洞窟、意外に見えるもんだね!
洞窟に向かって……
俺達は洞窟攻略に向けて、とりあえず歩を進めた。良く考えたら、アリムとトッカは攻略しようとは思ってなかったね……まぁ、成り行きで誤魔化せるだろ!
しかし、このフロアは大した魔物は居ないな~……よし、ここはアリムとトッカのレベル上げだ!
「ここは、俺は温存だな!」
「どういう事?」
「お前達のレベルを上げる……俺は、勝手に宝箱なり探索してるからさ」
「ショウジ、それはないんじゃないの?」
「パーティは協力する物ですぅ!」
「協力……君達はただ逃げてただけだよね?」
「「……すいません……」」
「という事で、俺は宝箱を探しながら行くからな!……モンスターはよろしく!」
よしよし、これで少しは楽出来るな……しかし、洞窟の中とはいえ、意外と見える物だな~……ダンジョン、意外に明るい……明るいわ~!……懐かし過ぎるな……
アリムとトッカ、協力しながら戦うと、なかなか出来るじゃないか?……アリムの回復能力は、なかなかよろしいな……トッカはまだまだだな……そうか、レプリカだっけ……クックック、もっと苦しめ……
「はぁ、はぁ、はぁ、ショウジ……凄く疲れるんだけど……」
「私はまだまだ大丈夫ですぅ!」
「何で僕だけ疲れるのかな?…はぁ、はぁ、ねぇショウジ…はぁ、はぁ……」
「アッハッハッハッハ!……どうしたんだろう……最近、物凄く笑いたい時が有る……」
「ショウジ…はぁ、はぁ、はぁ、僕のロッド…はぁ、はぁ、はぁ……」
「ろく~でな~し~、ウィ!ろく~でな~し~、ウィ!何て酷い~、アッウィ!言い方~、ウィ!」
「……ショウジ……その踊りとそのフレーズは何?」
「楽しそうな踊りでしたね?」
「別に意味はない……ただやりたかっただけ……トッカ、ロッドじゃなくてお前が半人前なんだよ……嫌だよこの子は、道具のせいにして!」
「……とりあえず頑張ります……」
「そうですよトッカ!…ファイト!」
「頑張るんですよトッカ!…ファイト!」
「……ショウジ、辞めてくれる……気持ち悪いよ……」
気持ち悪いとは何だ!……この野郎……絶対に本物は渡さねぇからな!
しかしだな~、このフロアにろくな宝無いじゃないか~!……要らん物ばかり、何だよ鉄のロッドって……特に特徴無いが、振り回すと強力だと?…なら、ハンマーでいいじゃねぇか?
「ショウジ、何ブツブツ言ってんだよ?……大体、最初のフロアに凄い宝が有る訳無いだろう?」
「分かんないじゃないか?……そもそも、宝箱が有れば明ける……これ、世界の常識な!」
「そんな常識知らないよ!」
「ショウジ、もう少し慎重に……」
「俺は慎重だぞ?…慎重過ぎて、遠出の時の食べ物を1週間前から用意するくらいだ!」
「何威張ってんのさ?…食べ物腐るよ!」
「鋭いツッコミだな?……君の成長が確認出来るよ、チビ助君!」
「この野郎……」
「俺に手が出せまい!…まともにやったら、やられるのはお前だからな!……悔しいだろ、や~いや~いチビ助トッカ!」
「ウグッ…………………………」
「ショウジそこまで……本当にトッカが泣きますよ」
「ほ、僕は泣かないよ!」
涙目……からかうのは面白いな~……本当に泣かせてやろうかな?……まぁ、それは後のお楽しみとするか……今は先へだな……
お?…下のフロアに行く階段……ん?…おかしな雰囲気だな……
[ドガン!……ギギギ……ガシャーンガシャーン!]
何だこいつ……上から降って来たな……骸骨の顔に……首から下はロボットか?……剣を2本、二刀流か……
「ショウジ、変なのが出て来たよ!」
「何なんでしょう、この方?」
「……こいつでいいんじゃないの?…多分、この階を守る者じゃないかな?…つまり、この階のボスね!」
[ピーピーピー、侵入者発見……排除、排除……]
「うわぁ、こっちに向かって来るよ!」
「怖いですぅ!」
俺の後ろに逃げて来たよ……しょうがないな……お?…意外になかなかな攻撃、やるねぇ!……二刀流の連続攻撃、避けるのに苦労はないけど、それなりの冒険者ならここまでだろうな……最初のフロアでこれなら、魔界に期待が持てるかもな……
「ショウジ、何ニヤニヤしてんだよ?」
「集中して下さい!」
集中したら、この洞窟が無くなるよ……よし、ここは俺の魔法で……とは言っても、強過ぎると洞窟が崩れるからな……そ~っとそ~っと……
「ファイヤーボール」
[ドガン!]
「やったか?」
[侵入者、排除スル……ガシャーンガシャーン]
「ショウジ、効いてないよ!」
「頑張って!」
頑張ったらまずいんだって……どうする……そうか、これだ!
