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29話・後編

体調良くなってきたので後編投下!

 橋良さんと別れた後、ギルドに向かった。

 最近何かと忙しくて行けてなかったんだよな⋯⋯。


「どうもー」


 小声で挨拶してから依頼書のある場所まで歩く。

 いつもと格好が違うので周りの人からは違和感あると思うけどいいよね。

 適当に依頼を選び、受付に行くと、カルハさんと目が合った。


「⋯⋯?誰かしら?シグレくんに似てるから、妹さんとか⋯⋯?」


 そう聞こえた。あれ?そんなに??


「えーと、本人です」

「⋯⋯⋯⋯じょ、女装?」


 橋良さんと同じ思考を持っておられる。


「違います、これが元です!」

「ひぇ!?そうなんですか!?女子だったなんて⋯⋯!」

「男装してたのにはちょっと複雑な理由があってですね⋯⋯すみません」

「いいのよ、シグレくん⋯⋯⋯いえ、シグレちゃんはシグレちゃんなんだから」


 すご⋯⋯この国の人心広い⋯⋯感激。

 ずっと受付にいるのも他の人に申し訳ないので、二言三言交わして依頼を受けた。

 懐かしの平原に来たが⋯⋯。

 魔物が一体もいない。誰か狩り尽くした?

 平原中を歩き回るも、本当に一体も見当たらない。

 崖までくると、誰かが地面に座っていた。

 荷物が沢山ある。それに服装もこの国の物じゃない気がするし、旅人さんとかかな?


「こ、こんにちは〜」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


 勇気を出して挨拶したけど何も返ってこない時の恥ずかしさと絶望感ってパないよね。よく経験したよ。⋯⋯⋯⋯自分で言ってて悲しっ。

 その男の人はゆっくりとこちらを振り返ると、


「⋯⋯⋯⋯あんた誰?」


 そう言った。

 あっ、そうですよね、そうなりますよねフツー。


「⋯⋯まあ、こんにちは。⋯⋯⋯⋯はぁ、なんであんなことに⋯⋯マジでなんなんだよあの野郎⋯⋯」

「どうしたんですか⋯⋯」


 この人よく見たら目が死んでる。イケメンが台無しだよおい。

 あれ?しかも同い年くらいじゃないか?


「なんでもない⋯⋯てかあんた、よく俺を見つけられたな。影薄い方なのに」

「え?普通に見つけれましたよ?⋯⋯あの、なんでここら辺魔物居なくなってるんですか?」

「俺がさっき排除したから。また来るだろ」


 あなたでしたか。排除っていう言葉やめましょ!なんか怖い!


「ねえ、あんた強いの?」

「つよ⋯⋯いかは分かりませんけど、弱くはないと思います」

「剣持ってるってことは剣士?」

「魔法も一応使えますけど、剣術は人並みにあります」

「ふぅん⋯⋯。今暇?」


 なんや新手のナンパか君。

 依頼どうしよ⋯⋯。


「ギルドで依頼を受けたので、それを達成した後なら」

「わかった。じゃあ花屋で待ってる」


 花屋?flower shop??Why??

 この国に花屋は1軒しかない。近いし別にいいんだけど。


 ***


 あれから魔物が全然出てこなかったので、森まで行って探索しまくった。なんとか獲物を捉えたので倒して依頼達成。そしてギルドで報酬を受け取る。

 これまで30分。急いで花屋に向かうと、先程話した人が佇んでいた。


「ん」

「へ?」


 着いた途端、その人から白い花を貰った。

 どゆこと。


「なんのお花ですか?」

「⋯⋯ゼラニウム。花言葉知ってる?」

「いいえ⋯⋯そっちの知識は全然ないですし」

「ふーん」


 あれ、教えてくれないんだ。


「あ、俺は隣の国の貴族のハルト・ジェルネスト。あんたは?」


 なるほど、貴族か。道理で少しキラキラしてる。死んだ目だけど。


「シグレです。それで、僕はどうすれば?」

「ああ⋯⋯ちょっと、付き添ってくれればいい」

「⋯⋯?わかりました」


 ***


 国で一番大きな公園にやってきました〜。

 存在は知ってたけど初めて来た。すっごい広い。けどほとんど人いない!

 奥にあるベンチに、男性が座っている。


「ハルト、誰だその娘は?」

「その前に親父にプレゼント。はい」


 ハルトさんは僕の手から花を取った。そして男性に渡した。僕に一旦持たせた意味は??


「プレゼント?⋯⋯⋯⋯な、この花は」

「てことだから。もう親父のやり方にはついていけない。絶縁しよっか」

「⋯⋯!?ハルト!!」

「俺この子と生きるから。俺に関わらないでね。それじゃ」


 ⋯⋯ん?

 巻き込まれた?

 ハルトさんは僕の手を取ると、公園の入口まで走り出した。ちょ、危ない危ない。

 ちらっと後ろを見たけど、あの男性はこちらに手を伸ばしたまま動いていなかった。


「あのっ、どういうことです!?」

「俺の親父は自分の妻⋯⋯つまり俺の母親を殺した。その上に奴隷を何人も飼って、何人も殺した。それでも俺には優しくした。⋯⋯それが物凄く気持ち悪かった」

「⋯⋯」

「本当ならもっと残酷なやり方で別れたかったけど、育ててくれた恩もあるし。でも、あの優しさは何か⋯⋯自分を正しくしようとしてるだけみたいな、薄っぺらいものだった。巻き込んで悪かったな」

「え、僕あの人に殺されませんよね?てかなんで僕??」

「大丈夫だ、あいつは病気だからもう派手なことはできない。あいつを信用してる部下もいないから、指示を出されても動く可能性はまずない。あんたにした理由は⋯⋯⋯⋯⋯⋯なんとなく?」


 じゃあこの人のなんとなくで僕とハルトさんは親父さんの中で恋人に成ったと?

 勘弁☆


「そういえば、あの白いゼラニウムの花言葉ってなんだったんですか?」

「ん?あぁ、『私はあなたの愛を信じない』。あとこれ、やるよ」

「?」


 どこから出したのか、1本の薔薇を差し出してきた。

 わけもわからぬまま受け取ると、ハルトさんは再び走り出した。


「ありがとな」


 ハルトさんの死んだ目だった橙色の瞳が輝く。

 そのまま、行ってしまった。

 ⋯⋯なんか⋯⋯急な展開だったな⋯⋯。

 この1本の薔薇はどういう意味だろう。花言葉とかあるのかな?


「あらあら、お嬢さん良かったわねぇ」

「え?」


 さっきの様子を見ていたのか、お婆さんが話しかけてきた。


「1本の薔薇の花言葉は、『一目惚れ』よ」


 ⋯⋯おっふ。



ハルトはこの1話(?)だけ出すか、途中でまた出すか悩んでます。

てことで、アルから一言!翻訳機を付けて!


ピッ⋯⋯。





アル『熱中症にお気をつけ下さい』



体調管理などに注意して、熱中症にならないように心がけましょう!今月中になりかけた自分が言えることではないですが!((

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