キミに僕の大切なモノをあげる!
キミに僕の大切なモノをあげる!
僕の心と僕の大切にしてきた記憶。
キミは生まれつき心臓が弱い女の子だったね、、、!
だから、ずっと病院のベットの上で生活している、、、!
楽しい記憶も、何処かに行った記憶もないキミに、、、!
僕の楽しい記憶をもらって欲しい!
僕は、もう長くは生きられないから、、、!
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僕の名前は 『川瀬 祐誠』26歳、会社員。
僕は、ごくごく普通の男性だと思う。
仕事も真面目で、、、無遅刻無欠勤、上司から気に入られている!
職場の人からも、僕の人柄もあって好かれていると思う。
・・・でも、そんな僕が余命宣告をされたんだ、、、!
長くて1年、早ければ半年の命だと、、、。
脳にね、、、?
大きな腫瘍があるんだって! 難しいところにあるから手術は出来ない!
放射線治療で、腫瘍を小さくしているんだけど、、、?
なかなか? そうならないみたいで、、、。
そして、そこの病院で、出会ったのが彼女だった、、、!
『磯部 木乃香ちゃんだ、、、!』
彼女はいつも笑っていて明るく。
まさか!? そんなに大きな病気なんだとは思わなかったんだ、、、!
歳は21歳だと僕にニコッと笑いかけて話してくれた、、、!
彼女は、外の世界を知らないんだ、、、!
思いきり走り回って、疲れたら寝そべって、、、。
鳥の鳴き声や風の匂いを知らない、、、!
楽しい記憶が、1つもないんだよ、、、!
*
だからね、、、?
僕は、決めたんだ、、、!!!
彼女に、僕の心臓と僕の持っている最高の記憶をあげる事を、、、!
全ての僕の記憶を彼女にあげたいと決めたんだ、、、!!!
どうせ! 僕はもうそんなに生きれない、、、!
それなら? 彼女と共に、一緒に僕の記憶を持って生きて欲しいと、、、!
彼女に話したら? 彼女も、そう望んでくれたよ!
『ねえ? 木乃香ちゃん?』
『何? 祐誠さん?』
『僕の心臓と僕の記憶をもらってくれないか、、、?』
『えぇ!?』
『木乃香ちゃんには、この先の人生もあるんだよ!』
『・・・でも、そんな事をしたら? 祐誠さんが、、、!?』
『いいんだ! 僕は木乃香ちゃんと! これから一緒に生きて行くよ!』
『祐誠さん? そんな、、、。』
『僕は、もう長くない! だから、お願いだ! 僕の心臓と記憶を、、、!』
『・・・ううん。 分かったわ祐誠さん! 約束するわ!』
『ありがとう。』
▽
そして、、、。
木乃香ちゃんの手術の日、、、僕は死んだんだ、、、!
でも、木乃香ちゃんの心臓となり木乃香ちゃんの記憶も僕の記憶を持っている!
そして、、、手術が成功した!
木乃香ちゃんは手術後、、、。
1週間という速さで、退院もしたんだよ、、、!
不思議なもので、、、!
木乃香ちゃんの中に僕もいるから、男性ぽくなる時が多々あるみたいで、、、!
それに、僕の好きな事が木乃香ちゃんも好きになって行く。
僕は、元々体を動かす事が好きで毎日、朝早く起きてジョギングを
する習慣があったのだけど、、、?
木乃香ちゃんも、そうするようになった、、、!
休みの日は、必ずといっていいほど何処かに行くのが好きだった、、、!
今の木乃香ちゃんも、そうらしい。
【不思議だね! 僕は木乃香ちゃんの中で生き続けている!】
『そうね! これからも祐誠さんと共に生きて行きましょう!』
【うん!】
木乃香ちゃんは、たまに心の中にいる僕に話しかけてくれる。
運命とは、、、?
『願いは叶うモノなのかもしれないね!』
最後までお読みいただきありがとうございます。