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暑過ぎる夏

作者: 大石 耕助

塩川は僕のことで、下の名前は和博である。


 二〇一九年の夏。僕は学校の帰りに普段着の長い黒髪の少女がバス停で倒れているのを見た。その少女は見覚えがあり、永野芽郁にそっくりな野球部のマネージャーと知られている。

 名前は鈴木春奈である。僕とは軽音部とバスケ部で一緒に活動している。

「おい、大丈夫か」

「うん」

 僕は鈴木春奈を僕の家へと連れて行った。

 バスの中では寝ており、歩いているときも寝ていた。どうやら、熱中症になってしまったのではないか?

 僕の家。鈴木春奈は、僕のベッドで横たわっている。僕のベッドはファフリーズで消臭をしている。

 二時間後、鈴木春奈は僕の名前を呼んだ。

「塩川くん!あたしね、塩川くんの家に用事があったの、塩川くんに教えて欲しいものがあって…」

 僕は冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出し、鈴木春奈の元へ向かう。

「塩川くん、ありがとね。」

 鈴木春奈は、野球部のマネージャーであり、甲子園に出場経験を持っている。彼女の話によると、マネージャーは毎年チアリーダーになって応援するという。

 僕の部屋。僕の部屋に広瀬すずのポスターが壁に貼ってある。僕のパソコンの背景は新垣結衣で、僕の机には田村さとみや辻田芽郁の写真が置いてある。

 僕は鈴木春奈に見られたくないと思い、隠していたが、彼女が倒れる可能性が高いため、隠さずにいた。

「塩川くんって桜井すずちゃんが好きなの?」

「うん。好きだけど?なんか僕の猫に似ているんだが?」

 実は僕の家ではすずという猫を飼っている。色は白で、みんなからは「タマ」と呼ばれている。

 翌日、鈴木春奈は甲子園球場まで行かないと行けなかった。彼女は中学二〜三年の頃は「チアちゃん」という映画を見て、チアリーダー部に所属していた。

甲子園一日目。甲子園の開会式から始まった。北海道から沖縄までの高校が代表に選ばれている。

 ちなみに僕の高校は埼玉県にあるため、出て来るのに時間がかかる。

 僕の高校は四日目に出場する。僕の高校VS智弁和歌山だった。

前の観覧席にいたチアリーダーの鈴木春奈がいる。ちなみに甲子園に出場した僕たちの高校は応援で参加自由のため、僕や同級生などは参加していた。

「かわいすぎ…かわいすぎるやろ」

 すると、観覧席でチアダンスをしていた鈴木春奈が倒れた。

「春奈ちゃん…」

 鈴木春奈は、急遽、近くの病院に搬送されていた。その後、すぐに治療をしていた。

 鈴木春奈は冷たい飲み物を飲んでいたが、暑さのせいで倒れていたという。

 鈴木春奈は、事前に顧問には暑さで倒れると言ったが、忘れてしまっていたという。チアリーダーの姿の鈴木春奈は病院のベッドで泣き出した。

「あたし、マネージャーなのに、顧問の先生が忘れたんだ」

 鈴木春奈の両親がそこにいて、彼女の話を真面目に聞いていた。彼女の父親は、

「春奈、お父さんが先生に話をして来る。塩川くんも心配しているんだから」

「塩川くんはあたしを助けてくれたんだよ。バス停で倒れていたあたしを塩川くんの家に連れて行って、休ませてくれたんだよ。」

「塩川くんは優しい青年だね。春奈は好きでしょ?」

「うん」

「昔は塩川くんみたいな青年がいなかったからでしょ?」

「うん」

 すると、心配で駆けつけた僕が病室に入る。

「塩川くん!!」

「おい、テレビで見たけど、倒れていたよ。大丈夫?」

「心配してごめん」

「大丈夫だよ。僕は春奈ちゃんが心配で見舞いに来た。」

「塩川くんですか?」

「あ、はい。塩川和博です」

「いつも春奈とはお世話になっています」

「ごちらこそ」

「塩川くんに頼みたいことがあってね。春奈の看病をしてくれる?」

