30話
テスト期間だったため投稿をお休み致しました。知らせをしていませんでしたので待っていた方もいらっしゃったかもしれません、本当に申し訳ありません⋯⋯。これからABCテストや中間テストなどでとても忙しくなりそうなので投稿ペースは格段に下がると思われます。
時間が空きましたら少しずつ書いていき、できる限りのことは致しますのでどうぞよろしくお願いします⋯⋯。
■ABCテストって北海道だけのやつでした!入試模擬テストのことですすみませんヾ(・ω・`;)ノ
ハルトさん⋯⋯できればもう一度会ってちゃんと話したいけど、向こうの事情もあるだろうし。次に会えることを祈ろう。
あの後、貰った花を女中さんに用意して頂いた花瓶に入れ、部屋の棚の上に置いた。
うん、綺麗だなあ。
「ワンッ!」
アルが大きく吠えた。
最近はあまり遊べてなかったな⋯⋯。
今日は思い切り遊んであげよう!
「色々ごめんねー、さっ、遊ぼっか」
「ワン」
女の格好でも僕だとちゃんと分かってるあたり、凄いな。まあ匂いとかもあるだろーけど。
「じゃあ、ご飯食べてから中庭に──」
「あのぅ、すみません」
「はい?」
扉を開けると、女中さんがすぐ側に立っていた。
「どうしました?」
「えぇと、あのー⋯⋯。聖女様お付の護衛係が決まりましたので、ご報告に⋯⋯」
「ご、護衛係⋯⋯って、アドルさんみたいな⋯⋯?」
「あ、え、あっ、そのっ」
「え、大丈夫ですか」
「はいっ、すみませんっ。護衛係が⋯⋯その⋯⋯大変申し上げにくいのですが⋯⋯」
女中さんの顔色が悪い。そんなに嫌そうな人が護衛係になったのか?
「ゆ、ゆっっ」
「ゆ?」
「ユーリさんでしてっ⋯⋯!」
すいません誰ですかユーリさんて。
「あっごめんなさい分かりませんよね!?⋯⋯ユーリさんは今までとある場所の管轄を任されていたのですが、今回聖女様が見つかったということで護衛係に任命されまして⋯⋯。あ、ユーリさんはユキトさんと同期です」
「でもどうしてその人が?物凄い強いとか⋯⋯?」
「はいっ、ユーリさんはとてもお強いですよ。皆から慕われており、アドルさんとも仲が良くて⋯⋯。よく二人で話していました」
アドルさんとも仲が良い、か。それなら信用できるかも。
「ありがとうございます、その人はもうこっちに?」
「もうすぐ着くようです。2階から馬車が見えるはずですので、お見えになりましたら一度客間に来てくださいますか?」
「了解です」
ああそうだ、僕の部屋地下から2階になったんだよね。
それにしてもなぁ⋯⋯。ユーリさんて多分男の人でしょ?僕の周り男性多すぎじゃない??どんな乙ゲー?
「中庭からも一応ちらっと見えるだろうし、それまで遊んでよっか」
「ワン」
***
アルと色々してから、部屋に一旦戻ってアルを籠に入れた。
前に女中さんに、『お客様がいらっしゃった時はこれでもいいので聖女様らしい格好を!』と言われたが、ユーリさんってお客様に入る?でも客間で会うんだよね?一応着てくか。
これでもいい、の"これ"とは清楚なワンピース⋯⋯こっちではドレスとも言うのかなぁ。まぁワンピースでいいや。
白を基調としたもので、裾にヒラヒラなフリルがついていて、胸元には青いキラキラした飾りがついている。膝くらいまでのね。袖は無いやつで、ノースリーブみたいな風となっている。
これ、僕に似合うかな⋯⋯。
着てみたけど、やっぱ違和感が⋯⋯。男装期間長すぎたか。
姿見の前で念入りに確認をしていると、微かに馬の足音が聞こえた。
窓の外を見ると、馬車が門の前にちらっと見えた。
あれか。
そうだ、もう1人の女中さんに貰った髪飾りも付けてみよう。
なんでだろう、男装しすぎたから反動で女の子のものを身につけたくなってくる!!不思議!!
宝石で出来た小さな蝶の髪飾りを前髪の片側に軽くつけて、部屋を出た。
「この茶色いブーツと案外合ってるなぁ」
小走りしながらそんなことを呟き、客間に急ぐ。
「シグレ様、こちらです」
「はい」
「ふふ、よくお似合いですよ」
「あ⋯⋯ど、どうも」
客間の前に居た女中さんにそう言われて、なんか凄い恥ずかしくなってきた。
「一応これで来たんですけど余計でしたかね⋯⋯?」
「逆に良かったと思いますよ?第一印象も大事ですし、これを機にぜひ普段着をドレスに──」
「それは結構です」
ドレスって腹痛くなりそうで怖いから嫌だ。
まあ、これくらいのワンピースならいいかもだけどね。
「では、どうぞお入りください。数分後、ユーリ様がいらっしゃいます」
中は⋯⋯いつだったか、王太子様とお話した時と同じような部屋だった。
このソファーに座ってれば⋯⋯いいかな?足音聞こえたら立つけど。
「優しい人でありますようにぃ⋯⋯」
なんて失礼なことを口走りながら2分程時を過ごした。
『こちらです。ユーリ様』
来たっ!
