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24話

 祭りを楽しみ、しばらく優越感に浸ったいた。

 え、あの時アルはどこに居たって?

 アドルさんが抱えてました。

 今は城の中庭にあるベンチに座っている。

 アルは部屋に居る。

 アドルさんは仕事。

 騎士さん達は今も訓練中。僕は今日は参加してない。

 花を見つめながらぼーっとしていると、通路から「はあああああ!!?」という怒りのような焦りのような声が聞こえた。

 めっちゃびっくりした。

 通路の方を見ると、ユキトさんが通話用の魔具を持って立っていた。

 あの声はユキトさん⋯⋯?


「ちょっ⋯⋯と待ってくださいよ⋯⋯!?今整理してます、え、つまり⋯⋯⋯⋯⋯⋯ええ、はあ⋯⋯ですよね⋯⋯ですが、今この国はそんなに⋯⋯いやあの、あ、はい、⋯⋯⋯⋯は?え、ちょ⋯⋯切れた」


 こんなに焦っているユキトさんは初めて見る。

 さすがに僕も気になるので声をかけた。


「⋯⋯あの、大丈夫ですか⋯⋯?」

「あぁ!?」

「ヒッ」

「⋯⋯シグレか⋯⋯すまん」

「いえ。それで、何があったんですか」

「⋯⋯⋯⋯んーーーー⋯⋯え〜〜と、お、オレちょっと殿下んとこ行ってくるわ!」

「え、はい!?」


 明らかに様子が変だ。

 さっき、はあああああ!!?と叫んだし。

 ま、僕に話さなかったってことは僕には関係ないことなんだろう。気にしないでおこ。


 それから翌日。廊下ですれ違った王太子様は絶望の表情を浮かべていた。

 中庭で見かけた橋良さんも⋯⋯絶望とまではいかないが、戸惑っていたような⋯⋯。

 部屋のベッドでごろごろとしていると、アドルさんが駆け込んできた。


「た、大変です!」

「はい!なんでしょう!」

「⋯⋯」


 あ、つい。完全に昨日のユキトさんが言ってたことに関することだと。


「⋯⋯すみません。それで⋯⋯?」

「⋯⋯はい。どうやら少し離れた国から召喚者が来るらしいです」

「え、召喚者!?何故!!?」

「その召喚者は、黒魔道士召喚で来た者でして。あの国はここと信仰が深く、この国に魔物が襲ってきていると知った魔導師達が召喚の儀を行ったのです。それで協力しようとこちらへ⋯⋯」

「なるほど。それにしてもその召喚者さん可哀想だな⋯⋯」

「私が言えたことではありませんが、そうですね」

「いつ来る予定ですか?」

「明後日だそうです」


 アサッテ?ナンダッテ?

 いやいや、早すぎないか?もうちょっと召喚者さんのこと考えたげて??

 ⋯⋯それに、今はこの国結構安全だしな⋯⋯。

 というか、黒魔道士召喚て。黒魔道士って召喚できるものなんだなー、知らなかった。


「あ、そういえば訓練場によくいる騎士達が、来てくれと言ってました」

「わかりました」

「それでは、失礼します」


 ほぼ毎日訓練場には行ってるけど、何かあったのかな?

 アルに餌をやってから、部屋を後にした。


 訓練場には、騎士さん達がたくさんいた。

 いつもよりも多い。

 その中には、なんと騎士団長さんもいた。

 ナンダッテー。


「皆さん、どうしたんですか⋯⋯?」

「シグレさん!お久しぶりっす!」

「え、あ、お久しぶりです」


 相変わらず騎士団長可愛い。

 だが、前に見た時より真剣な顔をしている。


「大事が話があるんす、シグレ⋯⋯殿!」

「ドノォ⋯⋯」

「我が騎士団に入団してほしいっす!」


 おうふ。


「丁重にお断りさせていただきます」

「なんでっすかぁ!( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)」

「んー⋯⋯ま、お手伝い程度ならOKですけど」

「ほんとっすかぁ!.*・゜(*º∀º*).゜・*.」


 ああもう!かわいぃいい!!


