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堕天使のクララ  作者: 御堂 騎士
試練の迷宮
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7つの神器

 死を覚悟した瞬間、薄っすらと詠唱が聞こえる。

「聖魔法、聖なる衝撃(ホーリーインパクト)


 ズドーーン


 大魔王の背後から、プリニーちゃんの攻撃魔法が決まった。

 プリニーちゃんは、大魔王以外の悪魔と戦っていたはずだ。

 どうやら、4匹とも倒してしまっていたみたいだ。


 さすがの大魔王も意識外の方向からの強力な魔法には、大きなダメージを受けたようだ。

 敵が一瞬ふらついたところで、魔法を詠唱する。

「雷魔法、穿うが雷撃(ライトニングボルト)


 大魔王の正面に雷の一撃が炸裂する。

 防御態勢も何も取れなかったようだ。

 大魔王が後ろに吹っ飛ぶ。


 結界は、大魔王の魔力で維持されていたのだろう。

 ピシピシと結界の障壁にひびが入り、結界が崩れる。


 倒したかと思ったが、仰向けの大魔王はその姿勢のまま跳躍して、空中で姿勢を戻す。

 着地せず、宙に浮いたまま、こちらを鋭い目線で威嚇してくる。


「貴様ら、どうやらワシを本気で怒らせてしまったな。

 もう許さんぞ」


「さっきまで、怒ってなかったの?

 でも、殺す気満々だったじゃん」


「やかましい!

 貴様のそのなめ腐った態度が、ますます許せん」

 どうやら、よけい怒りの炎に油を注いでしまったようだ。




 大聖堂に叫び声が響く。

「頼むぞ、プリニー、チカガータ。

 お前たちだけが頼りだ!」

 ええっ? 私たちに任せきり?

 上位天使様たちは、戦いが得意では無いの?




 確かに他の天使たちは、現れるモンスターから逃げ惑うばかりだ。

 プリニーちゃんが次々と倒していくが、きりがない。


 私は、このまま大魔王と戦うしかなさそうだ。

 ただ、籠手こてひとつで大魔王とも取り敢えず渡り合えたんだから、神器をかき集めるのが早道と判断する。


 ここにある神器は、7つだ。

 パンドラの箱、信玄の兜、トールハンマー、雷神の籠手、シビュラの書、カヴァーチャの鎧、アキレスの靴。


 今もモンスターを吐き出し続けているパンドラの箱は論外として、預言書であるシビュラの書は、役に立たない。

 持っていたメルカバ様と一緒に、ずいぶん遠くに飛ばされたしね。


 この二つ以外を、出来るだけ素早く集めよう。




 まず、一番手近に見えるカヴァーチャの鎧の方に走って行く。


「させるかっ!」

 大魔王が、左手を前に突き出すと炎の球(ファイアボール)が、次々飛んでくる。

 跳んでける。避ける。避ける。


 避けても、着弾した所で爆発して、爆風に飛ばされそうになる。

 それを耐えて進む。


 近付いたところで、ヘッドスライディングするようにして、鎧に到達した。


 金色の鎧を引き寄せて、体に装着する。


 ピッカー


 鎧が太陽のように光り輝く。


「太陽の鎧を、そのようにまとえる者を生かしておくわけにはいかんな」

 大魔王はそう言うと、視界から消える。


 あれっ、何処に行った?


 気付くと目の前にいて、槍を凄い速度で突いてくる。

 避ける動作一つとれないまま、お腹に槍が突き刺さる。


 や、やられた。

 だが、痛くない。

 お腹の辺りを見下ろすと、槍の先端というか、前半分が消え失せている。

 溶けてなくなったかのようだ。


「カヴァーチャの鎧、すごい!」

 思わず声を上げてしまった。


※カヴァーチャの鎧

 インドの神話に出てくる伝説の鎧。

 太陽神スーリヤが息子カルナに与えた、天の武器でさえ貫けない無敵の鎧。




 敵の攻撃が通らないなら、反撃のチャンス。

 私は体を揺らしながら、連続のパンチをブチかます。

 デンプシーロールだ。


※デンプシーロール

 ボクシングの元世界ヘビー級王者ジャック・デンプシーが編み出した技。

 左右のウィービング(上体の動き)で勢いをつけ、体重の乗ったスピーディーなフックを叩きつけるというテクニック。




 だが、威力が今一だ。

 雷神の籠手というくらいだから、殴られた敵に雷撃が追加されるとかを期待したのだが。


「調子に乗るなーっ!」

 反撃のストレートパンチを食らって、私は吹っ飛んだ。


 ガッシャーン


「キャーッ」

 辺りに悲鳴が響き渡る。


 えっ? もしかして私、見るも無残な光景になっている?


 私は、自分の手足が付いていることを確認して、体中を気を付けて見てみる。

 手をグーパーグーパーとする。

 どこにも支障は無さそうだ。

 何故悲鳴が上がったのかな?


「と、と、と、とういつ……」


 目の前の上位天使が、口をパクパクさせている。

 目線の先を見てみると、な、なんと、統一神様の像が5体バラバラに壊れている。


「な、な、なんて恐れ多いことを……」

 いやいや、統一神様といっても彫像じゃんか。

 私の体が壊れていないことの方を、喜んでよ。


 などと、ゆっくり考える間もなく炎の球(ファイアボール)が飛んでくる。

 避けると、彫像の台座に当たった。


 ドッカーン


 統一神様の像は、跡形も無く木端微塵になってしまった。


「魔力で出来た槍は溶けたが、ワシのパンチは有効だった。

 カヴァーチャの鎧にも、原始的な物理攻撃は通るということだな」

 大魔王は、そばに落ちていた鎚を拾う。


 ブーンと一振りして、実体を確かめている。


 敵が落としたのか、味方が落としたのか分からないけど、十分な物理攻撃力を持つようだ。

 そんなに無理して、私の弱点を探してくれなくても良いのですけど。


クララの前世、天使チカガータ編は一応次回で終わる予定です。


大魔王テンバイヤーじゃなくて、テンヤイバー、発売から半年たってもプレステ5が買えない恨みを思い知れ!

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