第5話 彼氏ができちゃった!
今日も今日とて絵のモデルになって絵師の皆さんを夢中にし、お金を稼ぐわたし。
画集よ早く出てください。
サイン会とかやって大人数を同時に笑顔にしたいんです!
交渉(魅了で無理矢理)の結果、条件つきOKが出た。
今度スイーツショップで食レポをすべきとのこと!
やりますとも。
そうして画集の約束を取り付け街に戻り、お昼を考えていると見覚えのある甲冑の騎士が。
「まさか、貴方って…」
「そうです!あの日助けていただいた騎士のギャラティンと申します!」
どっかの伝説にいたね、そんな名前。
「お久しぶりです、アミナと申します!」
まさかのやっとの自己紹介。
お昼がまだってことでぶらぶらしていたことを伝えると
「町外れにできたラーメン屋を紹介します!」
あるんかい!
ってかこの方角、いつも絵になっているあの10階建て(そろそろビル呼ばわりでいいかな?)の近く。
…看板赤くしてよ…ラーメン屋らしさの証拠だよ…。
そこでお昼にし、お互い身の上話。
あ、注文はわたしが醤油ラーメンで彼が豚骨ラーメン、それぞれ大盛りです。
「あの日、僕は熊退治の任で山に行っていたのですが」
1つ勉強。
この世界、騎士が猟師を兼ねる。
「子グマを一頭狩り、気を良くしていたらもう一頭に気付いてなくて、ボコボコにされ、命からがら逃げて、その果てに…」
わたしの存在、ナイスタイミング!
「それに比べ、わたしはなんと安全な世界にいるのでしょう」
ホントに。
「その安全な場所で何を?」
「絵のモデルです!魔法で体型変えらる場合もアリで」
今デフォルト体型だからお肉は多めだし、何より変更し放題だけど。
そんなこんなでお互いラーメンをバクバクズルズルと。
お互いそれぞれお金を払って店を出た直後、意外な展開が待っていた。
「実は僕、貴女の事、寝ても覚めても忘れられないんです!」
この人ムード意識あるのか食事中を避け…いや待って待って!
「一生をかけて、守らせてください!」
コクられたー!?
ヤバイ、コクられるとか人生初だ。
コクったこともない。
「は、はい!是非お願いします!」
言っちゃったー!
皆を笑顔にすべく絵になっているけど女子としてね!?
脳みそオーバーヒートが原因でその場から大慌てで走り去り、自宅へ。
スマホどころかカメラなんて存在しないこの世界だけど、マスコミはもうちょっと昔からあったはず。
どうかバレませんように!