「でも⋯⋯こんなに集まる必要ありました?」

「なんか、『俺達も見届けたい』って言ってたっす」

「見届けるって、何をやねん」


 並んだ騎士さん達を見ると、悔しそうな顔をしている。そんなに僕に入って欲しかったのか。それは申し訳ないが、入らんぞ。

 てか、よく見たらナイトもいる。

 目が合うと、アイツは苦笑した。

 事情を知ってる人からしたら、苦笑もするわな。


「残念っすけど、シグレさんはこいつらに一目置かれてるっす。何かあったらこいつらの相手してやってほしいっす!」

「勿論ですよ。皆さん、これからもどうぞよろしく!」

「「「うおおおおお!!!」」」


 おうふwww騎士のノリすげぇwwwwww

 ナイトが後ろで腹抱えて笑ってる。

 実際僕も笑いを堪えてプルプル震えてる。


「⋯⋯?なんすか、あれ」


 騎士達が騒いでいる中、団長が空を見上げて呟いた。

 隣にいた僕はそれに気づき、空を見た。

 なんか飛んでる。鳥かな?


「鳩?」

「え⋯⋯あ、ほんとっす、鳩っすね。でも、この世界では鳩は伝書鳩としてしか存在してないっすから誰かに手紙を届けてる途中っすかね」

「そんなんですか。⋯⋯なんかこっち来てません?」

「確かに、そうっs──って危なぁっ!!?」


 伝書鳩が勢い良く団長の顔の横をすれすれに通り過ぎた!

 団長は震えている!

 飛ばしてきたのに、鳩はピンピンしている。

 すると、飛びながら僕に手紙を足で渡してきた。え、僕かよ。


「⋯⋯どーも。どれどれ」


『ああ、愛しの聖女様。もうすぐお迎えにあがります』


 どこの誘拐犯だよ。

 ⋯⋯⋯⋯ってうぉい!これが僕の元に届いたってことは送ったの僕の正体を知ってる人じゃん!

 やべぇ!!すげぇやべぇ!


「なんて書いてあるんすか?」

「へぁっ!?あぁーっと!街にいる友人から元気かどうかって!!」

「そうっすか!(´∀` )」


 団長が性格バカで良かった。

 ⋯⋯手紙はとりあえずポケットに突っ込んだ。


 その様子を、不安そうな顔で誰かが見つめていた。


 ***


 部屋で、手紙をもう一度開く。

『もうすぐお迎えにあがります』⋯⋯か。

 もうすぐって⋯⋯いつやねん⋯⋯。

 お迎え⋯⋯。周りに注意しないと。

 てことでギルド行こう!

 ⋯⋯僕もそんなにバカではないし、街と離れていない場所での討伐依頼しか受けない。

 夜も外出は控えよう。

 フラグを取られないようにせねば。


「ダーシャ⋯⋯の仕業ではなさそうだしなぁ⋯⋯。ただのキモイストーカー⋯⋯?」

 ガチャ。「おーい、紫暮」

「勝手に入ってくんなぁ!!」


 ブツブツ言っていると、突然ナイトが扉を開けて入ってきた。

 なので枕を顔面に投げつけた。

 避けられた。チッ。


「それ、さっきの手紙だろ?何書いてあったんだよ」

「⋯⋯街で知り合った友人が、元気ですか〜って」

「嘘つけ。お前は嘘つく時、いつも右耳たぶも触るんだよ」


 うそん⋯⋯無意識って怖っ。


「んで?本当はなんて?」

「⋯⋯⋯⋯ん」


 渋々手紙を見せた。

 それを見ると、ナイトは盛大にため息をついた。


「まぁ⋯⋯これは言えねーな⋯⋯」

「警戒はちゃんとするよ。じゃあ、ギルド行ってきまー⋯⋯うげっ」


 ナイトの横を通り過ぎようとすると、後ろ襟を掴まれた。


「俺も行く」

「⋯⋯⋯⋯仕事は」

「今日は非番」

「ソッスカ」


 ***


 ギルドも最初来た時より騒がしくなった。

 皆、居酒屋にいる人みたいになってる。行ったことないし偏見だけど。


「これお願いします」

「はーい。2人ね」


 カルハさんが微笑む。美人さんだなぁー。


 依頼内容と依頼達成中のことは割愛します。

 いや、普通の討伐依頼だったんで。


「よし、帰るぞ」

「うん」


 報酬も受け取り、ナイトと共に城に帰った。

 今のところは、視線などは感じない。

 このまま何も無ければいいのに。


 ***


 1日経った。

 例の召喚者が来る日である。

 城門付近は野次馬でいっぱいだ。勿論全員城の関係者だが。


「来たぞ!」「どんな人だ!?」「皆、道開けろ!!」


 モーゼの十戒の如く、馬車が通る道がぱかーんと開かれた。

 馬が歩みを止め、扉が開く。

 出てきたのは──。


「はぁ⋯⋯なんでこんな人いんの⋯」


 と呟く、女子が卒倒するほどの超絶イケメンだった。

 なんやねん⋯⋯なんで男子は皆イケメンやねん⋯⋯!!