「[圧縮]!」
[ガガガ……危険、危険……]
「ほう、危険な事は分かる様だな……しかし、どうする事も出来まい!……このまま一気に圧縮し、粉々に消し飛ばしてやる!」
[ピーピーピー、コレ以上ハ無理……ピーピーピー……ボン!]
「お?…爆発したな……まぁ、こんな物だろ」
「やったねショウジ!」
「凄いですぅ!」
「……とりあえず、これで下に行けるんだろうが……最深部は何階だ?」
「僕は知らないよ」
「20階とも30階とも言われています」
面倒だな~……このままだと、1番下に着くまでに、どのくらいの時間が……正攻法は辞めだ!……辞めだったら辞めだ~♪…やだねだったね……それでは!
「一気に短縮!…グラビデ(弱め)」
「な、何すんのさショウジ?」
「ゆ、床が崩れて……」
「俺に掴まれ、離すと死ぬぞ!」
「「はい~!」」
お~お~、床がどんどん砕けてるよ……一気に下まで落ちてくな……うん?
「おいトッカ、着地どうする?」
「着地って……考えてないの?」
「ショウジ、後先はちゃんと考えないと」
「本当だね、エヘッ!」
「可愛くないよショウジ!どうするのさ!」
どうしよう……どうしよ平八郎の乱、なんちゃって!…やるな、俺!
「ショウジ、そろそろ着地だよ!」
「[圧縮]を弱めに……上手く調節して……」
「ショウジ、大丈夫なの?」
「トッカ、信じましょう!」
「アリム、ショウジだよ……」
何だか気になる言い方だねトッカ君……しかし、大丈夫だろう……
[ポヨヨ~ン]
お?…上手くいったな……ばっちりばっちり……なかなか気持ちいいな!
「うわぁ!」
「ちょっと楽しいですぅ!」
「格好良く着地!……イケメンショウジ、大地に立つ!…決まった!」
「決まってないよ!…死ぬかと思ったよ!」
「ドキドキしました!」
うむうむ、なかなかの反応……あれ?…違う反応が……
「ショウジ大変だよ、あっちからモンスター達が!」
「物凄い数……」
「各階のボスだろうね……しょうがない……」
おや?…[石の拳]と[銅の拳]が有るな……何だろ、とりあえずは[銅の拳]にしておくか……[フィジカル]でスピード上げて……デカイのも要るし、少しくらいは強くても大丈夫だろ!
「アリムにトッカ、後ろに下がって……ガトリング衝撃波!」
「うわぁ、待ってよ!」
「はわわわわ!」
いや~、素早いパンチの衝撃波を飛ばす……なかなか気持ちいいね~……そらそらそら!喰らいやがれ~!
[ドフゥ!]
「物凄い爆音だね……」
「本当に……わぁ!」
「あ!…ショウジ、アリムが飛ばされた!」
何だと?…しっかり隠れてろよ!……デカイ奴の影から、小さい奴がアリムの方へ……仕方ない!
「トッカ、このロッドもってサンデルアローだ!」
「でも……」
「いいから早く!すぐに出せる!」
「分かった、サンデルアロー!」
[ドズゥン]
見事に雷の矢がモンスターに直撃、真っ黒焦げだな……よし、一気に片付けるか……[フィジカル]スピードアップ!…喰らいやがれ~!
……綺麗さっぱり片付いたね……
「フゥ~……片付いたな……しかし、結構居たな」
「ありがとうございますショウジ、トッカもありがとう!」
「………………………………」
「どうしたトッカ?」
「聞きたい事が有るんだけど……ショウジ、このロッドを装備したら力が沸き上がるんだけど?」
「き、気のせいじゃないか?」
「そんな筈はないよね?…あの状況でこのロッドを渡したんだから……アリム、最初に貰ったロッドを調べてよ」
「はい……インベスティゲイト……大魔導師のロッド·レプリカ……レプリカ?」
「レプリカ……やっぱり……どういう事だよショウジ?」
「力が漲る気がしたんだろ?……大丈夫じゃないのか?」
「この野郎……」
「待って下さい……レプリカって事はそれ……」
「あ!……もしかしてこれ……」
「本物だよ……ちなみにだけど、アリムのは大賢者の杖だからね……トッカには、勿体無いと思うんだけど……」
「どうしてだよ!……でも、そんな凄いロッド……」
「だろ?……よしよし、お前はやっぱりレプリカで……」
「こっちで頑張るよ!……ショウジに任せておくと、僕は貧乏くじばかり引かされそうだ」
「私も頑張ります!…先に行きましょう!」
2人が気合い入ってるな……しかし……攻略したらどうやって戻るかな?……考えてなかったな~……
「規格外だな……何を仕出かすか予想出来ん……馬鹿という事しか分からん……厄介な馬鹿を選んだな~……」
創造神の一人言は置いといて、この先に何が待っているのかだな……この洞窟、何が有るんだ?
大分進んだみたい……