旅行へ
亜人・魔人によりボコボコにされ、街中で吊るし首状態のタカヨシと、首だけのルーファウス、ケレンにイーサがあった。
「クククッ…なんと無様な、しかしこれで邪魔者は居なくなったな」
大喜びの魔人の執事さん、と、その仲間たち。
「こんな簡単な仕事で金が貰えるなら何度でもやるぜ」
「エルフの国を消した罰だ!」
「ここの建物の素材は金になるんじゃねーか?」
亜人やらなんやらが好き勝手におっしゃります。
「ナハハハ!そうだな!」
俺も同調する。
「「「!?」」」
「どうした?」
首を傾げる貴義。
「き、きさま!何故生きているんだッ!!」
執事さん困惑。そして戦闘態勢の亜人共。
「何故…か、うーむ」
発動、【身代わり君・弐】
「「こんな感じ?」」
「へい!貴義!俺が死んでるぞ!」「ヘイ!貴義!良い死に様だったぞ!」
パチーン!と手を叩きあう。
「ま、まぁ良いでしょう…、また死ぬだけです」
パチンと指を弾くと地面から大量の魔人が出てくる。更に増援の亜人。
「んじゃ、貴義ー!一旦消えますわー」
「うーい、すまんなー」
片方の貴義はドロンと消えた。
「よっこいせ、こんなん使えるかしら?」
ルームから出てきた。
黒い身体、六枚の翼、立派なツノ。
「おおう、かっくいーなコレ」
貴義以外は震えあがる。
―――我が名は―――
すでに亜人は全員気絶、魔人は動けない!
―――ルシファー…―――
風が強くなる。
―――また輝ける…―――
「ああっ、光がっ…」「暖かい…」
魔人共が砂となり消えていく…。そして貴義は街を回収していく。
「何故だっ!あと一歩の所でぇええ!!私が王になればッ!お前さえ居なければッ!!」
執事さん、無念。
「るーふぁうすさんや…わしゃ耳が遠くて遠くて…ふがふが」
「タカヨシよ、私が面倒を見てやるぞ」
ルーファウスがなでなでしてくれた!やる気マックスや。
「貴女も生きていたのですかッ!?ということはあの二人も!?」
執事さん、慌てすぎておもろい。
「鮮血の名は伊達じゃないよ!」「爆砕、つよい」
ちょっち向こうから色々まき散らして参上。
―――終わりか―――
「お疲れルシファー、部屋にわらびもちあるから食っていいぞ」
―――また呼ぶがよい―――
いそいそと扉に入っていく魔王とかシュールすぎだろ。
~ルーム、キッチン~
―――わらびもち…、どこだ?―――
「アッ!ルシファージャーン!」
小さい蠅が話しかけてきた。
―――ベルゼブブか…、何用だ―――
「イヤー、コノ、モチモチシテルノガオイシクテ―!」
―――それは…―――
「ワラビモチッテイウノ?チョーウメーノ!」
カッ!!
~ルーム外~
ん?まあいいか…。
「さて、残すは君だけよ~ん。ひつじちゃーん?」
真の姿なのか、執事はまさに悪魔…、巻いたツノが印象的なフェイスになりました。
「こうまでされては…、どうしようもありませんね…」
哀愁漂うひつじ。
「まぁ、相手が悪すぎたと思ってくれ」
「ですが、これはどうですかな…?」
「え?」
身体が黒い球体に閉じ込められる。
「最後の最後に…、【強制転移】の魔法です…。もっとも、どこへ飛ばされるかはわかりませんが…」
「なるほど…、やるな。おい、ルーファウス」
声は届いていないようだが察してくれたみたいだ。
「タカヨシ、油断したな」
「でへー、それほどでも」
何故か球体へ瞬間移動してきたルーファウス。
「新婚旅行な感じで行こうか!ケレンもイーサも!」
もちろん二人も
そして貴義達は消えていった。
「アッー!マジ、ルシファー!?カンベンシテ!!」
―――ゆるさん!絶対にゆるさんぞ!---