 ああ、なんだか最近は関西弁使うの多いな。

 ちなみに僕は野次馬達の後ろの方でひっそりと見てます。

 うーん、あの人どっかで見たんだよな。

 その人は、右目を前髪で隠すようにしていて、髪色と瞳の色は漆黒。ピアスもしてる。服装は何故か黒のスーツ。

 一見はヤのつく仕事についたイケメンだ。

 ん?待てよ。漆黒⋯⋯漆黒??

 まさか!


「漆黒の王子ぃぃい!?」


 はっ!つい声に出してしまった!!

 ⋯⋯漆黒の王子とは、今(?)日本中を騒がせている、大人気モデルの2つ名である。

 確か、多分芸名だけど、黒葉燐斗(くろばれんと)

 あ、こっちきたやっべ。


「あんた、俺のこと知ってんの?」

「⋯⋯えぇ⋯⋯まぁ⋯⋯⋯⋯はい」

「んじゃあ、日本人?あんたも召喚者?」

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ソウデス」

「そ。ま、仲間いて良かった」

「その格好は⋯⋯」

「撮影中だったんだよ」

「ソウデスカ」


  雑誌でちょっとしか見たことないからわかんなかったけど、めっちゃ背ぇ高ぇええ!!

 僕女だけどこれは言わせてもらう。

 イケメン爆ぜろおおおお!!

 ふう。


「今なんか失礼なこと考えなかった?」

「なんでもないっす」

「ならいいけど」


 おう⋯⋯殺気感じたぞ⋯⋯。

 そうだった、知り合いの生徒会が言ってたな⋯⋯、この人は一般的には漆黒の王子って言われてるけど、一部のファンからは、漆黒の魔王とも呼ばれている⋯⋯と。

 どこのちゅうにびょ──おっとこれ以上は言わないでおこう。


「⋯⋯では、クロバ様。参りましょう」

「ああ、そうだね」


 一緒に乗ってた従者らしき人が城に入るように促す。

 クロバ様って、もしや黒葉燐斗は本名?

 ふへぇ。


「うお、まじか、あれ漆黒の王子じゃね」

「あ、ナイト。そうだよ、めっちゃイケメンだったわ」

「イケメン爆ぜろ」

「それな」


 ちょ、おまいう⋯⋯という言葉は無視して、何故ここにいるのか聞くと、休憩中散歩していたら、人だかりができてたので見に来たとの事。


「にしてもナイトが知ってるの意外だな」

「クラスの女子がよく話してたろ」

「何それ知らん」

「現実を見ろ」


 うぃっす。


「はあ、黒魔道士⋯⋯ね。その内また賢者とか白魔道士とか来そう」

「やめてフラグが建つ」


 ⋯⋯黒葉、さんと仲良くできるかなー。

 記憶違いでなければあの人19歳なんだよなあ。ま、その年の友人はいるけどさ。


 城の入口で、誰にも見られないように、黒葉は微笑していた。


今回のゲストは騎士団長の⋯⋯騎士団長の⋯⋯⋯⋯騎士団長です。

団長「名前覚えてくださいっす!!」

作者「はい、最初の質問です。嫌いな食べ物はなんですか」

団長「⋯⋯トマトっすかね」

作者「あ"?(作者はトマト好き)」

団長「⋯⋯⋯⋯や、野菜」

作者「次の質問です。好きな場所はどこですか?」

団長「場所⋯⋯っすか?んー、やっぱり実家っす」

作者「それはいいですね。最後の質問です。好きな人は誰ですか?」

団長「なんっすかその質問!」

作者「誰ですか?」

団長「いないっすよ!」

作者「つまんねぇな!」

団長「なんなんすかぁあああ!!?(」゜д゜)」」

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