「え、僕がですが?」

「春奈が塩川くんを好きになったんだよ」

「わかりました。ぼくがやります。」

「春奈ちゃん、僕が君の看病をするから」

「あ、ありがとう。塩川くん 大好き!!」

 僕は鈴木春奈の看病を手伝った。僕がするのは、ご飯の食器洗いや買い物をしている。

 僕は僕の両親に鈴木春奈を助けたと話した。すると、僕の両親は感動してしまい、「人助けしたから、感謝状をもらわないとね」と話した。

 僕の近所の人々は僕が外に出ると、「ヒーロー」と呼ばれていた。

 僕は僕の高校で「感謝状授与式」が行われていた。僕の周りには担任の教師や僕の同級生などがいる。

 僕は市長の方から感謝状を授与され、甲子園六日目の日の新聞の僕の写真が載っていた。

 その日からニュースのメディアにもなり、埼玉にヒーローが誕生したと話題となった。

 ある番組のコメンテーターである芸人は「塩川くん、よくやった。君は埼玉県のヒーローだ」と述べている。

 熱中症で倒れていた鈴木春奈は、病院から退院した。甲子園球場には行かず、家に安静にしていた。

 春奈の両親は、学校にクレームを入れたという。無理に甲子園球場に行かせ、熱中症になってしまったことを憤慨したが、学校側は謝罪もせず、マネージャーになったのが悪いと軽蔑していた。

 

 塩川和博(僕)は、同級生の鈴木春奈を看病したことで埼玉県のヒーローと呼ばれた。

 三年後の夏。大学生になった僕は、地元の埼玉に帰った。僕の地元の親友の田中征史、太田正信、高橋重之、山内憲忠と鈴木春奈と再会をした。

 僕は鈴木春奈とは恋人になっていた。僕は高校の卒業式の後、鈴木春奈に告白され、付き合うことになった。

 鈴木春奈は、僕に助けられたため、その時から好きなった。僕のいないところでも「大好き」などと叫んでいたが、そんな僕と鈴木春奈に別れが訪れる。

その理由は鈴木春奈が異常な熱中症の影響で、脳に障害が残ってしまい、余命半年と診断されていた。しかし、想像もしない奇跡が起こる。

 医師からは治療法はないと言われ、僕は、鈴木春奈が死んでしまうのがどれだけ辛いと思っていた。僕が実家で寝ていると奇妙な夢を見ていた。それはヒーローが現れ、僕に何かを言っていたという。それは僕が見ていたヒーローであったのだ。それは「宇宙警察 ポリスマンロボ」であったのだ。


  僕は地元で一週間過ごしたが、鈴木春奈に会うのがこの日が最後だった。

 そんなある日。僕は俳優としてドラマの撮影の休憩中に田中征史から電話が来る。

「もしもし」

「和博か?」と田中は電話をした。

「そうだけど?」

「春奈ちゃんが…」

 僕は、ドラマの撮影が抜け出した。僕のマネージャーには話をした。僕はスーツ姿のまま、病院に駆け上がった。

 病室。鈴木春奈は、大量の汗で、ベッドが濡れていた。呼吸もできなかった。

「塩川くん…もう…会えない…」

 鈴木春奈は、目を閉じ、永遠の眠りにつくはずが、奇跡が起こった。

 それは、彼女が目を覚ました。それをみた僕と田中は、ドラマにあるような奇跡を見た。

「塩川くん!!!!!」と鈴木春奈は叫んだ。

 僕は鈴木春奈にハグをした。彼女は病院で奇跡の目覚めをした。

 それを偶然にも見ていた医師は

「これは奇跡だ。治療法もない異常な熱中症で余命三年と言われているはずが」と泣きながら言った。

 僕と鈴木春奈は結婚をし、子供の翔平、将大と一朗が生まれる。それぞれ、野球選手の名前から由来をしている。

 翔平と将大は幼稚園に通っており、おままごとで女の子から付き合わせられたりするが、翔平は家で変な踊りをよくしていている。

「へいへいへーい!へいへいへーい!僕はしょうへーい!」

 どうやら、テレビで大石という芸人がへいへいダンスをしていた。


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