嗜虐性
貴義は元居た世界で、そんなに怒るタイプでは無かった
怒らせる存在が居なかった
温厚な人ほどとはとよく言うタイプ
割り切りもあったが別の環境というストレスは間違いないので結果は当然か…。
「おかしいなー、挨拶したら馬鹿にされちゃったー」
抑揚の無い声が響く
彼の持つ武器がぶれた
二人の盗賊の下半身と上半身が分断される
ドチャッ… 遅れて響く音
「あれれ、加減が難しいな…、あ、こんにちは!タカヨシって言います!」
一瞬にして盗賊、人の命が三人消えて
この場違いな発言である。
「お、おう」思わず返事をする首領
「なんか盗賊に襲われてるみたいなんで助けにきてみましたー」
盗賊からしてみれば死刑宣告へ早変わり
「か、かんべんしてくれええ!」逃げ出す盗賊の下っ端の一人
「ガっ…!?」
逃げ出した盗賊は足に痛みを感じた
「まあまあゆっくりゆっくり」
足が無い、斬られたのだ
「アガアアアアアアアア!!?」森に叫び声が響く
その光景に助けられたはずの捕虜たちは震えた
「んま、てことで捕虜助けても良いですか?」
さも当然に言う貴義
「つ、つれていけ…、こちとら四人もダメになっちまったしな…」
苦虫を噛んだ表情の首領
「おお!話が分かるのは良いことだッ!!」
スパンッ
乾いた音と共に首領を除く五人の首が落ちた
(なんでこんな奴がこんなとこにいるんだ…)
首領はそんなことを考えていた