ガチャ⋯⋯。
使用人らしき人が先に入ってくる。
次に来るのがユーリさん⋯⋯。
「はー、城に来たの何年ぶりだろ」
「先月来ましたよ」
入ってきた途端そんなボケをかましたのは、赤みがかった黒髪と、アドルさんの瞳の色よりも濃い赤色の瞳をしたイケメンだった。
ですよね。イケメンだよねわかってたよ爆発しろください。
「んーにゃ、ジョーダンだけどね。さて、貴方が聖女様かぁ。噂より全然女の子っぽいじゃん」
「た、小鳥遊紫暮⋯⋯です。いやあの、いつもはこんな格好じゃないんですけど⋯⋯」
「へえ、じゃあ俺のためにそれ着てくれたの?かっわい〜」
「まぁそれはその通りなんですけど⋯⋯。それで、ユーリさん、ですよね」
「そーそー。俺がユーリ・ラキハ!趣味は歌うこと!特技は誰とでも仲良くなれること!今日から貴女様の騎士☆よろしくねん♡」
「⋯⋯ハイ」
すごい⋯⋯コミュ力高い人だ⋯⋯!!初めて見た!
「つっても俺元日本人ね(`・∀・´)」
「Oh My God......」
にほ、にににに日本人???
「まさかあなたも召喚者⋯⋯?」
「いや?召喚とかでもなんでもなくて、神様のいたずらのように自然に来ちゃった。2年くらい前かな」
「え⋯⋯順応力の高さが凄い⋯⋯」
「話は聞いたけど勇者くんとか貴女も相当だと思うけどなぁ」
ソーデスカネ?
「あぁ、でもこれは俺らの秘密ね?」
ユーリさんが人差し指を僕の唇に当てた。
この人モテんだろうな⋯⋯。
「でも後ろの使用人さんらしき人に思いきし聞こえてますけど」
「ん?あー、こいつはいいの!無表情で淡々としてるけど、ケッコー良い奴なんよ?エルっていうんだけど」
エルさん、ね。確かにさっきから表情が変わってない⋯⋯てか⋯⋯⋯⋯目が⋯⋯死んでルゥ⋯⋯。
「エルもいざとなったら護衛に参加してもらうことになってるよん」
「えっ、使用人じゃなかったんですか」
「大体そんな感じなんだけど、⋯⋯ほら、戦闘メイドとかいんじゃん。その男バージョンみたいな?」
「成程把握」
流石日本人、話がよくわかる。
「ていうか!エルもちょっとは自分で自分のこと話してよー!」
「ユーリ様が勝手に話したんでしょうが階段で落ちて手すりに頭ぶつけて死ね」
いやエルさん毒舌すぎだろ。
「これ通常運転!豆腐の角に頭ぶつけて死ねみたいな優しい感じのやつじゃなくて猛毒入った豆腐食って死ねみたいに普通に酷いことを言ってくるよ!」
「それいいんですか!?そんなこと言ってよくクビになりませんね!?」
「だーいじょーぶ!言葉だけで殺しにかかってきたりは全くしてこないから!」
「そ、そーですか⋯⋯」
「背後にはいつも俺がいるんですよ⋯⋯?」
ダメじゃんいつか裏切る奴やんこれ。
後ろからグサァのやつやん。
「この言葉何十回も聞いたからへーきへーき!ははは!!」
「背中を叩かないでくださいそうめん鼻から食って苦しみながら死ね」
「なんでそうめん!?」
「あー⋯⋯それねぇ⋯⋯そうめんじゃないけどラーメンを鼻から食ってすぐに助けられたけど数日寝込んだやつが日本の友達に居たわ」
友達ェ⋯⋯。
***
あの後も少しお話をして沢山笑った。
ユーリさんが元々日本にいたっていう証拠は教えて貰った。
あとは⋯⋯髪色や瞳の色は、よくわからないけど炎魔法ばっかり使ってたらいつの間にか変化していたらしい。
名前は本名を並び替えたものらしい。
その本名とは、霧原 優⋯⋯さんだってさ。
エルさんは毒舌⋯⋯というか暴言が多いが、普通に僕には優しくしてくれてたし悪い人ではないんだろう。多分あれはユーリさん限定だな。
今は部屋でごろごろしてるけど、ユーリさんは部屋の前で護衛中⋯⋯。エルさんは護衛の仕事が来ない限り城の手伝いや見張りをするそうだ。
「ここに、アドルさんも居たらなぁ⋯⋯」
本当に小さく、そんなことを言ってしまった。
アドルさんは別の所で一生懸命頑張ってるんだし、応援しないとダメだよね!
こっちも聖女と剣士のお仕事、頑張るぞー!!
はい!新キャラまた出しちゃいました!
けど多分キャラ全員覚えてなくてもいけます多分(震え声)
それではナイトくんから一言!
「30話いかないとこで小説のタイトルと内容がもう違くなってきてるけど大丈夫なの?」
⋯⋯ソ、ソンナコトナイシ?((((;゜;Д;゜;))))カタカタカタカタカタカタカタ




