐できるということだろうか。

(一応、アナライズで魔王の特性も確認しておこう)

魔王の特性には<魔法無効>が存在していた。魔法なしでこのサイズの魔王を火あぶりにするのは難しいため、ハンマーが必要になるだろう。


このまま戦うのは無謀と判断して、一旦町へハンマーと酢を買いに行くこととした。


酢の方はすぐに手に入ったが問題はハンマーだ。

武器はやはり高い。それもあの巨大な怪物を驚かせるほどの衝撃を与えられそうな強いハンマーとなると、アダマンタイト製のものが必要になりそうだ。


武器屋を色々と見てみるが、どこのアダマンタイトのハンマーも50万G以上するようなものばかりで、とても買えそうにない。

諦めかけたその時、一本のハンマーが目に留まった。


全体がアダマンタイトで作られた漆黒の見事なハンマーだったが、何故か値段が300Gだった。

これだけの品質のものがこの値段で買われていないということはあるのだろうか。


「すみません、このハンマーは本当に300Gで間違いないでしょうか?」

店主のドワーフに声をかけてみた。


「ああ、そうだ。一つ条件さえ満たせればその値段で売ろう。」


「条件とは一体?」


「このハンマーはアダマンタイトをふんだんに使いすぎて、俺以外の誰にも持ち上げられなかったんだ。だからアンタがこのハンマーを持ち上げられるなら300Gで売る。」

長いひげを撫でながら店主がそう言った。

店主は小柄ではあるが、その腕は空気が入ったボールが入ったような筋肉がついているのが見えた。


「わかりました。挑戦させて下さい。」

許可を貰って台座に置かれたハンマーに手をかける。


全力で力を込めたが、それでも数センチしか上がっていないようだった。


「腕力強化も使っていいですか?」

使えたらギリギリ上がるような気がするが、スキルを使うのは問題ないだろうかと考えた。


「ああ、問題ない。どんなスキルを使ってもいい。」


返事を聞いて、腕力強化をかける。そして、そのまま一気に持ち上げる。


「おお、長かったがようやくか…… 10年間手入れは欠かさなかった。品質は保証する。」

店主が目を丸くしながら購入の許可をくれた。

正直、重すぎて少し震えているが、振るえないほどではなさそうだ。


代金を払ってハンマーをインベントリに入れた後、再び魔王門へ向かった。


再び浜辺を歩いていると、少し離れた小島に魔王門が見えた。

潮が満ちて、陸路が消えてしまったのだろうが、幸い水上歩行があるため再び魔王の間に入ることができた。


必要なものは揃った。後は手順通り魔王に勝つだけだ。

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